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	<title>コラム | 原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</title>
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	<description>脱原発社会へ向けて、イベント、国への提言や声明など、様々な活動をしています</description>
	<lastBuildDate>Mon, 23 Mar 2026 06:29:55 +0000</lastBuildDate>
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		<title>【寄稿】除染土の上でサッカーを！？　国は中間施設に「置きっぱなし」にするのか</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/20555/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 06:58:47 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[除染土]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_1-1024x463.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>除染土の上でサッカーを！？　国は中間施設に「置きっぱなし」にするのか ジャーナリスト・小森敦司 除染土の上でサッカーを！？　２０１１年３月の東京電力福島第一原発事故後の除染で出た土（除染土）[1]はいま、原発を取り囲む形 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/20555/">【寄稿】除染土の上でサッカーを！？　国は中間施設に「置きっぱなし」にするのか</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_1-1024x463.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-left has-huge-font-size"><strong>除染土の上でサッカーを！？　国は中間施設に「置きっぱなし」にするのか</strong></p>



<p><strong>ジャーナリスト・小森敦司</strong></p>



<p class="is-style-big_kakko_box">除染土の上でサッカーを！？　２０１１年３月の東京電力福島第一原発事故後の除染で出た土（除染土）<a id="_ednref1" href="#_edn1">[1]</a>はいま、原発を取り囲む形で、同県双葉町・大熊町の中間貯蔵施設で保管されている。広さは東京都渋谷区とほぼ同じで、運び込まれた除染土等は東京ドーム１１杯分約１４００万㎥になる――政府は搬入開始から３０年以内（２０４５年３月まで）に福島県外で最終処分すると法で約束したが、事故から１５年を経てもその場所探しには進展がない。最終処分量を減らすため、政府は放射能濃度が一定程度以下の除染土を再生利用する方針も打ち出したものの、具体的なメドはない<a id="_ednref2" href="#_edn2">[2]</a>。筆者は一つの疑念を抱く。国は、例えば、中間貯蔵施設の一部を公園などにすることを想定し、除染土の多くをそこに「置きっぱなし」にするのではないか<a id="_ednref3" href="#_edn3">[3]</a>。福島の人々との約束に反する、そうした可能性を検証したい。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（１）放射線は「９９％遮へいしています」</h2>



<p>「まるで公園だ。サッカーや野球を楽しめそうだ」。中間貯蔵施設の一角。「土壌貯蔵施設」と呼ばれる高台に立つと、そんな考えが脳裏をよぎった。足元には除染土が約１５ｍの高さで埋まっている。 </p>



<p>腰のあたりで線量計をかざすと毎時０．２２２マイクロシーベルトだった。案内スタッフは「みなさん、０．２ぐらいでしょうか？　覆土が６０ｃｍメートルあって、下からの放射線を９９％遮へいしています」と説明した。土の飛散防止のため芝も植えられていた。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="463" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_1-1024x463.jpg" alt="" class="wp-image-20556" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_1-1024x463.jpg 1024w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_1-300x136.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_1-768x347.jpg 768w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_1.jpg 1272w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p class="has-xs-font-size">（左）見学会で訪れた「土壌貯蔵施設」の上で線量計をかざしてみた。毎時０．２２２マイクロシーベルトだった。（右）中間貯蔵施設の位置図。環境省のホームページから。２０２２年１２月時点の想定。同施設が福島第一原発を取り囲んでいる<a id="_ednref1" href="#_edn1">[4]</a>。</p>



<p>２０２５年１２月中旬に参加した見学会で案内された。見学会は、国からの委託を受け、施設の整備・管理などにあたる「中間貯蔵・環境安全事業株式会社（ＪＥＳＣＯ）」が頻繁に催している。筆者も他の参加者と小型バスに乗り、２時間余りかけて大熊町内のコースを回った。高市早苗首相も約２週間前にここに視察に来たという<a id="_ednref1" href="#_edn1">[5]</a>。</p>



<p>正直に言うと、見学後に思ってしまった。「除染土は、このまま『置きっぱなし』でいいのではないか」と。たとえ公共事業などで再生利用する場所が全国のどこかで見つかったとしても、掘り出し作業や輸送は大変だろう。巨額の費用もかかる。再生利用先の住民も不安に思うはずだ。ならば、除染土を動かさなくてもいいのではないか――。 </p>



<p>ＪＥＳＣＯの担当者に確認すると、この貯蔵施設の下にある１キロあたり８千ベクレル以下（濃度の問題は後述する）の除染土は、すでに草や木などの異物は取り除かれているという。では、このまま再生利用に使えるのかと聞くと、担当者は「用途に応じて土質改良などを行う場合があります」としつつ、「放射線濃度の面では、そのまま使えるという理解で大丈夫です」とした。</p>



<p>そうした答えを受けて、除染土はそのまま「置きっぱなし」にして、公園にすることも（実際に子供たちをそこで遊ばせることは考えづらいが）有力な策ではないかと思えてしまったのだ<a id="_ednref1" href="#_edn1">[6]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[7]</a>。</p>



<p>しかし、除染土搬入前の２０１４年６月の地権者や町民への説明会では、こんなやりとりがあった<a id="_ednref1" href="#_edn1">[8]</a>。</p>



<p>参加者：３０年以内に中間貯蔵施設はなくなると断言されるということでよろしいんですか。<br>環境省：はい、３０年以内に県外で最終処分場を完了するということでございますので、３０年後には中間貯蔵施設としての機能は終了すると、そのように国として進めていきたいと思っております。</p>



<p>環境省の当時の担当局長も２０１４年１１月、国会でこう答弁した。「再生利用につきまして広く国民の皆様の御理解を得て、基本的に福島県外での利用を図りまして、最終処分の対象となったもの、減容化のものにつきましても県外の最終処分地において最終処分を完了するということでございます」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[9]</a></p>



<p>こうした説明を聞いて、施設は将来、更地になると信じた地権者や地域住民がいたはずだ<a id="_ednref2" href="#_edn2">[10]</a>。</p>



<p>ただ、こうも解釈できないか。「中間貯蔵施設としての機能は終了しますが、再生利用の場として機能します」「公園の盛り土など例外的に福島県内での利用を……」。この国なら、やりかねない。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（２）地域間で押し付け合う構図に</h2>



<p>中間貯蔵施設の行方を考えるにあたり、経緯を改めて整理したい。</p>



<p>福島県では、原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染で膨大な除染土が出た。当初、仮置き場や庭先に置かれたが、政府は復興の支障になると中間貯蔵施設の確保を急ぎ、２０１４年９月、福島県は建設受け入れを容認。複数の新聞記事が、環境省は当初、最終処分場にする案を福島県に持ち掛けたが、当時の民主党政権の官邸が許さず、中間貯蔵施設になった、と伝えている<a id="_ednref1" href="#_edn1">[11]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[12]</a><a id="_ednref3" href="#_edn3">[13]</a>。</p>



<p>２０１４年１２月に施行された「中間貯蔵・環境安全事業株式会社（ＪＥＳＣＯ）法」第３条2項は、「中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする」と定めた。施設を受け入れてもらうための、地元への「約束」だったが、その法的効力を問題視する見解がある<a id="_ednref1" href="#_edn1">[14]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[15]</a>。</p>



<p>２０１５年３月、除染土の搬入が始まった。２０１６年６月、環境省は最終処分量を減らすため１キロあたり８千ベクレル以下の除染土を公共事業に利用する方針を打ち出す。利用先に道路や鉄道の盛り土などを想定、後に公園を含む緑地の造成も加えた。これに市民側からは「広く放射性物質を社会に拡散するような取り扱いはすべきではない」といった批判・懸念が噴出した<a id="_ednref1" href="#_edn1">[16]</a>。</p>



<p>こうして経過を調べてみると、そこに様々な偽りや無理があったように思える。</p>



<p>時が移るが、環境省は２０２５年３月、「再生利用」との呼び方を「復興再生利用」に変えた。前向きなイメージを出したいのだろう。その呼び方を使った同省の現状の説明図のスクショを下に貼る<a id="_ednref2" href="#_edn2">[17]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="534" height="205" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_2.png" alt="" class="wp-image-20558" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_2.png 534w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_2-300x115.png 300w" sizes="auto, (max-width: 534px) 100vw, 534px" /></figure>



<p>「県外最終処分」を減らすには、「復興再生利用」を増やさないといけない。逆もしかり。どちらを取るかを住民に迫るものだ。除染土を地域間で押し付け合う、そんな構図を環境省はつくった。</p>



<p>２０２５年３月１１日放映のNHKスペシャル「約束はどこへ／さまよう除染土」では冒頭、関東地方の住人が言い放つ。「冷たい言い方かもしれないですけど、あそこ（福島）で出たものはその地域で保管してもらう」。筆者も中間貯蔵施設で「除染土は、このまま『置きっぱなし』でいいのではないか」と思ってしまったことは先に記した。</p>



<p>こうした考えについて、自身の土地を中間貯蔵施設のエリア内に所有している「３０年中間貯蔵施設地権者会」会長の門馬好春さんに尋ねてみた。答えはこうだった。「国は除染土の最終処分場を見つける努力をしたのでしょうか。一番大事なことをしないで、『無理でした』というのは、順番が違います」</p>



<p>確かに、国が「県外最終処分」の場所を必死に探している、といったニュースを聞いたことがない。「復興再生利用」も、政府は２０２５年夏、官邸の前庭や霞が関の官庁の花壇に使うとPRしたものの、この時の公表数字を全部足しても６８㎥と、小学校の２５mプール一杯分（４００㎥前後）にもならない。繰り返すが、中間貯蔵施設の除染土等の総量は東京ドーム１１杯分約１４００万㎥だ。 </p>



<p>門馬さんは２０２５年３月１１日、環境省との交渉過程などをつづった本「未来へのバトン　福島中間貯蔵施設の不条理を読み解く」（インパクト出版会）を出した<a id="_ednref1" href="#_edn1">[18]</a>。環境省の交渉姿勢をこう記した。「環境省は、とにかく〝土地を売れ〟と言ってきます。私たちはそこに不信感を抱いています」</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="464" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_3-1024x464.jpg" alt="" class="wp-image-20560" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_3-1024x464.jpg 1024w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_3-300x136.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_3-768x348.jpg 768w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_3.jpg 1057w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p class="has-xs-font-size">（左）取材に答える門馬好春さん。（右）門馬さんたちの著書「未来へのバトン」の表紙には、「ふるさとを取り戻す」との文字もあった。</p>



<p>敷地を国有化して最終処分場にするのでは、と疑っているのだ。本の帯に記された言葉を抜粋する。<br>「３０年間、我慢してほしいとの約束で……多くの地権者が泣く泣く事業に協力しています。ですから、国と東電は約束を絶対に守らなければいけません。想定外などと責任逃れの言葉を使ってはなりません」</p>



<h2 class="wp-block-heading">（３）開示資料に「福島県ｖｓ環境省」</h2>



<p>もしも、「最終ではなく中間ですから」と説明して、地上権契約などを結び、後々、適地が見つからないので「置きっぱなし」にするなら、ひどい話だ。しかも、早い段階から、それを狙っていたとすれば相当悪質だ。でも、筆者はそんな可能性を示す一つの痕跡を見つけた。</p>



<p>それは、情報公開請求で大熊町から得た「安全協定」をめぐる開示資料の中にあった。 協定は中間貯蔵施設への除染土搬入を控えた２０１５年２月、環境省と福島県、大熊町、双葉町の４者が結んだ<a id="_ednref1" href="#_edn1">[19]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[20]</a>。周辺地域の安全の確保を図るものだが、その中に、なぜか、「最終処分」に関する規定（第１４条）がある。とても異質だ。まず、協定の第１４条部分をスクショして貼りつけておく。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="894" height="550" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_4.jpg" alt="" class="wp-image-20563" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_4.jpg 894w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_4-300x185.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_4-768x472.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 894px) 100vw, 894px" /></figure>



<p>大熊町から開示された資料は、A４用紙で４５枚。１４条関連の記述の変遷が断片的に分かる。その中に論点ごとに、「福島県の意見」と「環境省の考え方」を併記した資料があった。１４条がどうしてこの協定に入ったのかを探るヒントをそこに見つけた。</p>



<p>「最終処分」に関する「福島県の意見」はこう記されていた。「県外最終処分の担保：貯蔵期間が搬入開始日から３０年以内、及び、管理期間終了時点で県内除去土壌等を全て搬出させることを求める」「搬出の検討状況の報告：県外最終処分までのプロセスの実施状況等について報告等によりその担保を求める」「跡地利用：跡地利用の協議を求める」（傍点は筆者）<br> 当該部分をスクショして下に貼り付ける。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="887" height="415" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_5.jpg" alt="" class="wp-image-20566" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_5.jpg 887w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_5-300x140.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_5-768x359.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 887px) 100vw, 887px" /></figure>



<p class="has-text-align-left has-xs-font-size">※　分かりやすくするため、関係する部分を切り貼りしてある。</p>



<p>筆者の推測だが、福島県側は、前述のＪＥＳＣＯ法の第３条2項「三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする」という規定だけでは、「置きっぱなし」を阻むのに、心もとないと考えたのではなかったか。</p>



<p>この点について大熊町の環境対策課に尋ねると、「当時携わっていた者」に当たってくれた。メールによる、その方の回答はこうだった。「大熊町から求めたかは不明ですが、当時、地権者から法律は変更することができると意見があったため、何らかの担保が必要であったことは確かです」</p>



<p>筆者の推測が「当たり」だったと言えようか。</p>



<p>ただし、正式締結前の協定案には、ある規定（３項）が入れられた。「丙（筆者注：環境省を指す）は、国民の理解の下に、除去土壌等の再生利用の推進に努めるものとするが、再生利用先の確保が困難な場合は福島県外で最終処分を行うものとする」というものだ。その部分のスクショを下に貼る。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="752" height="412" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_6.png" alt="" class="wp-image-20567" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_6.png 752w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_6-300x164.png 300w" sizes="auto, (max-width: 752px) 100vw, 752px" /></figure>



<p>つまり、順番として、まずは「再生利用の推進に努める」。そして、「再生利用先の確保が困難な場合」になって、ようやく「県外で最終処分を行う」ことになっている。前述のＪＥＳＣＯ法の「県外最終処分」の規定が骨抜きになってしまわないだろうか。</p>



<p>これに対して、「当時携わっていた者」は、次のような見解を示した。「福島県の意見に対する環境省の考え方で、基本協定第１４条が追加となっていることを踏まえると、県内で発生した除去土壌等は（再生土も含む）県外に搬出されると考えられます」（筆者注：マルカッコ部分も元のメールのまま）。</p>



<p>筆者はもう一つ、気付いた。正式な協定の第１４条４項（３項が４項に移った）は、さらに変更されていた。「丙（環境省を指す）は、福島県民その他の国民の理解の下に、除去土壌等の再生利用の推進に努めるものとする……」と、「福島県民その他の」が加えられたのだ。</p>



<p>これだと、再生利用の場所として福島県内を想定しているように読めないだろうか。この点、「当時携わっていた者」は、「やり取りには参加しておりませんで、最終的に『福島県その他』と追加された意図は不明です。除去土壌等の再生利用は国が責任を持って行うと認識をしております」とするのだった。</p>



<p>安全協定が結ばれてから約１０年後の２０２５年８月、政府は除染土に関する工程表（ロードマップ）をまとめた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[21]</a>。２０３０年ごろ、復興再生利用については「目途を立てる」、県外最終処分については「候補地の選定・調査を始める」とした。工程表の図の一部をスクショし、貼り付ける。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="797" height="696" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_7-1.jpg" alt="" class="wp-image-20580" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_7-1.jpg 797w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_7-1-300x262.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_7-1-768x671.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 797px) 100vw, 797px" /></figure>



<p>この図の復興再生利用に関する上段は、「官邸での利用」などを挙げ、前進している体裁を取り繕っているが、その先の具体的な見通しがない。県外最終処分に関する下段も、「検討」の羅列に終わっている。一言でいえば、「やる気」がまったく感じられない<a id="_ednref1" href="#_edn1">[22]</a>。</p>



<p>なお、朝日新聞の記事によると<a id="_ednref2" href="#_edn2">[23]</a>、この工程表の「補足」文には、その決定間際に福島県知事の強い思いから、次の一文が加えられたという。「２０３５年を目途に最終処分場の仕様の具体化、候補地の選定等を行い」。福島県側として、最終処分場にされてはなるまい、つまり「置きっぱなし」はダメだと期限付きの定めを環境省に迫ったのだろう。両者のせめぎ合いがずっと続いている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（４）「中間貯蔵施設で再生利用を」と有識者</h2>



<p>切り口を変えて、国の思惑をさらに考えてみたい。</p>



<p>中間貯蔵施設への除染土搬入開始後の２０１５年７月から、除染土の再生利用策などを協議する有識者会議を環境省は開いてきた。「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」という仰々しい名前だ。２０２５年３月までに計２０回開かれた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[24]</a>。</p>



<p>尊敬するジャーナリスト・まさのあつこ氏のＸへの投稿<a id="_ednref2" href="#_edn2">[25]</a>の言葉を借りると、「この『専門家』の集まりこそが、汚染土再利用にお墨付きを与えてきた」。前述の「８千ベクレル以下は再生利用」にゴーサインを出したのも、この検討会だ。</p>



<p>環境省のホームページにあった議事録を読むと、「復興」を名目に除染土の福島県内での再生利用を求める、ある委員の発言が際立っていた。この委員が所属していた組織に聞くと、すでに亡くなっていた。取材できなかったので名前こそ伏せるが、高レベル放射性廃棄物の処分に長年かかわった人物だった。</p>



<p>印象的な発言を抜き出す。</p>



<p>２０１７年１０月　「高レベル放射性廃棄物の地層処分もそうですが、オールジャパンでやったってなかなか進まないものを、福島の災害廃棄物で出たものを他県でというのは並大抵ではないし、そこに注力するよりは福島の復興のためという旗のほうが重要だと思う」</p>



<p>２０１９年３月　「（技術開発戦略の見直し案に）全国民的な理解醸成という言葉が出てくるのですけれども……福島県以外に持ち出して再生利用が本当に可能なのか疑問です」「復興拠点の計画と連動させて再生利用を図るのは現実的なやり方だと思います。真っさらなところに土を持っていって再生利用というのは、まず受け入れてくれません。だったら、福島の復興に役立つ使い方で使っていくことにしないと、いつまでたっても再生利用は進まないと思う……」</p>



<p>２０２２年３月　「県外で３０年以内に処分と言っていますが、果たして県外が受け入れてくれるかどうか。今後の努力次第のところはありますが、極めて難しいです……中間貯蔵施設の中こそ再生利用の一つの場であると私は思います。全面花畑にするとか、国営の公園にしてしまうとか、いろんな考え方があってしかるべきです……放射能濃度が極めて低いのであれば、中間貯蔵施設の中である程度利用するということも、一つの方針としておかしくない」</p>



<p>これらの発言は、中間貯蔵施設に関する国側の本音を代弁しているのではないか。</p>



<p>この検討会を含む環境省の除染に関する政策立案は、やはり筆者が尊敬する元毎日新聞記者の日野行介氏の「除染と国家」（集英社新書）に詳しい。執念深い取材と情報公開請求で特ダネが満載だ。</p>



<p>同書のなかに、除染の制度設計に深く関わったという元国会議員の重要な発言を見つけた。中間貯蔵施設に関する２つの発言を、ここで引用させていただく。</p>



<p>「（政府内では）『あくまで仮置き場であり、『最終処分場』と言ってはいけないということだ。そう言わないと福島県が受け入れてくれない。だから中間貯蔵施設というネーミングになった」（Ｐ２１４）。</p>



<p>「最後は細野環境相が『３０年で行こう』と政治的に決めた。３０年後が怖いよね。誰が処分先を見つけるんだろうね」（Ｐ２１５） </p>



<p>この発言を読んで、筆者は、国はやはり、除染土を中間貯蔵施設に「置きっぱなし」にしたいのだ、との思いを強くした。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（５）県内再生利用に環境相が「OK」</h2>



<p>直近約１年の動きに話を進めたい。</p>



<p>「双葉町　除染土再利用検討　全国機運醸成狙う」。２０２５年２月２１日付の毎日新聞朝刊（東京本社版）の１面トップの見出しだ<a id="_ednref1" href="#_edn1">[26]</a>。記事は、中間貯蔵施設のある双葉町の伊沢史朗町長が、除染土を町内で再利用することを検討し、国と県に意向を通知したことを明らかにした、という内容だった。</p>



<p>取材に対して、伊沢町長はその理由について「（原発事故の)犠牲になった自治体が取り組むことで、このままでいいのかという機運を県内外で盛り上げたい」と述べたという。首都圏など県外で理解醸成が進んでいない現状を踏まえたものだった。</p>



<p>発言が話題を呼んだのは、除染土の再生利用が県内でも可能なのか、これまで不明確だったためだ。例えば環境省の局長が再生利用を「基本的に県外で」と国会で答弁したことがあると先に記したが、再生利用を県内でできるとした文書を筆者は見つけることができなかった。そこに伊沢町長は踏み込んだ。</p>



<p>その町長発言が毎日新聞の１面トップに載ったその日、浅尾慶一郎環境相（当時）が記者会見でこう語った。「最終処分については県外ということでありますが、再生利用については県外でなければならない<ruby>ということではない<rt>・・・・・・・・・</rt></ruby>というふうに認識しています」（傍点は筆者）。つまり、「除染土の県内再生利用はＯＫだ」と環境相が宣言したのだ。環境省にとり、「これ幸い」だったのだろうか。 </p>



<p>後日、毎日新聞の関連記事に、気になる福島県幹部のコメントが載った。「再生利用だけでなく、最終処分も『福島で』となってしまう事態が県にとっては一番困る」<a id="_ednref2" href="#_edn2">[27]</a>。伊沢町長発言をきっかけにして、「県外最終処分」の約束も蔑ろにされてしまうのでは、という強い懸念が福島県側にはあるのだろう。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="803" height="314" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_8.jpg" alt="" class="wp-image-20569" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_8.jpg 803w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_8-300x117.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_8-768x300.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 803px) 100vw, 803px" /></figure>



<p class="has-xs-font-size">見学会で訪ねた中間貯蔵施設内の見晴台からの撮影。福島第一原発がすぐそこに見えた。</p>



<p>伊沢町長発言から約１年が経った。筆者は環境省環境再生・資源循環局の担当者に、改めて伊沢町長発言への所感や最終処分についての方針などを尋ねる質問を送ったが、次のような返答を繰り返した。</p>



<p>「福島県外での最終処分というのは、お約束でもありますし、法律にも規定しておりますので、それに向けてしっかりとやっていくということに尽きると思います」</p>



<h2 class="wp-block-heading">（６）福島を裏切ることにならないか</h2>



<p>「廃炉で一番恐れているのは、（燃料デブリなど）取り出したものをちゃんと保管できるか、ということ……福島第一は決して広い敷地ではありませんで、取り出したものをすべて中に置けるかどうかという保証は今のところ、見通しが立っているわけではありません」</p>



<p>筆者は原子力市民委員会のホームページへの前回の寄稿（２０２５月１２日８日付）で、前原子力規制委員長で「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の廃炉統括官・更田豊志氏が、福島第一原発固有の廃炉作業の困難な事情をそのように語ったことを書いた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[28]</a>。</p>



<p>除染土だけでなく、燃料デブリをどうするか、は極めて大きな問題だ。政府や東電の福島第一原発の廃炉に向けた現行の工程表（ロードマップ、２０１９年版）は、取り出した初号機の燃料デブリを「容器に収納の上、福島第一原子力発電所内に整備する保管設備に移送し、乾式にて保管を行う」としている<a id="_ednref2" href="#_edn2">[29]</a>。</p>



<p>広い置き場所が必要なのは、燃料デブリだけではない。日本原子力学会が２０２０年７月にまとめたレポートは、技術コンサルタントの河村秀紀氏らの試算を引用する形で、福島第一原発事故で発生する放射性廃棄物が合計で約７８０万トンになるとした。事故を起こしていない原発の６００基分に相当する<a id="_ednref1" href="#_edn1">[30]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[31]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="470" height="474" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_9.jpg" alt="" class="wp-image-20570" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_9.jpg 470w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_9-297x300.jpg 297w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2026/03/komori2026_9-150x150.jpg 150w" sizes="auto, (max-width: 470px) 100vw, 470px" /></figure>



<p class="has-xs-font-size">見学会で撮った中間貯蔵施設内に建っていた石碑の写真。「想帰郷　我が帰郷日２０４５年３月１２日」と彫ってある。日付はここの地権者が国に貸した土地の契約が満了を迎える日を指すと、ある新聞記事で知った。名前は筆者が消した。</p>



<p>福島第一原発の廃炉作業がこのまま進んでいけば、燃料デブリを含む放射性廃棄物の置き場所が福島第一原発の敷地では足りないという日が、いずれ来るのではないか。</p>



<p>また、技術的な困難さから燃料デブリの取出しに、１００年以上の時間がかかるとなった場合、福島第一原発を取り囲んでいる中間貯蔵施設の敷地の使い道も、自ずと制約されることになるだろう。</p>



<p>そして、除染土の県外最終処分の話にしても、復興再生利用の話にしても、これまでの環境省のやり方では、その場所はなかなか見つからないと思う。</p>



<p>一方、県外最終処分の期限である２０４５年頃、原発事故の被害を知る人がかなり減っているはずだ、などと考える官僚や政治家がいるのではないか。</p>



<p>結局、なし崩し的に、除染土の中間貯蔵施設への「置きっぱなし」が進み、そのうえ、放射性廃棄物の置き場所として、中間貯蔵施設の敷地も「使わせて」ということになっていくのではないか。</p>



<p>あくまで仮定である。だが、万が一、そんなことになれば、元のふるさとの姿に戻ると願った・信じた福島の人々に対する、国による、とてつもない「裏切り」になるはずだ。筆者はそう考える。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<div class="wp-block-group is-style-dent_box"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<h4 class="wp-block-heading">脚注</h4>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[1]</a> 「除染土」は、筆者がかつて所属した朝日新聞の表記にならった。「除去土壌」や「汚染土」を使う報道機関もある。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[2]</a> 再生利用をめぐっては、環境省が埼玉県所沢市や新宿御苑（東京都新宿区）で実証事業を計画したが、地元の反対を受けて頓挫している。</p>



<p><a id="_edn3" href="#_ednref3">[3]</a> 筆者は、国は福島県外で、除染土を一定量、再生利用するとみている。ただ、除染土の相当な量が中間貯蔵施設にそのまま「置きっぱなし」になるのではないか、と疑っている。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[4]</a> <a href="https://josen.env.go.jp/chukanchozou/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://josen.env.go.jp/chukanchozou/</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[5]</a> 視察後の会見で高市首相はこう語っている。「福島県内で生じた除去土壌ですけれども、中間貯蔵開始後３０年以内、つまり２０４５年３月までの県外最終処分の方針というのは、国としての約束でございますので、さらに、法律にも規定されたものでございますので、国の責任だと考えております。この県外最終処分の実現に向けては、復興再生土、この利用によってですね、最終処分の量を減らしていくということが重要です」<a href="https://www.kantei.go.jp/jp/104/statement/2025/1202kaiken.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.kantei.go.jp/jp/104/statement/2025/1202kaiken.html</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[6]</a> 環境省は跡地利用で「都市公園」案を示したことがあったようだ。大熊町のホームページにあった「中間調査の事前調査について」（更新日：２０１３年４月１５日）の中のリンク先に「中間貯蔵施設についての確認事項についての国による回答」があり、それを開くと、「施設の３０年後の利活用については、例えば３０年後に、都市公園などの土地として有効利用することも一案」との記述が末尾にあった。<a href="https://www.town.okuma.fukushima.jp/soshiki/kankyoutaisaku/1855.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.town.okuma.fukushima.jp/soshiki/kankyoutaisaku/1855.html</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[7]</a> 最近、大手シンクタンクなどからも除染土の再生利用に関する論考が出されている。例えば産業技術総合研究所（<a href="https://unit.aist.go.jp/georesenv/geosustain/envS2-9-3/file/V13N2_P33-44_2025.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://unit.aist.go.jp/georesenv/geosustain/envS2-9-3/file/V13N2_P33-44_2025.pdf</a>)、三菱総合研究所（<a href="https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20240909.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20240909.html</a>）などがある。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[8]</a> <a href="https://josen.env.go.jp/chukanchozou/action/briefing_session/pdf/preliminary_report_140603_a.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://josen.env.go.jp/chukanchozou/action/briefing_session/pdf/preliminary_report_140603_a.pdf</a>　のＰ３。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[9]</a> 2０１４年１１月１８日の参議院環境委員会における環境省水・大気環境政策局長（当時）・三好信俊氏の答弁から。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[10]</a> 福島第一原発の敷地についても事故後、更地化を願う声があった。原子力市民委員会ホームページへの筆者の前回の寄稿（２０２５月１２日８日付）の脚注にも記したが、例えば福島県知事と地元の１３市町村長は２０１６年８月、経産相に対して、「燃料デブリや使用済燃料などの放射性廃棄物については……県外において適切に処分すること」などを申し入れている。<a href="https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025c/genan413.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025c/genan413.html</a> また、大熊町の吉田淳町長は共同通信の取材に対し、「最後は更地に戻して終わりにしてほしい」、同じく双葉町の伊沢史朗町長は「全部きれいに整地されて、元の姿になっているのをイメージしている」と述べた、という（２０２０年１２月３日、東奥日報など）。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[11]</a> 例えば、朝日新聞の２０２２年１２月２８日付の記事「最終処分のはずが『３０年の中間貯蔵』に」によると、南川秀樹・環境事務次官（肩書はいずれも当時）が２０１１年６月、佐藤雄平・福島県知事に最終処分場の県内設置を求めたが、１１年８月、菅直人首相が知事と会談した際には、「中間貯蔵施設」の要請に変わっていた。さらに１１年１０月、細野豪志・環境相が施設の設置期限を３０年以内とし、汚染土は県外で最終処分するという基本方針を示した、という。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASQDQ25RVQBGUGTB00H.html?_requesturl=articles%2FASQDQ25RVQBGUGTB00H.html&amp;pn=14" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/ASQDQ25RVQBGUGTB00H.html?_requesturl=articles%2FASQDQ25RVQBGUGTB00H.html&amp;pn=14</a> なお、複数の新聞社が似たような話を記事にしているのを筆者として確認した。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[12]</a> 震災当時、双葉町長だった井戸川克隆氏は、国と東電に対する損害賠償訴訟で、中間貯蔵施設について陳述書にこう記した。「３０年で県内から県外に核廃棄物を搬出するというウソは、かねてから指摘されている……中間貯蔵施設の話が出たころは３０年説は無かった、双葉郡に無理に押し込めるための後付けの方便でしかない……両町は、何処でもいらないという化け物を背負い込んでしまった」（２０２０年１月１５日、<a href="https://idogawasupport.sub.jp/images/00_200.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://idogawasupport.sub.jp/images/00_200.pdf</a>　）</p>



<p><a id="_edn3" href="#_ednref3">[13]</a> 中間貯蔵施設のあり方を議論する福島県の専門家会議（２０１３年４月２８日）で、廃棄物が専門の学者がこう語っている。「今、この設計図見ると、（通常の廃棄物の）最終処分場の設計図だと見える。中間貯蔵であるならば再掘削をせざるをえない……どうやって最終的に掘り起こすのか……掘り起こす方法がないと、最終処分にもっていくというシナリオがなくなってしまうと思う」<a href="https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/haikibutsutaisaku001.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/haikibutsutaisaku001.html</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[14]</a> 法制執務・法令用語研究会「条文の読み方」（有斐閣、第２版）によると、「ものとする」は、一定の義務付けを「しなければならない」よりも弱いニュアンスを持たせて規定しようとするとき、とりわけ行政機関に対して義務付けをしようとする場合に用いられる。しかし、行政機関に対する場合であっても、明確な義務付けをしようとするときは、「しなければならない」が用いられる、という。筆者はこれを大坂恵里・東洋大学教授の講演資料で知り（ <a href="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/11/20251108_Osaka.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/11/20251108_Osaka.pdf</a> ）、同書を入手、確認した。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[15]</a> 早稲田大学の黒川哲志教授は日本原子力学会誌に寄せた論考「除去土壌中間貯蔵施設の将来計画のあり方」で「除去土壌の最終処分地の確保は容易でない。法は不可能を強制しないという法格言に基づいてＪＥＳＣＯ法第３条２項を訓示規定と解釈したり、国会による法律改正によって現実的な対応がなされたりする可能性がある。すると、この中間貯蔵施設をそのまま最終処分施設とすることも選択肢とされるかもしれない。これを踏まえた将来計画の策定が必要」とした。（日本原子力学会誌 ２０２４年６６ 巻 ８号）<a href="https://researchmap.jp/read0181648/published_papers/46838672" target="_blank" rel="noopener" title="">https://researchmap.jp/read0181648/published_papers/46838672</a> &nbsp;</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[16]</a> 原子力資料情報室は２０１６年６月３０日、「環境省：除去土壌の再生利用　二重基準隠しに抗議」と題した声明を発表した（<a href="https://cnic.jp/7086" target="_blank" rel="noopener" title="">https://cnic.jp/7086</a>）。抜粋すると「環境省は放射性廃棄物のセシウム濃度について、放射性物質汚染対処特措法に基づく８０００Bq／kgが『廃棄物を安全に処理するための基準』、原子炉等規制法に基づく１００Bq／kgが『廃棄物を安全に再利用するための基準（クリアランスレベル）』と説明している。放射性物質汚染対処特措法に基づく８０００Bq／kg以下の除去土壌の再生利用は、原子炉等規制法の１００Bq／kg以下のクリアランスレベルの８０倍である。このままでは原子炉等規制法の基準と放射性物質汚染対処特措法の基準が併用されるダブルスタンダード(二重基準)の状態となる」と指摘した。　</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[17]</a> さらに環境省は２０２５年９月、除染土のうち放射性物質の濃度が８０００Bq／kg以下の土の呼称について、「復興再生土」とすることを決めたと発表した。８０００Bq／kg超の土と区別し、安全性への理解を広げるためだ。これもイメージ戦略の一つと言える。<a href="https://www.env.go.jp/annai/kaiken/kaiken_00323.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.env.go.jp/annai/kaiken/kaiken_00323.html</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[18]</a> <a href="https://impact-shuppankai.com/products/detail/357" target="_blank" rel="noopener" title="">https://impact-shuppankai.com/products/detail/357</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[19]</a> 正式名は「中間貯蔵施設の周辺地域の安全確保等に関する協定書」。<a href="https://josen.env.go.jp/chukanchozou/action/acceptance_request/pdf/agreement_150225.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://josen.env.go.jp/chukanchozou/action/acceptance_request/pdf/agreement_150225.pdf</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[20]</a> 筆者はこの協定をめぐる交渉・協議記録につき、各方面に情報公開請求をしたが、有益な資料が開示されたのは大熊町役場だけだった。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[21]</a> <a href="https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisei_riyou/dai3/siryou2.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisei_riyou/dai3/siryou2.pdf</a> なお、公表資料にはまだ（案）の文字が付いている。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[22]</a> 環境省は２０１６年３月、除染土の最終処分の方向性の検討や再生利用推進のための中長期的な工程表案をまとめ、有識者会議に示している。この１０年間、大きな前進がないことが確認できる。<a href="https://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/pdf/proceedings_160330_02_02.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/pdf/proceedings_160330_02_02.pdf</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[23]</a> <a href="https://digital.asahi.com/articles/ASTDB3D0WTDBUTFL018M.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/ASTDB3D0WTDBUTFL018M.html</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[24]</a> <a href="https://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[25]</a> まさのあつこ氏は日々、原子力関連の動きを精力的にＸに投稿し、noteでも「地味な取材ノート」を書き続けている。<a href="https://note.com/masanoatsuko/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://note.com/masanoatsuko/</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[26]</a> <a href="https://mainichi.jp/articles/20250220/k00/00m/040/294000c" target="_blank" rel="noopener" title="">https://mainichi.jp/articles/20250220/k00/00m/040/294000c</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[27]</a> <a href="https://mainichi.jp/articles/20250317/ddm/003/040/103000c" target="_blank" rel="noopener" title="">https://mainichi.jp/articles/20250317/ddm/003/040/103000c</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[28]</a> <a href="https://www.ccnejapan.com/column/19898/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ccnejapan.com/column/19898/</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[29]</a> <a href="https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap/pdf/2019/t191227_04-j.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap/pdf/2019/t191227_04-j.pdf</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[30]</a> <a href="https://www.aesj.net/aesj_fukushima/fukushima-decommissioning" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.aesj.net/aesj_fukushima/fukushima-decommissioning</a>　河村氏らの試算はこちらに。　<a href="https://www.euronuclear.org/archiv/topsafe2017/pdf/fullpapers/TopSafe2017-A0012-fullpaper.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.euronuclear.org/archiv/topsafe2017/pdf/fullpapers/TopSafe2017-A0012-fullpaper.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[31]</a> 福島第一原発の廃炉のあり方について考える「１F廃炉の先研究会」（代表＝松岡俊二・早大教授）は２０２６年３月１０日、２０５１年までの廃炉完了をめざす政府と東電の目標について、見直しを求める提言を公表した。提言は現状では廃炉の最終形を示すのは難しいとの見方を示したうえで、使用済み核燃料と燃料デブリ、放射性廃棄物を安定的に管理できる状態を「中間目標」とすることを提案。また、「１F廃棄物と中間貯蔵施設の廃棄物を統合的に管理する多様な可能性を柔軟に検討すべき時期にきている」などとした。<a href="https://prj-matsuoka311.w.waseda.jp/research/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://prj-matsuoka311.w.waseda.jp/research/</a></p>
</div></div>



<div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained"></div></div><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/20555/">【寄稿】除染土の上でサッカーを！？　国は中間施設に「置きっぱなし」にするのか</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
		<post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">20555</post-id>	</item>
		<item>
		<title>【寄稿】廃炉ロードマップから「デブリ取り出し」「原子炉解体」が消えていた！　福島第一原発の「最終形」議論、急ぐべき</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/19898/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 08 Dec 2025 05:04:31 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[メルトダウン(炉心溶融)]]></category>
		<category><![CDATA[事故処理]]></category>
		<category><![CDATA[原子炉等規制法(炉規法)]]></category>
		<category><![CDATA[廃炉]]></category>
		<category><![CDATA[放射性廃棄物]]></category>
		<category><![CDATA[東京電力]]></category>
		<category><![CDATA[炉心融解]]></category>
		<category><![CDATA[燃料デブリ]]></category>
		<category><![CDATA[福島原発事故]]></category>
		<category><![CDATA[福島第一原発]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.ccnejapan.com/?p=19898</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.2-1024x396.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>廃炉ロードマップから「デブリ取り出し」「原子炉解体」が消えていた！　福島第一原発の「最終形」議論、急ぐべき ジャーナリスト・小森敦司 政府や東京電力による福島第一原発の廃炉に向けたロードマップ（工程表）から、大事な柱がい [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/19898/">【寄稿】廃炉ロードマップから「デブリ取り出し」「原子炉解体」が消えていた！　福島第一原発の「最終形」議論、急ぐべき</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.2-1024x396.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-huge-font-size"><strong><span class="swl-inline-color has-black-color">廃炉ロードマップから「デブリ取り出し」「原子炉解体」が消えていた！　福島第一原発の「最終形」議論、急ぐべき</span></strong></p>



<p><strong>ジャーナリスト・小森敦司</strong></p>



<div class="wp-block-group is-style-big_kakko_box"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<p>政府や東京電力による福島第一原発の廃炉に向けたロードマップ（工程表）から、大事な柱がいつの間にか消えていた――２０１１年３月の原発事故から間もなく１５年が経つ。筆者は元々、縦割り組織である新聞社の経済部記者だったので、科学関係の記者が担う廃炉の問題に深くかかわることはなかった。だが、退社後、対象を広げて勉強・取材してみると、この間、ロードマップから「燃料デブリ取り出し終了」や「原子炉の解体」という大きな目標が消え、廃炉完了時の姿（エンドステート）があいまいになっていることを知った。いま、「廃炉要件を法で定めるべきだ」「長い時間を掛けて放射能の減衰を待つべきだ」といった専門家らの指摘をふまえ、廃炉の最終形を真剣に考えるべき時だと考える。今回はそうした問題提起をしたい。</p>
</div></div>



<h2 class="wp-block-heading">（１）消された２大目標</h2>



<p>密かに消した、という印象だ。福島第一原発の廃炉に向けたロードマップ<a id="_ednref1" href="#_edn1">[1]</a>（以下、マップ）にあった「燃料デブリ取り出し終了」と「原子炉施設の解体」という２つの重要な目標が無くなったのは１０年前のことだ。どちらも廃炉工程の大きな柱だ。</p>



<p>時をさかのぼり、問題の本質を明らかにしたい。</p>



<p>事故を起こした原子炉が「冷温停止状態」に入った２０１１年１２月、東京電力<a id="_ednref2" href="#_edn2">[2]</a>と資源エネルギー庁、当時の原子力安全・保安院の３者が、このマップの初版をとりまとめた。廃炉に向けて必要な作業や課題を示したものだ。その後、５回にわたり改訂された。現時点で２０１９年版が最新版だ。</p>



<p>最初の２０１１年版マップは、全号機の「燃料デブリ取り出し終了」について「２０～２５年後」と明記した。この目標について、マップは「原子炉格納容器まで燃料デブリが落下している等、TMI－２（１９７９年に事故を起こした米スリーマイル島原発２号機）に比べて分布範囲が広範なことも踏まえ、想定」したとする。</p>



<p>そして、「原子炉施設の解体」の終了時期は、「３０～４０年後」を目標にするとした。つまり、２０１１年から数えて、遅くとも「燃料デブリ取り出し終了」は２０３６年までに、「原子炉施設の解体」は２０５１年までに終えることにしていた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[3]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[4]</a>。</p>



<p>２０１１年版マップの添付資料は、そうした目標を分かりやすく図表にしていたので、該当箇所をスクショし、下に貼り付ける。まず、「燃料デブリ取り出し終了」の部分はこうなっていた（その一部を拡大して下に貼り付ける）。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="505" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.1-1024x505.png" alt="" class="wp-image-19915" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.1-1024x505.png 1024w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.1-300x148.png 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.1-768x379.png 768w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.1.png 1155w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>次に、原子炉施設の「解体」部分を貼り付ける。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="396" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.2-1024x396.png" alt="" class="wp-image-19917" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.2-1024x396.png 1024w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.2-300x116.png 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.2-768x297.png 768w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.2.png 1143w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p class="has-text-align-right has-small-font-size">※　黄色のマーカーはいずれも筆者が引いた。</p>



<p>筆者は以前、東電は燃料デブリをすべて取り除き、原子炉施設を解体、更地にして、地域に返すと思っていた。事故を起こした東京電力と国策として原発を進めた政府に、そうした責任があると考えていた。実際、２０１１年版マップは「燃料デブリ取り出し終了」をしたうえで、「原子炉施設の解体」までを描いていた。</p>



<p>ところが、その「２０～２５年後」の「燃料デブリ取り出し終了」という記述は、２０１２年版と２０１３年版にはあったのだが、２０１５年版から消えてしまった。「原子炉施設の解体」という記述も無くなってしまった<a id="_ednref1" href="#_edn1">[5]</a>。</p>



<p>大枠の「３０～４０年後の廃止措置終了」という表現こそ、２０１９年版まで残っているが、「廃止措置」が具体的に何なのか、の記述がない。だから、廃炉完了時の姿（エンドステート）がどうなっているのか、が分からない。</p>



<p>察するに、福島第一原発は圧力容器の損傷がひどく、溶け落ちた燃料デブリが外側の格納容器まで広がり、その取り出しが米ＴМＩ原発事故より格段に難しいことが分かってきたので、具体的な目標を書くことができなくなったのではないか<a id="_ednref1" href="#_edn1">[6]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[7]</a>。</p>



<p>こうした記述の改変は、更地化を願う声があった地元には重大な意味があるはずだ<a id="_ednref1" href="#_edn1">[8]</a>。そう思って、いくつかの新聞記事データベースで過去の改訂を調べたが、そうした視点の記事はほとんどなかった。政府・東電が明確な説明をしなかったからだろうか。</p>



<p>実は筆者も、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故をはじめ原発の廃炉に関する調査研究を続ける尾松亮氏の月刊誌「科学」（岩波書店）の連載記事やブックレット「廃炉とはなにか」(同)などを読むまで、そうした改変に気付かなかった<a id="_ednref1" href="#_edn1">[9]</a>。</p>



<p>尾松氏に聞くと、計６つのマップをすべて印刷、読み込むなかで、それらの改変を見つけたという。筆者も尾松氏にならい、すべてを印刷、記述を比較して、そうした改変を確認した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（２）「廃炉要件を定めた法律がない」</h2>



<p>ところで、東京電力の廃炉作業の指導や監督などをする「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[10]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[11]</a>という組織がある。事故後、官民共同出資で設立され、同機構が東電に出資、筆頭株主になった。その意向は東京電力を左右する。</p>



<p>その機構幹部がいま、廃炉作業の進捗状況などを住民に伝える「廃炉に関する対話」を福島県内で続けている。その模様は、過去の分もネット配信で見ることができるので、筆者も何回か見てみた。さらに今年１０月３１日、福島第一原発の西南に位置する福島県川内村であった「対話」には、実際に会場を訪ねてみた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[12]</a>。</p>



<p>その日は雨が降っていたからだろうか、聴衆は１０人もいなかった。機構の執行役員廃炉総括グループ長の池上三六氏は、優しい口調で話し始めた。「最初に福島第一、つまり事故を起こした原子力発電所の廃炉と、通常の原子力発電所の廃炉と何が違うのか、ということをお伝えしたい」</p>



<p>そう言って、両者の「違い」を表わす２つの図を示した（スクショして下に貼り付ける）<a id="_ednref1" href="#_edn1">[13]</a>。きっと、各地で開く「対話」で毎回、同じような説明をしているはずだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="868" height="533" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.3.jpg" alt="" class="wp-image-19970" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.3.jpg 868w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.3-300x184.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.3-768x472.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 868px) 100vw, 868px" /></figure>



<p>ただ、筆者は違和感を覚えた。というのも、池上氏は、福島第一原発の燃料デブリの取り出しがいかに困難な作業かを丁寧に説明するのだが、マップが掲げる「３０～４０年後の廃止措置終了」の最終年の２０５１年において、福島第一原発が実際にどうなっているか、を語ることはないのだ。</p>



<p>質疑応答の時間になり、筆者は池上氏に尋ねた。「『更地にして地元に返す』ということが福島第一では見通せない、ということを理解してもらいたいのでしょうか」</p>



<p>池上氏はこう答えた。「廃炉の行く末についてどうなっていくか、こういう場でもすごく議論になります。更地になるのか、あるいは経済的な施設が設置されるべきという方もいますし、フラワーパークを作るのがいいという方もいらっしゃいまして。いろんな考え方があると思いますが、いわゆるエンドステート、これはまだ決まっていないというのが事実です」</p>



<p>このやりとりを尾松氏に当てると、そこに重大な問題があることを教えてくれた。「池上氏が、（決まってないなどと）『言い訳』ができるのは、日本に事故原発の廃炉完了要件を定めた法律がないから、です」というのだ。ロードマップについてもこう評価した。「そもそも法的根拠はなく、その時々の政府の判断で内容を見直すことができる計画書にすぎません」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[14]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[15]</a></p>



<h2 class="wp-block-heading">（３）「最終形」示さないスローガン</h2>



<p>ロードマップの考察をさらに深めたい。</p>



<p>事故で炉心溶融（メルトダウン）した福島第一原発１～３号機には、溶け落ちた燃料デブリが計約８８０トンあると推定されている。２０２４年１１月と２０２５年４月に２号機で試験的に採取したが、この２回の採取量を合わせても約０．９グラムだった。１０年以上かけて取り出せた燃料デブリは１円玉（１グラム）ほどということだ。</p>



<p>こんな具合だから、廃炉の問題を最前線で取材する記者たちは、マップにある「３０～４０年後（筆者注：４０年後は２０５１年となる）の廃止措置終了」は無理ではないか、と東電を追及している。例えば、東電が今年７月２９日、燃料デブリの「本格的な取り出し」の開始が２０３７年度以降にずれこむと発表した際も、記者たちは「２０５１年までのスケジュールの変更はないのか」などと質した<a id="_ednref1" href="#_edn1">[16]</a>。</p>



<p>これに東京電力福島第一廃炉推進カンパニー代表の小野明氏は、「（廃止措置の）３０～４０年という目標時期を否定するような状況ではない」といった見通しを繰り返した。ただ、注目すべきやりとりもあった。ある記者がこう質問した。「いずれ建屋の解体が必要になると思うんですけど。廃炉の最終形という意味で……」</p>



<p>小野氏はあっけらかんと、こう答えた。「建屋の解体とおっしゃいましたけど、そこはまだ決まってないと思っています……発生した廃棄物の処理処分のあり方、それから燃料デブリを技術的にどう扱っていけばいいかというところを、しっかり検討して、社会的な面も加味して、廃炉の姿を検討していくことになるのではないかと思います」</p>



<p>前述のとおり、「原子炉施設の解体」はマップからとっくに消えているので、小野氏の発言と今のマップと齟齬はないと言える。一方、質問した記者は、東京電力は、いずれ「更地にするために建屋を解体するはずだ」と考えていた。筆者も尾松氏の論考を読むまで同じように考えていたので、そうした認識を批判するつもりはない。</p>



<p>問題は、「燃料デブリの全量取り出し」や「原子炉施設の解体」といった重要な目標を消し（そうしても何の責任も問われない）、廃炉完了時の姿、つまり廃炉の最終形をあいまいにしたまま、「３０～４０年後の廃止措置終了」をスローガンのように掲げ続けていることだろう。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（４）２０５１年、「デブリ一つかみ」？</h2>



<p>しかし、廃炉作業が非常に困難なことが、ますますはっきりしてきている。</p>



<p>前の原子力規制委員長で、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の廃炉総括官・更田豊志氏は今年５月、福島市内であった報道機関との懇談会で、燃料デブリの取り出しに関してこう語った。「（「３０～４０年後の廃止措置終了」の最終年となる）２０５１年に最初の一つかみができていれば、上出来だと思っています」</p>



<p>衝撃的な発言だ。福島第一原発の廃炉に関する方針づくりで更田氏の存在は重たいはずだ。筆者はこの懇談会に参加していないので、今回、機構に情報公開請求をして、更田氏と記者のやりとりを文字に起こしたペーパーを入手した。読み進めると、確かに更田氏はそう語っていた。</p>



<p>前述の川内村の「対話」には更田氏も出席していた。質疑応答で、筆者は更田氏に端的に聞いてみた。「更田さんは燃料デブリの取り出しで２０５１年に一つかみできたらいいと発言されていますが、だとすれば……２０５２年以降はどうされるのでしょうか」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="908" height="662" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.4.jpg" alt="" class="wp-image-19981" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.4.jpg 908w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.4-300x219.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/12/202512_Komori.4-768x560.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 908px) 100vw, 908px" /></figure>



<p class="has-small-font-size">地域住民に説明する更田豊志氏（右）と池上三六氏（左）＝２０２５年１０月３１日、福島県川内村で。</p>



<p>更田氏の答えはこうだった。「東電のこれまでの作業は廃炉というよりは応急処置、汚染水への対処等々に注力してきたわけですけど、ようやく危険状態を脱し、落ち着いて考えられる段階に入ってきていると思うんです」</p>



<p>「マップを変えないでいいかという議論は大変重要だと思いますけど、まだ議論をきっちりするための材料がそろってない……やっぱり材料を揃えるのに、1年から1年半ぐらい時間をいただきたいと私は思っています」 <a id="_ednref1" href="#_edn1">[17]</a></p>



<p>こうした発言からすれば、遠からず、マップは見直しがなされるのだろう。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（５）取り出した燃料デブリ、どこへ</h2>



<p>ただ、仮に今後も燃料デブリの取り出しを続けるとするなら、取り出したデブリを、誰の責任で、どこで、どう保管するのかという厄介な課題と向き合わないといけない。</p>



<p>大きく報道されていないが、２０１９年版のマップは、初号機の燃料デブリ取り出しに絡んで、「取り出した燃料デブリは容器に収納の上、福島第一原子力発電所内に整備する保管設備に移送し、乾式にて保管を行う」と記している。その量や期間の具体的な記述はないが、福島の地に置くとしているのだ。</p>



<p>尾松氏はこう指摘する。「取り出すことができた一部の『燃料デブリ』は東電が原発敷地内で保管し、『取り出せないデブリ』は炉内に放置される。そんな事態を違法とする法規則がないのです」。そして、「やはり廃炉完了要件や燃料デブリの高レベル放射性廃棄物としての位置づけを定める法律が日本には必要です」と訴えた。</p>



<p>教訓になる事例として、尾松氏は米ＴМＩ原発事故の燃料デブリの取り出しの経緯を著書に書いている。要約するとこうだ。燃料デブリの「搬出先」が決まらないまま取り出しが進めば、敷地内でのデブリ保管が半永久的な貯蔵になると住民が懸念したことなどから、米国の原子力規制委員会とエネルギー省が覚書を締結。燃料デブリの政府による引き受けが決まり、同省傘下のアイダホ州の研究施設に移送されることになった、という<a id="_ednref1" href="#_edn1">[18]</a>。</p>



<p>先の川内村の「対話」で、更田氏はこうも語っていた。「廃炉で一番恐れているのは、取り出したものをちゃんと保管できるか、ということ……福島第一は決して広い敷地ではありませんで、取り出したものをすべて中に置けるかどうかという保証は今のところ、見通しが立っているわけではありません」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[19]</a></p>



<p>この「対話」の最後、筆者は、更田氏に「米ＴМＩの原発事故では、燃料デブリは遠く離れたアイダホ州にある米エネルギー省の研究所に移したが」と指摘したうえで、取り出した燃料デブリをどうするのか、を質した。</p>



<p>更田氏の答えはこうだった。「米国とは事情がまったく違う。核弾頭をいっぱい持っていて、そういったものの保管に関する条件が整っている。研究所っていう感覚も違っていて、敷地面積の規模が全然違うのです……福島第一のデブリは、まだ（筆者注：本格的に）取り出してもいないものについて、（処分地の）お願い、ご説明をしようにも、しようがありません」。帰って調べると、米国のその研究所の敷地面積は、沖縄県や東京都より広かった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（６）「危険な遺産」、どこまで取り除くか</h2>



<p>ここで私たちが考えるべき論考を、もう一つ挙げておきたい。非営利のシンクタンク「<a href="https://www.ccnejapan.com/" title="">原子力市民委員会</a>」による「燃料デブリ『長期遮蔽管理』の提言」（２０２１年４月）<a id="_ednref1" href="#_edn1">[20]</a>だ。危険をおかして燃料デブリを無理に取り出すのではなく、建屋全体を外構シールドで覆い、デブリの冷却を空冷式に切り替えた上で、「長期遮蔽管理」を行うというものだ。</p>



<p>これに先立って同委員会が２０１７年に出した提言「１００年以上隔離保管後の『後始末』」には、「作業環境の放射線レベルは１００年後には現在（メルトダウン6年後）のおおよそ１/１６倍になり、２００年後には約１／６５倍になる」とあった<a id="_ednref1" href="#_edn1">[21]</a>。</p>



<p>十分な安全対策を講じたとしても、福島第一原発の敷地内に燃料デブリを長い期間、「置く」ことは、地域住民にとってはとても辛い話になるのに違いないが、作業員の被ばくなどを考えると、そうした長い時間軸を考えることが必要なのかもしれない<a id="_ednref1" href="#_edn1">[22]</a>。</p>



<p>最後に、尾松氏がその著書に記した大事な点を転記しておきたい。</p>



<p>「私たちは『福島第一原発をどのような状態にしてほしいのか』、意見していかなければいけない。１００年以上かけてでも更地化を目指すとすれば、誰の責任で、どのように世代をまたがるプロジェクトを運営していくのがよいのか。更地化まで目指さず、デブリが残ったままの原子炉を永久に安全に管理してほしい、という意見もあるかもしれない。そうだとして、では、その『永久の安全性』を誰の責任でどのように保証させ、どんなふうにチェックするのか……それは技術の問いである前に、私たちの願いについての問いだ。私たちの子ども・孫たちがこの国に暮らすとして、私たちが残してしまう危険な遺産をどこまで取り除くのか、についての問いだ……そろそろ決めなければならない。廃炉とは何をすることなのか」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[23]</a></p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<div class="wp-block-group is-style-stitch"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<h4 class="wp-block-heading is-style-default">脚注</h4>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[1]</a> &nbsp;最初の２０１１年版の正式名称は「東京電力（株）福島第一原子力発電所1～4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」。２０１５年版で「東京電力（株）福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」となり、２０１７年版から「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」になった。いまも、東京電力ホールディングスのホームページで見ることができる。なお、決定の主体は２０１１年版では「政府・東京電力中長期対策会議」だったが、２０１９年版だと政府の「廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議」になっている。<a href="https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap/index-j.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap/index-j.html</a>　</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[2]</a> 東京電力は２０１６年４月、ホールディングカンパニー制を導入し、「東京電力ホールディングス株式会社」が東京電力グループの持株会社となったが、本稿では原則として「東京電力」と記す。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[3]</a> ロードマップの「３０～４０年後の廃止措置終了」はどうしてできたのか。朝日新聞デジタルは「政治家が値切った『４０年』」（２０２１年２月１１日）という記事で、原子力委員長だった近藤駿介氏が明かした「理屈」を次のように記している。「１０年の手探りの後、炉心溶融した１～３号機を一つ１０年ずつかけて片付ける――。『そんな計算式に何の意味もないんだけど。『最速で４０年』でも完全に言い過ぎです。政治家の方はだいたい我々の数字を値切る（短くする）。むしろ値切るのが仕事だから』と振り返る」<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASP2B7QGQP1CULBJ00B.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/ASP2B7QGQP1CULBJ00B.html</a>　</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[4]</a> 東京電力は２０２１年６月、福島第二原発全4基の廃炉作業を始めた。建屋等の解体撤去まで２０６４年度の終了をめざす。事故を起こした福島第一の「３０～４０年後の廃止措置終了」に対し、事故を起こしていない福島第二の「廃止措置期間」が４４年の「見込み」になっている。<a href="https://www.asahi.com/articles/ASP6R31J1P6QULFA024.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.asahi.com/articles/ASP6R31J1P6QULFA024.html</a> <a href="https://www.tepco.co.jp/press/release/2020/pdf2/200529j0101.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.tepco.co.jp/press/release/2020/pdf2/200529j0101.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[5]</a> ２０１１年版、２０１２年版のロードマップにあった「３０～４０年後」の「原子炉施設の解体」という記述は、２０１３年版で「【第３期】第２期終了～廃止措置終了まで（目標はステップ２完了から３０～４０年後）」（Ｐ１５）、「福島第一原子力発電所１～４号機の燃料デブリ取出し後の施設の解体など原子炉施設の廃止措置は……」（P６１）といった複雑な表現になり、２０１５年版で「原子炉施設の廃止措置計画」「廃止措置計画は、３０～４０年後の廃止措置終了を目標に……」などと記され、「解体」という文字が無くなった。（Ｐ２０）。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[6]</a> 早稲田大学教授の松岡俊二氏は２０２１年、福島第一原発の約８８０トンの燃料デブリ取り出しにかかる期間を試算した論文を発表。米ＴМＩ原発事故の実績を踏まえ、1日の取り出し量を５０キロと仮定すると６８年、２０キロと仮定すると１７０年が必要になる、とした。そのうえで、デブリ取り出しについて「どこまでこだわるべきか、一度立ち止まって真剣に検討すべきであろう」と指摘した。<a href="https://smatsu.w.waseda.jp/material/Matsuoka_2021_1Fdebris.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://smatsu.w.waseda.jp/material/Matsuoka_2021_1Fdebris.pdf</a><br><a href="https://prj-matsuoka311.w.waseda.jp/material/wiapstokyu.44.0_77.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://prj-matsuoka311.w.waseda.jp/material/wiapstokyu.44.0_77.pdf</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[7]</a> 東京電力ホールディングスは２０２５年７月、福島第一原発の廃炉にかかる費用として、２０２５年４～６月期決算で新たに９０３０億円の特別損失を計上したと発表した。朝日新聞の記事は、燃料デブリの本格取り出しに向けた準備作業の大枠が固まったため、としている。また、廃炉全体の支出は予定も含めると５兆円に迫り、想定の8兆円を超える可能性が高まっている、とした。<a href="https://digital.asahi.com/articles/AST703FXKT70ULFA02BM.html?iref=pc_extlink" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/AST703FXKT70ULFA02BM.html?iref=pc_extlink</a> <a href="https://www.tepco.co.jp/press/release/2025/pdf3/250731j0101.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.tepco.co.jp/press/release/2025/pdf3/250731j0101.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[8]</a> 例えば、福島県知事と地元の１３市町村長は２０１６年８月、経産相に対して、「燃料デブリや使用済燃料などの放射性廃棄物については、原子力政策を推進してきた国の責任において処分方法の議論を進め、県外において適切に処分すること」などを申し入れている。<a href="https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025c/genan413.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025c/genan413.html</a><br>また、福島第一原発がある大熊町の吉田淳町長は共同通信の取材に対し、「事故が起きた発電所であっても最後は更地に戻して終わりにしてほしい」、同じく双葉町の伊澤史朗町長は「廃炉とは原状復帰だから、全部きれいに整地されて、元の姿になっているのをイメージしている」と述べた、という（２０２０年１２月３日、東奥日報など）。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[9]</a> 尾松亮氏の月刊誌「科学」（岩波書店）の廃炉関連の連載は２０２１年３月号から２０２２年２月号まで。同氏の岩波ブックレット「廃炉とは何か」（２０２２年８月）はコンパクトながら廃炉の問題を多角的に論じている。また、同氏は福島県の総合情報誌「政経東北」で、「廃炉の流儀」と題した連載を続けている。「政経東北」のホームページで読むことができる。<a href="https://www.seikeitohoku.com/category/earthquake-and-nuclear-accident/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.seikeitohoku.com/category/earthquake-and-nuclear-accident/</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[10]</a> 原発事故の後の２０１１年９月、原子力損害賠償の実施などを目的に「原子力損害賠償支援機構」が設立された。２０１４年８月、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に改組され、東電の廃炉作業の支援も始めた。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[11]</a> 同機構は２０１６年７月、廃炉作業の技術的な裏付けとなる「技術戦略プラン２０１６」を発表し、原子炉建屋をコンクリートで覆う「石棺方式」採用を示唆する表現を盛り込んだところ、福島側で「廃炉断念の布石では」といった批判が出て、機構はその部分を削除した。<a href="https://mainichi.jp/articles/20160721/k00/00m/040/055000c" target="_blank" rel="noopener" title="">https://mainichi.jp/articles/20160721/k00/00m/040/055000c</a>　<a href="https://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/07/post_13962.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/07/post_13962.html</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[12]</a> 「廃炉に関する対話」の日程と配布資料・動画はこちらで見ることができる。<a href="https://www.dd.ndf.go.jp/activity-report/taiwa/index.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.dd.ndf.go.jp/activity-report/taiwa/index.html</a>　 <a href="https://www.dd.ndf.go.jp/activity-report/taiwa/2025s.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.dd.ndf.go.jp/activity-report/taiwa/2025s.html</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[13]</a> <a href="https://dd-ndf.s2.kuroco-edge.jp/files/user/pdf/activity-report/taiwa/pdf/2025a2_doc.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://dd-ndf.s2.kuroco-edge.jp/files/user/pdf/activity-report/taiwa/pdf/2025a2_doc.pdf</a> のP２。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[14]</a> 毎日新聞は２０２１年１月、福井大学特命教授だった柳原敏氏へのインタビュー記事を掲載。廃炉の実情に詳しい同氏は「問題はエンドステートが明確でないことだ。工程表の廃炉とは、燃料デブリを取り出したら終わりなのか。それとも建屋の解体までのことか、または更地にして汚染土壌も取り除いてきれいにすることなのか。もし、敷地全体で計測される放射線量も下げて汚染廃棄物もどこかに持っていくことを『廃炉の終わり』と定義するなら、結構大変な仕事になる。３０～４０年でできるかは疑問だ」と語った。<a href="https://mainichi.jp/articles/20210125/k00/00m/040/088000c" target="_blank" rel="noopener" title="">https://mainichi.jp/articles/20210125/k00/00m/040/088000c</a>　</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[15]</a> 朝日新聞は２０２３年9月、日本原子力学会で廃炉問題を検討する委員会のトップを務める宮野廣氏へのインタビュー記事を掲載した。記者が「政府と東電は５１年までに福島第一原発の廃炉を完了させる方針ですが、そもそも『廃炉完了』した時の姿を示していません。通常の廃炉のように更地にするのか、原子炉建屋など一部の設備が残っていても廃炉完了とみなすのか。目標があいまいです」と質問。これに宮野氏は「そこが本当に大きな問題です。出てきた廃棄物をどう処分するのか……ビジョンなしに単に作業しているだけでは、場当たり的になっていく気がします」と答えた。また、記者の「５１年までに『廃炉完了』と言えるような状態になるのでしょうか」との問いに、宮野氏は「ならないと思います。（事故を起こしていない）一般の原発は、炉心に核燃料がない状態から廃炉作業が始まって、３０～４０年かかります。福島第一原発は、いまも炉心に燃料デブリが残った状態ですから、５１年に完了というのは、あり得ない話です」と語った。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASR992VT8R97ULBH006.html?iref=pc_ss_date_article" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/ASR992VT8R97ULBH006.html?iref=pc_ss_date_article</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[16]</a> ２０１１年版のロードマップだと、「燃料デブリ取り出し目標（初号機）」は、「２０２１年度」からとされていた。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[17]</a> 原子力規制委員会の初代委員長を務めた田中俊一氏は２０２０年１１月、朝日新聞のインタビュー取材で「工程表（ロードマップ）に『３０～４０年で廃炉を完了する』とあります」との記者の質問にこう答えた。「できません。３０～４０年後は誰も責任がないから、そう書いているだけです」「更地にはできません……原子炉建屋のまわりはほとんど人が出入りできない土地になると思います」「できないことは、できないんですから。それなのに、デブリを取り出して更地になるように言うのは罪だと思います」</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[18]</a> 前掲「廃炉とは何か」のP３４～４０。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[19]</a> 朝日新聞は２０２４年３月、技術コンサルタント・河村秀紀さんらが福島第一原発の図面などの公開情報をもとにした廃棄物の試算（１７年）を紹介している。記事によると「敷地の放射線量が下がり、自由に出入りできる状態にする場合の放射性廃棄物は約７８０万トン。事故を起こしていない原発の６００基分に相当する」という。また、この記事は「日本原子力学会の分科会が２０年に公表した報告書は河村さんらの試算を引用し、更地にする『完全撤去』、地盤などを残して管理する『部分撤去』のシナリオを検討。部分撤去だと廃棄物量は完全撤去の約半分の約４４０万トンで、さらに放射性物質が自然に減るのを待つ期間を置けば、約１１０万トンになるとした」と伝えた。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASS376758S37ULBH007.html?iref=pc_ss_date_article" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/ASS376758S37ULBH007.html?iref=pc_ss_date_article</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[20]</a> <a href="https://www.ccnejapan.com/download/CCNE_specialreport8.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ccnejapan.com/download/CCNE_specialreport8.pdf</a> 原子力市民委員会の技術・規制部会の滝谷紘一氏の資料（<a href="https://www.ccnejapan.com/download/20240416_CCNE_Takitani.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ccnejapan.com/download/20240416_CCNE_Takitani.pdf</a>）、同じく川井康郎氏の資料（<a href="https://foejapan.org/wpcms/wp-content/uploads/2024/09/240927_kawai.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://foejapan.org/wpcms/wp-content/uploads/2024/09/240927_kawai.pdf</a>）も参考になる。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[21]</a>「１００年以上隔離保管後の『後始末』」 <a href="https://www.ccnejapan.com/download/CCNE_specialreport1_2017.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ccnejapan.com/download/CCNE_specialreport1_2017.pdf</a>のP６。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[22]</a> 費用の問題もある。在京テレビ局に勤務し、事故収束を取材してきた吉野実氏は「『廃炉』という幻想」（２０２２年２月、光文社新書）で、政府の廃炉費用８兆円との試算に関して、「この試算にはとんでもない『穴』がある……取り出したデブリを含む放射性廃棄物の処理・埋設費用が『含まれていない』ことである」と指摘している（Ｐ２１８）。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[23]</a> 前掲「廃炉とは何か」のP７４から。</p>
</div></div><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/19898/">【寄稿】廃炉ロードマップから「デブリ取り出し」「原子炉解体」が消えていた！　福島第一原発の「最終形」議論、急ぐべき</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>【寄稿】福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題点を追究（下）</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/19344/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 04 Sep 2025 05:37:25 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[メルトダウン(炉心溶融)]]></category>
		<category><![CDATA[事故対応]]></category>
		<category><![CDATA[原子力規制委員会]]></category>
		<category><![CDATA[原発事故の責任]]></category>
		<category><![CDATA[地震]]></category>
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		<category><![CDATA[福島第一原発]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_8-1024x479.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>フリージャーナリストの小森敦司さんからご寄稿いただだきました。（上）（下）の連載になります。（上）の記事はこちら。 （５）「５５℃以下」は何のため？ 「原子炉冷却材温度変化率５５℃／ｈ以下」 急冷したときに原子炉の強度に [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/19344/">【寄稿】福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題点を追究（下）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_8-1024x479.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>フリージャーナリストの小森敦司さんからご寄稿いただだきました。（上）（下）の連載になります。（上）の記事は<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/" target="_blank" rel="noopener" title="">こちら</a>。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（５）「５５℃以下」は何のため？</h2>



<p>「原子炉冷却材温度変化率５５℃／ｈ以下」</p>



<p>急冷したときに原子炉の強度に影響が出るとして１時間に５５℃以下のペースで冷却するよう手順書等に定められていたことを、本稿の「<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/" title="">上</a>」に書いた。では、「強度に影響」とは、どういうことだろう。筆者はなかなかぴんとこなかった。解明のヒントが北海道大学大学院教授（当時）の奈良林直氏の２０１２年９月の論考にあった<a id="_ednref1" href="#_edn1">[1]</a>。脱原発派から「原子力ムラの研究者」と名指しされる学者だ。</p>



<p>筆者はその論考を、兵庫県へ避難した原発事故被災者らの損害賠償請求にかかわってきた辰巳裕規弁護士のブログ「福島原発事故の小部屋」で最近、知った。辰巳弁護士は東電の事故対応などに関する論考を調べ、様々な角度から問題提起をしてきた。そのブログで今年６月、奈良林氏の論考を「紹介」していたのだった<a id="_ednref1" href="#_edn1">[2]</a>。</p>



<p>奈良林氏は、その元となっている論考で、「５５℃」と運転員のＩＣ操作について書いている。東電の主張にかなり配慮していると思えるが、分かりやすいので、抜粋する。</p>



<p>「津波がくるまではアイソレーションコンデンサー（ＩＣ）が作動していて、原子炉の圧力が最初７メガパスカル（筆者注：１気圧はおよそ０．１メガパスカル）から４メガパスカルまで１５分ぐらいでグーっと下がっています。そのときの冷却の程度を温度で表すと１時間あたり１５０℃くらいの非常に速い冷却モードになっていました」</p>



<p>「運転員は５５℃と徹底的に教え込まれていますから、ＩＣで冷え過ぎたということで、ＩＣの作動をコントロールして、バルブを閉めてしまいました。さらにその後、７メガパスカル付近になるようオンオフをして、圧力をコントロールしています」</p>



<p>「運転員は自分が冷やし過ぎてしまったことによって、もし<ruby>圧力容器を将来交換する<rt>・・・・・・・・・・・</rt> </ruby>ようなことになるといけないと思ったので、そういう操作をしました……結果からして残念なのは……ＩＣのバブルを閉じてしまい、そのタイミングで津波がきてしまった」（傍点は筆者）</p>



<p>なるほど。「圧力容器を交換する」ことになれば、東電にとって巨額の費用を免れない。運転員だって、そんな「圧力容器を交換する」ようなことは避けたいはずだ。</p>



<p>ただし、だ。あれだけの大地震（１４時４６分）が起きた直後のことである。運転中だった１～３号機はスクラム（緊急停止）し、外部電源をすべて喪失。１４時４９分には福島県に大津波警報が出ている。</p>



<p>それらをふまえると、本稿の「<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/" target="_blank" rel="noopener" title="">上</a>」で石川徳春さんが指摘したように、「温度変化率遵守による『ＩＣの手動停止』」は、異常時の運転制限の適用除外を定めた保安規定第７７条３項に違反しているのではないか<a id="_ednref1" href="#_edn1">[3]</a>。</p>







<h2 class="wp-block-heading">（６）新潟県からの真相究明</h2>



<p>事故から時が経ち、国会や政府の事故調査の再開もなく、事故原因に関するニュースは大きく減ってしまった。しかし、本稿の「<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/" title="">上</a>」でも取り上げたが、東電の柏崎刈羽原発がある新潟県では、大学教授ら専門家からなる「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」（以下、新潟県技術委員会）が独自調査を続けてきた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[4]</a>。</p>



<p>福島の原発事故の徹底検証なくして再稼働はできないという立場からだ。熱心な委員もいた。同委員会で使われた資料をネットで検索すると大量に出てくるが、ここでは1号機の非常用復水器の操作に絡み、２０２０年８月に同委員会に提出された一つの文書を押さえておきたい。</p>



<p>タイトルは長くなるが、「『課題別ディスカッション１』（地震動による重要機器の影響）に係る論点整理について」というものだ。委員の一人で科学ジャーナリストの田中三彦氏が東電所有の図面等を確認しながら議論したいと求め、２０１９年４月からほぼ月一回、田中氏と東電、新潟県（委員会事務局）との間でなされた「打ち合わせ」を経て、とりまとめられた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[5]</a>。</p>



<p>この「論点整理」のごく一部だが、手順書や非常用復水器にかかわる部分を以下、抜粋する。</p>



<p>　　　　◇</p>



<p>（委員の考え）「ＡＯＰに地震時対応の項目（第４編自然災害対策編　第２２章自然災害事故（大規模地震発生、津波発生））があるが、これをなぜ使わなかったのか」（筆者注：ＡОＰとは、「事象ベース手順書」のことで、あらかじめ想定された異常事象又は事故が発生した場合に適用する）</p>



<p>（東京電力の考え）「電源をすべて失い、手順書の想定を超えた状況で、何ができるのかを全ての手順書や図書を集めてきて対応した」「ＡＯＰの自然災害対策編には、スクラムした場合に原子炉を冷温停止まで持っていく手順は書いていないため、他の項目を引用することになる」</p>



<p>（委員の考え）「保安規定には、スクラム発生時には原子炉冷却材（原子炉水）温度変化室が５５℃／ｈ以下という運転上の制限は適用されないという記載があるが、今回適用していない」「この『適用されない』という規定を適用すれば、非常用復水器（ＩＣ）を止める必要は無かった……止めなければ津波が来る前に冷温停止状態に持って行けたのではないか」</p>



<p>　（東京電力の考え）「運転員は、スクラム発生時において５５℃／ｈを守らなくてもよいという状況があることは知っていたと思う。電源があれば、原子炉を冷温停止ができるので、５５℃／ｈを守るという選択をしていたと思うが、津波の後にＳＢＯ（筆者注：外部電源も非常用発電機も使えない「ステーション・ブラックアウト」のこと）になるとわかっていたら非常用復水器を止めなかったと思う」</p>



<p>　　　　◇</p>



<p>このやりとりで筆者が強い違和感を覚えたのが、この最後の「東京電力の考え」のところだ。わずか数行のくだりに「思う」という言葉が３度も出てくる。なぜ、運転員に直接、問わないのだろうか。ここが、決定的に重要な「場面」ではないか。</p>



<p>当該部分のスクショを下に貼り付けておく（黄色のマーカーは筆者が引いた）が、その下の２つの段落では「思う」という言葉を使っていない。極めて不自然だ。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="862" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_7-1024x862.jpg" alt="" class="wp-image-19387" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_7-1024x862.jpg 1024w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_7-300x253.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_7-768x647.jpg 768w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_7.jpg 1386w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>この日の新潟県技術委員会では、東電は柏崎刈羽原発の安全対策における手順書の整備事例を示した<a id="_ednref1" href="#_edn1">[6]</a>。本稿で書いてきた「疑問」に関わる次のような事項もあった。</p>



<p>「大津波警報発令時、全交流電源喪失時には、原子炉で発生する熱を除熱する機能を喪失する事象を考慮し、先行的に原子炉減圧を行う手順を追加（このとき、通常の原子炉起動・停止操作では５５℃／ｈを上限としている炉水温度変化率について、５５℃／ｈを超えてよい手順としている）」</p>



<p>この手順整備の狙いは何だろう。とくに丸括弧内が気になる。本稿の「<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/" target="_blank" rel="noopener" title="">上</a>」に書いたが、福島第一原発だと、その保安規定で、異常発生時には「５５℃／ｈ以下」といった「運転上の制限は適用されない」ことになっていたはずだ。柏崎刈羽原発ではそうなっていなかったのだろうか。</p>



<p>当該部分のスクショを以下に貼り付けておく（黄色のマーカーは筆者は引いた）。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="479" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_8-1024x479.jpg" alt="" class="wp-image-19393" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_8-1024x479.jpg 1024w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_8-300x140.jpg 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_8-768x359.jpg 768w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_8.jpg 1248w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>このように時間を掛けて福島原発事故の原因調査を続けてきた新潟県技術委員会をめぐっては２０２１年１月、新潟県が柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な一部委員を交代させるといった動きが表面化した。本稿で記した田中三彦氏（筆者注：田中氏は２０２０年１１月に委員を辞任）は筆者にメールで、同委員会の事故調査について厳しい評価を示した。「現知事（筆者注：花角英世氏）になってから、技術委員会はダメになりました。完全に無力化されたと思います」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[7]</a>。</p>







<h2 class="wp-block-heading">（７）規制委の追及に東電は</h2>



<p>福島第一原発事故の反省と教訓を受けて２０１２年９月に発足した原子力規制委員会。福島の事故の継続的な調査・分析が必要と考え、２０１３年５月から、原子力規制委員や原子力規制庁職員、外部有識者らによる「事故分析に係る検討会」を開いてきた。</p>



<p>２０２４年７月２２日に開かれた４７回目の検討会は、１号機の非常用復水器（ＩＣ）や手順書の問題などを論じた。議事録を読むと、本稿で書いてきた数々の「疑問」が東電に投げかけられていた。市民サイドの調査・分析も意識しているのではないか、と筆者には思えた。その議事録から大事なところを抜粋する<a id="_ednref1" href="#_edn1">[8]</a>。</p>



<p>　　　　◇</p>



<p>東京都市大教授　「アイソレーションコンデンサーの定期試験ですね。実際にどういうことがされているのか」「熱交換器に蒸気を通すことは、運転期間中をとおして、ほとんどないということなんでしょうか」</p>



<p>東京電力部長　「アイソレーションコンデンサーを実作動していなかったというのが事故前の状況で、やっぱり本当に動かしていたときの知識をしっかり持っていなかったというのが、反省点の一つというふうに考えてございます」</p>



<p>前原子力規制委員長・更田豊志氏<a id="_ednref1" href="#_edn1">[9]</a>　「（筆者注：ＩＣを備えた日本原電の）敦賀の１号機に行くと、驚いたことにＩＣの動作経験がたっぷりある。落雷が原因だそうですけど……」「オイスタークリーク（筆者注：ＩＣを備えた米国の原発）の人と話をすると、米国でもＩＣはそれほど多くはないので、運転員の経験には非常に気にしていると聞いている……」</p>



<p>原子力規制庁職員　「原子炉の自動スクラム信号が発信した場合というのは、７７条の３項のところですけど、当直長が異常の収束を判断するまでは、運転上の制限は適用されないというふうにしているので……５５℃／ｈ制限はスクラム時には適用されないというふうに認識しておりますので、東京電力におかれてはここを踏まえて次回以降、説明をお願いします」</p>



<p>東京電力部長　「保安規定の話に戻ってしまうんですが、我々の認識としては５５℃／ｈというのは、運転員の頭にたたき込まれている話で、どこに書いてあるからというのをそんなに意識しないで常に５５℃／ｈは守ろうねと思っちゃうものだというような認識ではございます」</p>



<p>前原子力規制委員長・更田豊志氏　「地震直後にこれは大ごとだって本当に大きな事故だという認識が中操（筆者注：事故対応の最前線で原子炉の制御等をしていた中央制御室のこと）ですぐにできていれば、そこで５５℃／ｈは出てくるのはおかしいから……」</p>



<p>　　　　◇</p>



<p>中ほどの原子力規制庁職員の発言は、東電に対し、地震の後、なぜＩＣを止めたのか説明を、と求めた「宿題」と言えた。この日に使われた規制庁作成の資料には、福島第一原発の保安規定の一部が、わざわざ「参考」として挿入されていた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[10]</a>。その部分のスクショを下に貼り付ける。東電は、痛いところを突かれたのではなかったか。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="587" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_9-1024x587.png" alt="" class="wp-image-19399" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_9-1024x587.png 1024w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_9-300x172.png 300w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_9-768x440.png 768w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_9.png 1061w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>







<h2 class="wp-block-heading">（８）元長官が示した「教訓」</h2>



<p>次の２０２４年１１月１４日の４８回目の検討会。元原子力規制庁長官の安井正也氏が２０１１年３月１１日の津波襲来までの１号機の運転員のＩＣ操作を時系列的に整理した。議事録によると安井氏は運転員の操作をこう説明した<a id="_ednref1" href="#_edn1">[11]</a>。抜粋する。</p>



<p>「推察ですけれども、圧力降下は、早い速度で落ちていますので、安全を背負う立場からすれば、重大な問題から考えるので、ＬＯＣＡ（筆者注：配管の破損などで原子炉冷却材が流出する事故のこと）……そうしたものも含めて順次調べていったんじゃないかと思います」</p>



<p>「こんなに下がっていたら、５５℃も超えちゃうと……運転制限とか、運転時の考慮事項として教育されてというんですか、それが運転員の頭をよぎったことは十分考えられる……」</p>



<p>「東電のＩＣは事実上一度も起動していないと。運転員の方もどういうふうに挙動するかという体感がないわけです。シミュレータも、ＩＣの機能を搭載したものは当時なかったんですよね……」</p>



<p>安井氏は、その説明資料<a id="_ednref1" href="#_edn1">[12]</a>で「運転員にとって、圧力降下速度が予想外に大きかったと考えられ、以下の諸事項が原因＝今後の教訓」として、「実際のＩＣ起動経験の欠如」「ＩＣも含めた、シミュレータの不存在による体験不足」「手順書の更新不足。記載にも十分な注意書きなし」の３項目を示した。安井氏の説明資料のその部分をスクショして下に貼り付ける。</p>



<p>筆者が思うに、これらは東電が犯した「過ち」だったのではないか。と同時に、当時の国の規制当局（原子力安全委員会、経済産業省原子力安全・保安院など）も、どうして、これらを見逃していたのか、と考えざるをえない。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="467" height="267" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_10.png" alt="" class="wp-image-19403" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_10.png 467w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/09/komori_10-300x172.png 300w" sizes="auto, (max-width: 467px) 100vw, 467px" /></figure>



<p>一方、東電はこの日、前回の「なぜＩＣを止めたのかと説明を」との「宿題」には真正面から答えなかった。東電が説明した資料のタイトルは、「１Ｆ１（筆者注：福島第一原発１号機の意味）のＩＣの設計・運転から得られた教訓の革新軽水炉への反映」だった<a id="_ednref1" href="#_edn1">[13]</a>。</p>



<p>事故分析の場で、「革新軽水炉」の話を持ち出す感覚に筆者は驚く。東電の説明資料で事故関連の記述といえば、「津波襲来までの間の原子炉の崩壊熱除去が行われていた」などと、相変わらず「悪いのは津波だ」を強調するものだった。本稿の「<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/" title="">上</a>」で取り上げた「第２２章　自然災害事故」編への言及も一切なかった。</p>



<p>この検討会の動きもブログで伝えてきた前述の辰巳弁護士に、東電の事故検証の姿勢についてメールで尋ねると、こんな感想を寄せてくれた。「事故原因の解明と再発防止のために、まだまだ検証すべき事項があるにも関わらず、正面から向き合おうとしていません。このような姿勢では再び事故を招いてしまうのではないでしょうか」 　</p>



<p>事故から１４年。東電、経産省はいま、柏崎刈羽原発を動かそうと懸命だ。福島第一の１号機と違ってＩＣ＝イソコンはない。だが、ここまで記したように福島第一の手順書や運転員のＩＣの操作を調べてみると、改めて柏崎刈羽原発の手順書の中身や運転員の教育訓練のあり方などは、厳しく問い直されるべきではないか。</p>



<p>未解明の問題はほかにもある。福島の事故の検証・分析を終わらせてはならない<a id="_ednref1" href="#_edn1">[14]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[15]</a>。</p>



<h2 class="wp-block-heading">東京電力の回答／手順書のＲＣＩＣ記載は「誤記」</h2>



<p>筆者は今年７月上旬、本稿で記した福島第一原発の１号機の手順書や地震後のＩＣ操作に関する「疑問」につき、東京電力ホールディングスの広報室あてに質問状として送り、３週間後に回答を得た。以下、主な質問と回答を転記する。なお、筆者の質問は本稿と重複が多いので圧縮してある。</p>



<p><strong>Ｑ１</strong>　１号機の手順書「Ⅳ　自然災害編」の「第２２章　自然災害事故」編に、ＲＣＩＣやＲＨＲといった言葉がありますが、間違っていませんか？<br>Ａ　１号機にＲＣＩＣやＲＨＲはありませんので誤記となります。</p>



<p><strong>Ｑ２</strong>　仙台の民間研究者・石川徳春さんは、１号機の手順書の当該部分にＲＣＩＣ等の記述があるのは、２号機の当該部分を参考にして作成（ほぼ丸写し）したからではないかと「推定」しています。どう、お考えになりますか？<br>Ａ　手順の修正について号機間で記載内容の違いが無いよう、調整しながら作成していたと思われます。当該箇所については、他号機を参考にして作成された際に誤ったものと推定します。</p>



<p><strong>Ｑ３</strong>　手順書は「ステップ毎にチェック」することになっているので、そのような操作訓練がなされたら、その間違いに気づくはずでは。<br>Ａ　当該手順は、作成してから震災まで約１年と期間が短いことから、当該の運転員訓練で見落としていた可能性があります。なお、操作本文中のＲＣＩＣ手動停止の箇所については、長期戦略の操作対応箇所であるため、事故時には津波による電源喪失により、その手順までは到達しませんでした。</p>



<p><strong>Ｑ４</strong>　２０１１年３月１１日の１号機の対応で、手順書のこの「Ⅳ　自然災害編」を使った、もしくは参考にした事実はあるのでしょうか？１号機の手順書の適用状況をまとめた２０１１年１０月２２日のプレスリリースには「自然災害編」への言及がありません。<br>Ａ　平成２３（２０１１）年１０月の報告書では、当時の対応が手順書の趣旨に沿ったものであったかを確認するための手順書として、津波襲来前までは操作内容の具体的記載のある「事象ベース」を、津波襲来後の全電源喪失となった以降は「シビアアクシデント」を選定したものです。当時の対応が手順書に合致しているかを確認したものであり、事故時にどの手順書を参照して対応したのかを確認したものではありません。</p>



<p><strong>Ｑ５</strong>　ＮＨＫスペシャル班の報道を踏まえると、２０１１年３月１１日の１号機の運転員のＩＣ操作は、事実上、「ぶっつけ本番」だったように思えるのですが、現在のご認識をお聞かせください。<br>Ａ　地震発生以降、津波到達までにおいて、中央制御室では原子炉圧力の制御を非常用復水器を使用して問題なく行っていることは、教育訓練やＯＪＴによりその系統・機能を十分理解し、習得した知識を活用した上での操作であると考えています。</p>



<p><strong>Ｑ６</strong>　津波が来る前の運転員のICの手動停止は保安規定第７７条３項に反していませんか？<br>Ａ　津波による被害を受ける前の段階では問題なく対応できており、この当時当直長は「確実に冷温停止に持って行ける」と考えていました。設備への影響は少ない方が好ましく、運転手順書の趣旨に則り操作したものです。</p>



<p><strong>Ｑ７</strong>　上記Ｑ６の点は、「第４７回東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会 令和６年７月２２日」でも問題となり、規制庁職員から「５５℃／ｈ制限はスクラム時には適用されないというふうに認識をしておりますので、東京電力におかれてはここを踏まえて次回以降、説明をお願いします」とされました。これを受け、その後、東電として「説明」されたことはありますか？<br>Ａ　以下の回答（第４８回の議事録Ｐ３３）が当該の発言に対する東電からの回答になります。<br>「東京電力ＨＤ（飯塚担当） 東京電力の飯塚です。概ね、我々の中でも議論しましたけれども、安井さんのおっしゃっている状況が、恐らく当時だったんだろうなというふうに考えております。基準のとおり５５℃／ｈの話にしても、恐らくは、遵守するという書き方を事故調の報告書に書いていますけれども、恐らく慣れ親しんだのか、頭にたたき込まれていた、これを守れるものなら守るんだという頭でいたということなんだと思います。そういう意味では、ちょっと表現が強過ぎるのかなというふうには考えておりますし。あと、先ほど安井さんからも御指摘ございましたとおり、圧力が下がっていくということは、冷却材が喪失していくことを一番おそれているということが、別途、国会の事故調の報告書の中にも記載をさせていただいていますので、そういう意味で、圧力降下を止めて、そういった事態が発生していないかどうかということを確認したということが、ここにも記載いただいているとおり、まず第一義的だったということだと思っております」。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<div class="wp-block-group is-style-stitch"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<h4 class="wp-block-heading">脚注</h4>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[1]</a> 日本原子力文化財団のウェブサイト「エネ百科」から。<a href="https://www.ene100.jp/fukushima/7139" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ene100.jp/fukushima/7139</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[2]</a> 辰巳裕規弁護士のブログ「福島原発事故の小部屋」から。<a href="https://www.ashiyahondori.com/2025/06/09/%E3%82%A8%E3%83%8D%E7%99%BE%E7%A7%91-%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%AE%E5%AE%9F%E6%85%8B-%E5%A5%88%E8%89%AF%E6%9E%97%E7%9B%B4%E6%B0%8F/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ashiyahondori.com/2025/06/09/%E3%82%A8%E3%83%8D%E7%99%BE%E7%A7%91-%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%AE%E5%AE%9F%E6%85%8B-%E5%A5%88%E8%89%AF%E6%9E%97%E7%9B%B4%E6%B0%8F/</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[3]</a> 科学ジャーナリストの倉澤治雄氏は「原発爆発」（高文研、２０１３年７月１日）で、「イソコンが正しく使われなかったことは、複合的な事故の進展の中で、決定的な要因の一つでした」としたうえで、「５５℃／ｈ以下」の制限に関して「どのような根拠に基づいたものなのか、明らかになっていません」「仮に緊急時に非常用の冷却装置をフル稼働できないとしたら、そもそも設計が間違っているのです。車の運転を考えてみましょう……急ブレーキが踏めない自動車があったとしたら欠陥車であるのと同様、緊急時に非常用の機器をフル稼働できない原子炉は欠陥原子炉だと思います……」との見方を示した（Ｐ１２１）。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[4]</a> ジャーナリスト・上智大学教授の奥山俊宏氏は週刊エコノミスト（２０２３年７月１０日発売　<a href="https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230725/se1/00m/020/048000c" target="_blank" rel="noopener" title="">https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230725/se1/00m/020/048000c</a>　）に、「福島第1原発事故で新事実　『防護扉』開放で大量浸水許す」を寄稿した。この記事によると、「新潟県による事故検証が続けられる中で、地震の揺れによって電源を喪失したのではないかとの疑いを指摘され、東電は、この疑いを晴らす目的で改めて経緯を精査し、防護扉開放の事実を把握し、１６年、同県の検証の場でこの事実を報告した」としている。そして、東電の資料などによると「１号機では震災発生当時、防護扉は作業のため開放しており、そのまま作業員は避難し。開放状態が維持された」「東電によれば『防護扉が閉まっていれば津波の侵入をある程度抑制できたと考えられる』という」のだった。また、当時、「東京電力が、津波警報発令時に速やかに建屋の大きな開口部の扉を閉めなければならないとのルールを定めていなかったのに対し、茨城県にある日本原子力発電の東海第２原発や福井県にある関西電力の３カ所の原発ではそうしたルールを所内の規則で明文化していた。各社への取材でわかった」としている。<br><a href="https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230725/se1/00m/020/048000c" target="_blank" rel="noopener" title="">https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230725/se1/00m/020/048000c</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[5]</a> <a href="https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/234488.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/234488.pdf</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[6]</a> <a href="https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/234486.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/234486.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[7]</a> 田中三彦氏は今回、筆者の取材に「ＩＣが小規模な冷却材喪失事故を起こし、大規模な水素爆発の着火源になった可能性が高い」との考えを改めて示した。筆者にとっては「福島原発事故の原因はまだ判明していない　マル激トーク・オン・ディマンド 第７３３回（２０１５年４月２５日）<a href="https://www.videonews.com/marugeki-talk/733" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.videonews.com/marugeki-talk/733</a>  」などもとても勉強になった。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[8]</a> <a href="https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100003753?contents=NRA100003753-004-001#pdf=NRA100003753-004-001" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100003753?contents=NRA100003753-004-001#pdf=NRA100003753-004-001</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[9]</a> なお、この「事故分析に係る検討会」（４７、４８回）に、更田豊志氏は「原子力損害賠償・廃炉等支援機構上席技監」として、安井正也氏は「原子力規制庁東京電力福島第一原子力発電所事故対策室企画調査官」の肩書で参加している。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[10]</a> <a href="https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100003753?contents=NRA100003753-002-003#pdf=NRA100003753-002-003" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100003753?contents=NRA100003753-002-003#pdf=NRA100003753-002-003</a> のＰ１８。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[11]</a> <a href="https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100006337?contents=NRA100006337-004-001#pdf=NRA100006337-004-001" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100006337?contents=NRA100006337-004-001#pdf=NRA100006337-004-001</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[12]</a> <a href="https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100006337?contents=NRA100006337-002-009#pdf=NRA100006337-002-009" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100006337?contents=NRA100006337-002-009#pdf=NRA100006337-002-009</a>　のＰ７。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[13]</a> <a href="https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100006337?contents=NRA100006337-002-010#pdf=NRA100006337-002-010" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100006337?contents=NRA100006337-002-010#pdf=NRA100006337-002-010</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[14]</a> 本稿は東電福島第一原発１号機の手順書の問題を取り上げたが、社会技術システム安全研究所の田辺文也氏は「福島第一原子力発電所事故の事故対応において徴候ベース手順書がないがしろにされたことによって 3号機と2号機は炉心損傷・溶融に至った。さらに炉心損傷後の対応においても参照されるべき手順書（シビアアクシデント手順書又はアクシデントマネジメントガイド）がないがしろにされたことが事故の一層の深刻化を招いた可能性が高い」と指摘している。<br><a href="https://confit.atlas.jp/guide/event-img/aesj2016s/1I01/public/pdf?type=in" target="_blank" rel="noopener" title="">https://confit.atlas.jp/guide/event-img/aesj2016s/1I01/public/pdf?type=in</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[15]</a> 元四国電力社員で原子炉主任技術者だった松野元さんは「推論　トリプルメルトダウン」（創英社／三省堂書店、２０１６年８月）で「福島第一原発事故の原因は津波による電源喪失と考えられているが、実際は自動停止の瞬間にＥＣＣＳ（筆者注：非常用炉心冷却装置）が動かなかったことが原因である」との見方を提示している。<a href="https://www.books-sanseido.co.jp/soeisha_books/4562" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.books-sanseido.co.jp/soeisha_books/4562</a><br>なお、日本原子力発電の東海第二原発（茨城県）は２０１１年３月１１日、ＥＣＣＳの一つ「ＨＰＣＳ（高圧炉心スプレイ系）」と、本稿の「<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/" title="">上</a>」で取り上げたＲＣＩＣ（原子炉隔離時冷却系）がほぼ同時に自動起動している。これを筆者は松野氏の論考で知った。<a href="https://bee-media.co.jp/archives/2853" target="_blank" rel="noopener" title="">https://bee-media.co.jp/archives/2853</a>。今回、筆者として東海第二原発のＨＰＣＳなどの作動について分かりやすいグラフを見つけたのでそのリンクを残しておく。<a href="https://jsm.or.jp/jsm_old/images/news/symposium20160129_1_3.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://jsm.or.jp/jsm_old/images/news/symposium20160129_1_3.pdf</a>　のＰ７。<br>また、今回、筆者として、日本原電の広報担当者に改めて確認したところ、以下の回答を得た。「地震発生により原子炉が自動スクラムするとともに外部電源が喪失したため、給復水系による原子炉への給水が停止しました。その後、原子炉水位がＨＰＣＳとＲＣＩＣが自動起動する水位まで低下したため、ＨＰＣＳとＲＣＩＣが設計どおり自動起動し、原子炉への注水を開始しました。その後、原子炉水位が回復したため、ＲＣＩＣにより原子炉水位を維持し、ＨＰＣＳは運転手順書に従ってミニフロー運転状態で運転を継続していました」</p>
</div></div>



<div class="wp-block-group has-border -border02"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<figure class="wp-block-image u-mb-ctrl u-mb-0"><img decoding="async" src="https://secure.gravatar.com/avatar/5c2ac93b83a14d807b6d945559277a11e312a75803c1f7ef3d07ed8349a468f8?s=96&amp;d=mm&amp;r=g" alt="小森 敦司"/></figure>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">Author：小森 敦司 </h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">１９６４年生まれ。上智大学法学部卒。１９８７年に朝日新聞社に入社、経済部やロンドン特派員、エネルギー・環境担当の編集委員などを経て２０２１年に退社、フリージャーナリストに。著書に「日本はなぜ脱原発できないのか」「『脱原発』への攻防」（いずれも平凡社新書）、「原発時代の終焉」（緑風出版）など。２０２４年、行政書士事務所を開業。</p>



<div class="swell-block-button is-style-btn_normal"><a href="https://blog.ccnejapan.com/?author=28" target="_blank" rel="noopener noreferrer" class="swell-block-button__link"><span>小森 敦司　投稿一覧</span></a></div>
</div></div><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/19344/">【寄稿】福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題点を追究（下）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
		<post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">19344</post-id>	</item>
		<item>
		<title>【寄稿】福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題を追究（上）</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/19284/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 01 Sep 2025 00:40:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[事故対応]]></category>
		<category><![CDATA[原発事故の責任]]></category>
		<category><![CDATA[地震]]></category>
		<category><![CDATA[市民活動]]></category>
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		<category><![CDATA[福島原発事故]]></category>
		<category><![CDATA[福島第一原発]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.ccnejapan.com/?p=19284</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_5.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題を追究（上） ジャーナリスト・小森敦司 ２０１１年３月の東京電力福島第一原発事故の際、運転員の機器の操作などに「過ち」があったのではない [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/">【寄稿】福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題を追究（上）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_5.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h1 class="wp-block-heading"><strong>福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題を追究（上）</strong></h1>



<p><strong>ジャーナリスト・小森敦司</strong></p>



<div class="wp-block-group is-style-big_kakko_box"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<p>２０１１年３月の東京電力福島第一原発事故の際、運転員の機器の操作などに「過ち」があったのではないか？――事故から１４年の歳月を経たが、市民サイドに立つ研究者やジャーナリストらが福島の事故の検証・分析を続け、東京電力（東電）の事故対応の問題点を追究している。そして、これまでにいくつもの新事実を発見している。東電は柏崎刈羽原発（新潟県）の再稼働に向けた動きを加速しているが、そうして得た教訓は生かされるのか。今回は事故の進展を大きく左右したとされる福島第一原発１号機の非常時のマニュアルと運転員の冷却操作を切り口に、あの事故の際の東電の事故対応を上下２回にわたって考えてみたい。連載の（下）は<a href="https://www.ccnejapan.com/column/19344/" title="">こちら</a>。</p>
</div></div>







<h2 class="wp-block-heading">（１）ないはずの機器が手順書に</h2>



<p>「事故時運転操作手順書」。言葉の響きは硬いが、グーグルのＡＩアシスタント「ジェミニ」に質すとこう教えてくれた。「原子力発電所などの施設において、異常事態や事故が発生した際に、運転員が適切な対応を行うための詳細なマニュアルのことです」。いわば運転員の非常時対応マニュアルだ（以下、「手順書」）。</p>



<p>事故直後に時をさかのぼるが、事故調査を進めていた衆議院の特別委員会が２０１１年８月、福島第一原発のこの手順書の提出を東電に求めると、東電は同年９月、「知的財産が含まれる」「核物質防護上の問題が生じる」などを理由に、大部分を黒塗りにして提出した<a id="_ednref1" href="#_edn1">[1]</a>。</p>



<p>これに特別委が反発、当時の経済産業省原子力安全・保安院が同年１０～１２月、個人情報以外を除いて公開した経緯がある。それにしても、東電が提出を拒んだのは、知的財産や核物質の防護が本当の理由だったのだろうか？</p>



<p>筆者は今回の取材で、仙台の市民活動の有志でつくる「仙台原子力問題研究グループ」の石川徳春さんという方を知った。東北電力の女川原発（宮城県）の危険性などを調査してきた石川さんは福島第一原発の事故の後、東京電力の事故対応についても綿密に調査・分析し、その論考を市民団体「みやぎ脱原発・風の会」の会報「鳴り砂」に随時投稿してきた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[2]</a><a id="_ednref2" href="#_edn2">[3]</a>。それらを読むと、東電が手順書公開に後ろ向きだった理由が見えた気がした。石川さんの論考を頼りに話を進める。</p>



<p>「ＲＣＩＣ」。これも日本語にすると「原子炉隔離時冷却系」と小難しい言葉になるが、原子炉に異常が発生した時に原子炉の蒸気を使って給水する装置だ。福島第一原発の２～６号機に設置されていて、１号機にはない。</p>



<p>ところが、石川さんの論考（例えば２０１８年５月<a id="_ednref1" href="#_edn1">[4]</a>）に、１号機の手順書の中の「Ⅳ　自然災害編」の「第２２章　自然災害事故」編で、ＲＣＩＣの操作が指示されている、とあった。筆者はそんなことがあるのかと調べてみると、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業（ＷＡＲＰ）を介して、その手順書を見つけけることができた<a id="_ednref2" href="#_edn2">[5]</a>。</p>



<p>該当箇所を開くと石川さんの指摘のとおり、「ＲＣＩＣ　『手動停止』」、「ＲＣＩＣを再起動する」とあった。その部分をスクショし、下に貼り付けておく（黄色のマーカーは筆者が引いた）<a id="_ednref1" href="#_edn1">[6]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="598" height="225" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_1.png" alt="" class="wp-image-19302" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_1.png 598w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_1-300x113.png 300w" sizes="auto, (max-width: 598px) 100vw, 598px" /></figure>



<p>石川さんはまた、１号機にはない「ＲＨＲ（残留熱除去系）」という冷却システムが、やはり１号機の「第２２章　自然災害事故」編に記載されている、といった間違いも見つけている<a id="_ednref1" href="#_edn1">[7]</a>。 </p>



<p>手順書が間違っていて、正しく対処できるのだろうか？</p>



<p>なお、本稿で書く１号機の事故対応の数々の「疑問」につき、筆者は東京電力ホールディングス<a id="_ednref1" href="#_edn1">[8]</a>の広報室に質問状を送り、回答を得ている。例えば、この「ＲＣＩＣ」「ＲＨＲ」の１号機の手順書への記載は、「誤記」というのだった。それらの回答は本稿の「下」の末尾にまとめて掲載する。</p>







<h2 class="wp-block-heading">（２）手順書づくりで「コピペ」？</h2>



<p>石川さんの追究は続く。実は当該部分の改訂日が各ページの上部に記載されている（筆者注：上に貼り付けたページの上部にもある）。石川さんが確認してみると１号機は「２０１０年２月１１日」、２号機は「２０１０年１月２３日」、３号機は「２０１０年３月１８日」と記されていた。すなわち、２号機→１号機→３号機の順に改訂がなされていたということだ。</p>



<p>それで、石川さんは論考にこう書いた。「最初に改訂した２号機の手順を１号機用にも“丸写し”し、微修正したものの、見逃し・修正漏れがあったのだと推定しました。一方、３号機は２号機と同型なので、“丸写し”しても特に問題は生じません」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[9]</a></p>



<p>まさに、「コピペ」疑惑だ。</p>



<p>石川さんはこうも記した。「手順書は本来、『ステップ毎にチェックしながら操作』するもので、訓練もそのように行われていると思いますが、これまで運転員（や指導員）の誰一人として上記“間違い”に気づかなかった？　それも❝怖い話❛❜ですが…」</p>



<p>その「ステップ毎……」の根拠を筆者が石川さんに尋ねると、それを指示する言葉が手順書の「まえがき」にあると教えてくれた。めくると、確かに、「ステップ毎にチェック」とあった。下に貼り付ける（黄色のマーカーは筆者が引いた）<a id="_ednref1" href="#_edn1">[10]</a>。　そうやって訓練したら、すぐに気づくはずだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="572" height="230" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_2.png" alt="" class="wp-image-19306" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_2.png 572w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_2-300x121.png 300w" sizes="auto, (max-width: 572px) 100vw, 572px" /></figure>



<p>東電は２０１１年１０月、１号機の手順書の適用状況を公表している<a id="_ednref1" href="#_edn1">[11]</a>。そのプレスリリースは、「今回の事故対応で使用または参考にしたと推定される手順書」として、「事象ベース　原子炉スクラム（筆者注：緊急停止のこと）事故　主蒸気隔離弁閉の場合」など４つを選定した、とする。</p>



<p>ただ、そのプレスリリースは、石川さんが間違いを指摘した「第２２章　自然災害事故」編への言及はなかった。思うに、この「第２２章　自然災害事故」編は、そのタイトルからして、２０１１年３月１１日にこそ使われるべきマニュアルではないだろうか<a id="_ednref1" href="#_edn1">[12]</a>。でも、ここまで書いたような疑惑があるから、東電として表に出したくなかったのかもしれない。</p>







<h2 class="wp-block-heading">（３）イソコン操作は「ぶっつけ本番」？</h2>



<p>福島の原発事故から時を経たが、あの頃のニュース報道で「イソコン」という言葉を聞いた記憶があるはずだ。そのイソコンと手順書に絡んで、前述の石川さんの論考の中で、これは「特ダネだ」と筆者が感嘆した発見があった。</p>



<p>これは前述の１号機の手順書の「誤記」と同じく、「現場軽視」を如実に示す話なのだが、まず先にＮＨＫスペシャル『メルトダウン』取材班（以下、ＮＨＫ取材班）の２冊の著書の中のイソコンに関する記述を簡潔にまとめておく。そうすることで、石川さんの論考の「特ダネ」の価値が分かる。</p>



<p>ここからがＮＨＫ取材班の著書からの抜粋・要約だ<a id="_ednref1" href="#_edn1">[13]</a>。イソコンの正式名は非常用復水器という。英語ではアイソレーションコンデンサー（ＩＣ）（筆者注：複数の呼称があるが、本稿ではその使用主体が使う呼称に従う）。原子炉で発生した高温の水蒸気で駆動し、冷却水タンクを通って冷やされた水が原子炉に注がれる、という非常用の冷却装置だ<a id="_ednref2" href="#_edn2">[14]</a><a id="_ednref3" href="#_edn3">[15]</a>。</p>



<p>２０１１年３月１１日を振り返る。すさまじい揺れに１号機は緊急停止（スクラム）した。原子炉からタービンに蒸気を送る配管の弁が自動的に閉じ、７０気圧（筆者注：１気圧はおよそ０．１メガパスカル）あった原子炉圧力が徐々に上昇し、７１．３気圧に達したところでイソコンが自動起動した。</p>



<p>マニュアル（筆者注：ＮＨＫ取材班は「手順書」との用語を使わず、「マニュアル」と表記している）は、急冷したときに原子炉の強度に影響が出るとして1時間に「５５℃以内」のペースで冷却するよう定めていた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[16]</a>。筆者がスクショした手順書の当該部分を下に貼り付ける（筆者注：手順書だと「原子炉冷却材温度変化率５５℃／ｈ以下」と記されている。黄色のマーカーは筆者が引いた）<a id="_ednref2" href="#_edn2">[17]</a>。運転員はマニュアルに沿ってイソコンのレバーを操作して起動と停止を繰り返した<a id="_ednref3" href="#_edn3">[18]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="609" height="367" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_3.png" alt="" class="wp-image-19310" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_3.png 609w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_3-300x181.png 300w" sizes="auto, (max-width: 609px) 100vw, 609px" /></figure>



<p>その後、津波に襲われ、すべての電源を失ってしまうが、その直前、運転員はイソコンを停止する操作をしていた。つまり、その運転員は津波に襲われた時点でイソコンは動いてないと認識していた。こうした重要な情報が吉田昌郎所長らがいた免震棟に伝わらず、吉田所長らは３月１１日深夜までイソコンで１号機が冷却されていると思い込み、事故対応の指揮をとっていた<a id="_ednref1" href="#_edn1">[19]</a>。</p>



<p>この事実を突き止めたのは、ＮＨＫ取材班の表現を使うと「意外な組織だった」。新潟県の「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」である<a id="_ednref1" href="#_edn1">[20]</a>（筆者注：この委員会については本稿の「下」でも書く）。1号機のイソコン（ＩＣ）の状態を把握していれば、被害を軽減できたのではないかとの問題意識から、関係者への聞き取り調査を東電に求めたのだった。</p>



<p>２０１５年１１月２５日付の東電の同委員会に対する回答<a id="_ednref1" href="#_edn1">[21]</a>のうち関係する部分を、筆者がスクショして下に貼り付ける（黄色のマーカーは筆者が引いた）<a id="_ednref2" href="#_edn2">[22]</a>。「主機操作員」らのいた中央制御室と、吉田所長らがいた免震棟の緊急時対策本部の認識が明らかに違っている<a id="_ednref3" href="#_edn3">[23]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="546" height="238" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_4.png" alt="" class="wp-image-19314" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_4.png 546w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_4-300x131.png 300w" sizes="auto, (max-width: 546px) 100vw, 546px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="542" height="520" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_5.png" alt="" class="wp-image-19315" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_5.png 542w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_5-300x288.png 300w" sizes="auto, (max-width: 542px) 100vw, 542px" /></figure>



<p>ＮＨＫ取材班の著書にもどると、取材班は、関係者からの情報提供を受けてイソコンなどが作動する原子炉圧力の設定値に着目した。事故の８カ月前の２０１０年７月に変更されていたのだ。</p>



<p>次の３つの設定値がかかわる。</p>



<p>①７０気圧ある原子炉の圧力が何らかのトラブルで上昇した場合、７０．７気圧になったら原子炉が緊急停止（スクラム）する ②次いで７１．３気圧になったらイソコンが起動して原子炉を冷却 ③ＳＲ弁（筆者注：原子炉の蒸気を逃がして圧力を下げる装置）の設定値は７２．７気圧にした。</p>



<p>きっかけは２００９年２月の１号機で起きたトラブルだった。原子炉の圧力が上昇し、自動的に緊急停止するはずが、なかなか停止せず、最終的に手動で止めたのだった。</p>



<p>このため、東電は従来の設定値を見直し、まず原子炉を確実に停止するように緊急停止の設定値を低くした。同時に「原子炉の水を失うことなく崩壊熱を冷やせる」ことから、ＳＲ弁よりもイソコンを優先すべきだという結論になった、というのだ。</p>



<p>しかし、東電の公式見解では、イソコンは１号機の試運転の時をのぞいて、１９７１年３月の運転開始以来、事故まで一度も稼働していない。現場ではすでにイソコンを動かした経験者がいなくなっていた。福島第一原発の１号機には専用シミュレーターもなかった。</p>



<p>ＮＨＫ取材班は２０１７年２月、米国コネチカット州に向かい、福島第一の１号機と同じイソコンを備えた原発の訓練担当者から、「５年に一度は実際にイソコンを起動させる試験を行っています」「このとき、運転員は実際にイソコンを稼働させて、学習・訓練することができます。目視で、また音で稼働状況を理解します」との証言を得ている<a id="_ednref1" href="#_edn1">[24]</a>。</p>



<p>著書にＮＨＫ取材班はこう書いた。「東京電力では、実務中に実際にイソコンを動作させる訓練を約４０年間行わなかった。実機訓練を行わないのであれば、最低でもそれに代替する教育や訓練を用意すべきだったのではないか」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[25]</a> （ＮＨＫ取材班の著書からの抜粋・要約はここまで）。</p>



<p>筆者はＮＨＫ取材班の著書を読んで、地震後の運転員のイソコン操作についてこう思わざるをえなかった。あの日、２０１１年３月１１日が、「ぶっつけ本番」だったのだ――。</p>







<h2 class="wp-block-heading">（４）「保安規定」違反だった？</h2>



<p>もっとも、東電は事故後、運転員に対する非常用復水器（イソコン）の教育訓練や、津波が来るまでの運転員の操作に問題はなかった、との見解を示している。２０１２年６月に東電が公表した事故調査報告書はこう記している<a id="_ednref1" href="#_edn1">[26]</a>。</p>



<p>「非常用復水器については、事故時運転操作手順書等の訓練を行っていく中でシステムの研修を行うとともに、日々の現場巡視や月１回の定例試験、定期検査中の保全活動など業務を通した教育いわゆるＯＪＴ（筆者注：オン・ザ・ジョブ・トレーニング）が行われていた」<a></a></p>



<p>「地震発生後、津波到達までにおいて、中央制御室では原子炉圧力の制御を非常用復水器を使用して問題なく行っていることは、上述の教育訓練やＯＪＴによりその系統・機能を十分理解し、習得した知識を活用した上での操作といえる」</p>



<p>今回の取材で、筆者は、地震後の運転員の操作についての認識を改めて東電に質したが、この報告書の記述と同じ内容だった（筆者注：本稿の「下」に東電の回答をまとめる）。東電としては、問題はイソコンの教育訓練や、あの日の操作ではなくて、「悪いのは津波だ」と言いたいのだろう。</p>



<p>ここから先述の石川徳春さんの論考で、筆者が「特ダネ」と思った点を記したい。</p>



<p>聞くと石川さんは、２０１１年３月当時の福島第一原発の「原子炉施設保安規定」を早い時点でＮＰＯ法人「原子力資料情報室」から入手した、という。保安規定は、原発の保安のために必要な基本的な事項をまとめたものだ。筆者も今回、同室から送ってもらったが、添付資料まで含めると４４６ページあり、細かい文字でびっしりだった。 　</p>



<p>この保安規定の中に、石川さんは「異常時の措置」を定めた第７７条を見つける。その３項にこう明記されていた。「第７６条第１項の異常が発生してから当直長が異常の収束を判断するまでの期間は、第３節運転上の制限は適用されない」。当該部分を下に貼り付ける（黄色のマーカーは筆者が引いた）。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="621" height="226" src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_6.png" alt="" class="wp-image-19321" srcset="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_6.png 621w, https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/08/komori_6-300x109.png 300w" sizes="auto, (max-width: 621px) 100vw, 621px" /></figure>



<p>第７６条１項は「原子炉の自動スクラム信号が発信した場合」などだ。そして例の「原子炉冷却材温度変化率５５℃／ｈ以下」は、「第３節運転上の制限」の一つだ。</p>



<p>つまり、石川さんの論考からの抜き書きになるが、事故当時の保安規定では、原子炉の自動スクラムなどの異常発生時には、第７７条３項で「当直長が異常の収束を判断するまでの期間」は、（筆者注：原子炉冷却材温度変化率５５℃／ｈ以下といった）「運転上の制限は適用されない」のが❝大原則❞――したがって、「温度変化率遵守による『ＩＣの手動停止』そのものが、保安規定第７７条に反した不適切な操作だった」。石川さんはそう断じている<a id="_ednref1" href="#_edn1">[27]</a>。</p>



<p>筆者は石川さんに単刀直入に運転員の操作に対する意見をメールで求めた。こう答えてくれた。</p>



<p>まず、地震後の運転員のＩＣ操作について、「地震後のスクラム確認等が一段落して、気づいたら急激な圧力低下＝温度低下が生じて、また、ＩＣが（予想外に初めて）自動起動していたので、ただ単に驚いて停止した、というのが本当のところではないか」というのだった。</p>



<p>そして、運転員に対しては、「東京電力の保安教育不足・運転軽視・運転員軽視の犠牲者だ、と心から思っています」。一方で、運転員に向かって、こんな期待を示した。「記憶の風化が進む前に直接真実を証言して欲しいと思っています」<a id="_ednref1" href="#_edn1">[28]</a></p>



<p>本稿の「下」で、「５５℃以下」問題をさらに深掘りする。最近に至るまで関連する調査・分析が続いているからだ。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<div class="wp-block-group is-style-stitch"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<h4 class="wp-block-heading has-text-align-left is-style-default">脚注</h4>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[1]</a> 東電が黒塗りにして提出した資料が、ＮＰＯ法人「原子力資料情報室」のウェブサイトに残っていた。リンクを残しておく。<a href="https://cnic.jp/files/20100106tepco_102.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://cnic.jp/files/20100106tepco_102.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[2]</a> 会報「鳴り砂」はこちらに。<a href="https://miyagi-kazenokai.com/category/%e9%b3%b4%e3%82%8a%e7%a0%82/" target="_blank" rel="noopener" title="">https://miyagi-kazenokai.com/category/%e9%b3%b4%e3%82%8a%e7%a0%82/</a>　</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[3]</a>&nbsp; 石川さんの論考は膨大な数になるが、２０１８年６月の学習会で使われた資料が分かりやすく、筆者はとても勉強になった。<a href="https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/06/20180602siryou.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/06/20180602siryou.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[4]</a> <a href="https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/05/narisuna294bessatu.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/05/narisuna294bessatu.pdf</a> のＰ７～。最近では、２０２４年１１月２０日号以降の「鳴り砂」で、手順書や運転員の教育訓練の問題を深く追究している。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[5]</a> <a href="https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122347.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122347.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[6]</a> <a href="https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122347.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122347.pdf</a>　の「２２－１Ｅ－１３」。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[7]</a> 当時の原子力安全・保安院は２０１１年１０月２４日、まず１号機分を発表したが、なぜか、この「第２２章　自然災害事故」編を含めていなかった。２０１１年１２月２０日の１～３号機の一括発表の時に、この「第２２章　自然災害事故」編も明らかにした。<a href="https://web.archive.org/web/20120109204359/http:/www.meti.go.jp/press/2011/10/20111024003/20111024003.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://web.archive.org/web/20120109204359/http://www.meti.go.jp/press/2011/10/20111024003/20111024003.html</a>　<a href="https://web.archive.org/web/20120108193741/http:/www.meti.go.jp/press/2011/12/20111220009/20111220009.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://web.archive.org/web/20120108193741/http://www.meti.go.jp/press/2011/12/20111220009/20111220009.html</a><br>筆者はこの経緯を著者不明（「gemini.to」と名はあった）のサイト「黒いカルテ-東電原発事故編」で知った。<a href="https://gemini.to/Earth/NIPPON/GENPATSUtext/genpatsu-20000/20111220-c1-5.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://gemini.to/Earth/NIPPON/GENPATSUtext/genpatsu-20000/20111220-c1-5.html</a><br><a href="https://www.gemini.to/Earth/NIPPON/GENPATSUtext/genpatsu-20000/20111220-1u-1-22-pdf1-c1-0.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.gemini.to/Earth/NIPPON/GENPATSUtext/genpatsu-20000/20111220-1u-1-22-pdf1-c1-0.pdf</a><br><a href="https://gemini.to/Earth/NIPPON/GENPATSUtext/genpatsu-20000/20111024-20111024003-5-pdf1-c1-3.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://gemini.to/Earth/NIPPON/GENPATSUtext/genpatsu-20000/20111024-20111024003-5-pdf1-c1-3.pdf</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[8]</a> 東電は２０１６年４月、ホールディングカンパニー制を導入し、持株会社「東京電力ホールディングス株式会社」が発足しているが、本稿では原則として「東京電力」と記す。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[9]</a> <a href="https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/05/narisuna294bessatu.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/05/narisuna294bessatu.pdf</a> のＰ８。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[10]</a> <a href="https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122351.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122351.pdf</a> の「Ⅱ　まえがき」の「３．手順書の具体的使用方法」の（２）。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[11]</a> <a href="https://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/111022a.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/111022a.pdf</a></p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[12]</a> 石川さんは「鳴り砂」の２０２５年３月２０日号で、「自動起動したIC２系統が手動停止されずに継続作動し冷却を続けていたら、津波後の❛１号機早期炉心溶融・水素爆発❜や❛２・３号機の炉心溶融・水素爆発の連鎖❜は防げた」という仮説について、❝素人❞なりの定量的検証を行ってみたい、とした。その検証の中身は「鳴り砂」の論考そのものを読んでほしいが、「解析のまとめ」として、次のように記した。「自動起動したＩＣに減圧除熱を任せ、運転員が（手動停止などの不要な=設計想定外の操作を）❛何もしていなければ❜、津波後は❛設計通り❜に自動作動するＳＲＶに減圧除熱を任せるだけで、運転員が❛何もできなくても／しなくても❜、「炉心露出・損傷開始」までに5～６時間もの時間的余裕ができたことは明らかです」。<a href="https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2025/03/2025.3.narisunabessatu.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2025/03/2025.3.narisunabessatu.pdf</a>　</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[13]</a> 講談社文庫「福島第一原発事故の『真実』　検証編」（文庫の第１刷は２０２４．２．１５。元になる単行本は２０２１．２刊行）と、講談社現代新書「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」（第１刷は２０１７．９．２０）をベースにした。なお、分かりやすくするため、筆者が言葉を補ったり、表現を変えたりした部分がある。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[14]</a> イソコン（IC）は、福島第一原発では１号機だけにある。国内ではほかに日本原子力発電の敦賀原発１号機（福井県、現在は廃炉作業中）にもある。</p>



<p><a id="_edn3" href="#_ednref3">[15]</a> 前掲・講談社現代新書「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」（Ｐ５０～）は、イソコンについて、「少なくとも8時間程度は稼働し、原子炉を冷やし続けることができると想定されていた。この間に、他の冷却系を復活させれば、原子炉を１００度以下の冷温停止に持って行く道が開けるはずだった。しかし１号機は、地震発生時にイソコンが自動起動したものの、津波発生後、イソコン本来の冷却機能を発揮させることができなかった。このことが、その後の事故対応を決定的に難しいものにしていく」「イソコンが本来持つ冷却機能をいかしていれば、１号機のメルトダウンや水素爆発を何とか防ぐことができ、福島第一原発事故の進展は変わっていた可能性がある」としている。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[16]</a> 東電の事故調査報告書にもその旨の記述がある。<a href="https://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf</a>のＰ８５。</p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[17]</a> <a href="https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122328.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9568774/www.nsr.go.jp/data/000122328.pdf</a>　の「１－１Ｂ－１４」。なお、東電が２０１１年９月、手順書の大部分を黒塗りにして提出したことを先に書いたが、この「５５℃／ｈ以下」の記述は消さずに残した。何らかの意図があったはずだ。<a href="https://cnic.jp/files/20100106tepco_102.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://cnic.jp/files/20100106tepco_102.pdf</a>(再掲)</p>



<p><a id="_edn3" href="#_ednref3">[18]</a> 前掲・講談社現代新書「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」のＰ５４から。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[19]</a> 前掲・講談社現代新書「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」（Ｐ５６）によると、「後の政府や東京電力の調査で、イソコンは津波に襲われ、電源が失われた段階で止まる仕組みになっていたことが判明する……何らかの異常があった時、原発内部から放射性物質が漏れ出ないように配管の弁を自動的に止めるフェールクローズと呼ばれる安全設計になっていたのだ。しかしこの時点で、免震棟では、フェールクローズの仕組みに気付いていた者は誰一人としておらず、本店からも指摘や助言は一切なかった」という。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[20]</a> 新潟県の技術委員会は２００３年２月、東電のトラブル隠し問題を受けて発足。福島第一原発事故の後の２０１２年７月、福島の事故の検証を開始した。さらに２０１７年８月、当時の米山隆一知事が新たに「健康・生活委員会」と「避難委員会」を設置し、「三つの検証」に取り組んだ。２０１８年６月に当選した花角英世知事のもとでも続けられたが、新潟県が２０２３年９月に出した総括報告書をめぐっては総括の進め方やその内容に強い批判が出た。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[21]</a> &nbsp;<a href="https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/37139.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/37139.pdf</a></p>



<p><a id="_edn2" href="#_ednref2">[22]</a> 前掲・講談社文庫「福島第一原発事故の『真実』　検証編」（P２９～）によると、「全電源喪失した午後４時以降、イソコンの作動状況がわからなくなった当直長は、免震棟にイソコンの排気口、『ブタの鼻』から蒸気が出ているか確認してほしいと依頼する……運転員の先輩から、イソコンが作動すると、ブタの鼻から白い蒸気が勢いよく出るという話を伝え聞いていたのである。ブタの鼻は免震棟からよく見える位置にあった……午後４時４４分になって当直長に、ホットラインを通じて免震棟から『ブタの鼻から蒸気がもやもやと出ている』という報告が届いた……蒸気が出ているという報告から免震棟では、イソコンが動いていると受け止めていた」という。</p>



<p><a id="_edn3" href="#_ednref3">[23]</a> 本稿で書いた石川徳春さんは２０１８年１２月の学習会資料で、当直長が「『ＩＣが動作していない可能性』を認識していたのなら、ＳＢＯ（筆者注：外部電源も非常用発電機も使えない「ステーション・ブラックアウト」のこと）後すぐに下記のような対応をすべき」として、東電の「回答」中の「ディーゼル駆動消火ポンプなど低圧の代替注水で冷却する」との措置を指摘している。<a href="https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/12/20181215%E3%80%80vol13.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2018/12/20181215%E3%80%80vol13.pdf</a>　のＰ９３。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[24]</a> 前掲・講談社文庫「福島第一原発事故の『真実』　検証編」（P９８～）によると、その米国の訓練担当者はNHK取材班に対し、「イソコンを動かした経験があれば、排気口（ブタの鼻）から出る蒸気を見て運転状況の判断を間違えることはなかっただろうし、私ならあの状況でイソコンを止めることもなかった」と証言している。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[25]</a> 前掲・講談社文庫「福島第一原発事故の『真実』　検証編」のＰ１０３から。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[26]</a> <a href="https://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf</a>　のP１５１。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[27]</a> 例えば<a href="https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2024/11/2024.11.narisunabessatu.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://miyagi-kazenokai.com/wp-content/uploads/2024/11/2024.11.narisunabessatu.pdf</a>　のＰ２。</p>



<p><a id="_edn1" href="#_ednref1">[28]</a> 既存の原子力研究機関でも、ＩＣの設定変更などに疑問を呈する論考がある。例えば、「福島第一原子力発電所１号機において地震に起因する冷却材漏えいが事故の原因となった可能性があるという指摘について」(２０１４年８月２８日受理、日本原子力研究開発機構・久木田 豊、渡邉 憲夫)は、「2０１０年７月の変更によって原子炉隔離時にＩＣが作動する可能性が増加したにも関わらず、実作動試験はもちろん、シミュレータ等による運転訓練が行われた形跡がない」などと指摘している。　<a href="https://jopss.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Technology-2014-036.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://jopss.jaea.go.jp/pdfdata/JAEA-Technology-2014-036.pdf</a>　</p>
</div></div>



<p>追記：　本稿（上）の掲載（９月１日）後、石川徳春さんから、「１号機では、平成４年（１９９２年）６月２９日に起きた原子炉の自動停止の際にICを作動させたようだ」との指摘があった。調べると東京電力が２０１５年１月、新潟県に提出した資料の中に、確かに「IC（A）（B）系動作」といった記述があった。　<a href="https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/35426.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/35426.pdf</a></p><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/19284/">【寄稿】福島第一原発事故、東電の対応に過ち？／市民研究者ら非常時マニュアルや運転員操作の問題を追究（上）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>コラム：福島第一原発事故後の「廃炉」政策の問題</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/41/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[菅波 完]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 25 May 2025 12:17:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<guid isPermaLink="false">http://gsi.s504.xrea.com/?page_id=41</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/03/column.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>政府・東京電力は、福島第一原発事故の廃炉を、「中・長期ロードマップ」に基づいてすすめています。「中・長期ロードマップ」では、最長40年（2051年12月まで）で廃炉が終了することが想定されていますが、メルトダウンしたデブ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/41/">コラム：福島第一原発事故後の「廃炉」政策の問題</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/03/column.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>政府・東京電力は、福島第一原発事故の廃炉を、「中・長期ロードマップ」に基づいてすすめています。「中・長期ロードマップ」では、最長40年（2051年12月まで）で廃炉が終了することが想定されていますが、メルトダウンしたデブリをすべて取り出し、福島第一原発を更地に戻すことができるかのような前提で議論されており、<strong>もっとも重要で困難な課題があいまいにされたまま</strong>です。</p>



<p>「日本原子力学会福島第一原子力発電所廃炉検討委員会」が2020年に発表したレポートでは、福島第一原発の廃炉で発生する放射性廃棄物の推計値として、合計783万トンという数値が示されています<a id="_ftnref1" href="#_ftn1">[1]</a>。これは、同じレポートで示された、<strong>通常の沸騰水型原発の廃炉で発生する放射性廃棄物（12,740トン<a id="_ftnref2" href="#_ftn2">[2]</a>）の600倍以上</strong>という途方もない量です。この783万トンには、燃料デブリも含まれていますが、果たして回収できるのか、それを何らかの容器に保管し、どこかに確保した処分場に運び出すことができるのか、技術的にも社会的にも極めて困難な課題であり、そのための<strong>現実的な議論すら先送りにされている</strong>というのが実情です。</p>



<p>福島第一原発では、いまだに放射線量が高く、人が立ち入れないような箇所が残されており、この原発を解体し、放射性廃棄物をすべて処分するためには、膨大な被ばく労働が避けられません。現状は、作業方法などを技術的に検討している段階であり、福島第一原発が更地になるような「廃炉」は、およそ見通しが立っていない状況です。原子力市民委員会としては、むしろ工程を急ぐのではなく、時間をかけて、放射能が減衰することを待つのが賢明だと考えています。そのためにも、<strong>福島第一原発の廃炉は、100年以上の長い時間軸で考えるしかないというのが原子力市民委員会の考え</strong>です。</p>



<p>ALPS処理汚染水の海洋放出や、除染で発生した汚染土の処理などでは、薄めた「処理水」を海に流すことや、基準以下の「除去土壌」を普通の生活環境での工事に使うことが、安全上、問題ないとされ、それが「復興」の重要なステップであるかのような説明がありますが、福島第一原発には、極めて放射能レベルが高い「汚染水」や「燃料デブリ」などが存在しており、それらを安全かつ確実に処理することができるかどうかに「廃炉」の成否がかかっています。廃炉が40年で完了するような「中・長期ロードマップ」は、現実とはかけ離れた「絵に描いた餅」だと言わざるを得ません。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p class="is-style-border_left"><span class="swl-fz u-fz-s"><a id="_ftn1" href="#_ftnref1">[1]</a> 『国際標準からみた廃棄物管理　－廃棄物検討分科会中間報告―』（2020年7月、日本原子力学会福島第一原子力発電所廃炉検討委員会）p.19「表3.4-2　1F廃炉・サイト修復で発生する放射性廃棄物の試算例」では、放射性廃棄物の区分ごとに、燃料デブリ644トン、HLW（高レベル放射性廃棄物相当）2,125トン、TRU（超ウラン元素相当）846トン、L1廃棄物282,068トン、L2廃棄物2,221,800トン、L3廃棄物5,329,588トン、合計7,837,071トンとの数値が示されている。当然ながら、放射性廃棄物はその汚染のレベルが高いほど、管理・処分が困難であり、レベルの違う放射性廃棄物の量を単純に合計することは本質的ではないが、ここでは福島第一原発の廃炉で発生する放射性廃棄物の総量が、通常の原発の廃炉で発生する廃棄物と比べて、桁違いに多いということを理解していただくために、あえてこのような書き方をした。</span></p>



<p class="is-style-border_left"><span class="swl-fz u-fz-s"><a id="_ftn2" href="#_ftnref2">[2]</a> 同報告書p.10「表2.4-1」に、大規模BWR（沸騰水型原発）の廃炉で発生する放射性廃棄物として、L1廃棄物80トン、L2廃棄物850トン、L3廃棄物11,810トンという数値が示されており、これを合計すると12,740トンとなる。</span></p><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/41/">コラム：福島第一原発事故後の「廃炉」政策の問題</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>コラム：「再エネ賦課金」の誤解</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/1640/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[明日香 寿川]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 25 May 2025 06:21:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[エネルギー政策]]></category>
		<category><![CDATA[コスト]]></category>
		<category><![CDATA[再生可能エネルギー]]></category>
		<category><![CDATA[電力自由化]]></category>
		<category><![CDATA[電気料金]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/03/column.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>電気料金のレシートを見ると、再エネ固定価格買取制度（FIT）による再エネ賦課金が特出しされているので、再エネだけにお金を余分に払っているという印象を持つ人が多いようです。しかし、これは誤解です。 FITは、1978 年に [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/1640/">コラム：「再エネ賦課金」の誤解</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/03/column.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>電気料金のレシートを見ると、再エネ固定価格買取制度（FIT）による再エネ賦課金が特出しされているので、再エネだけにお金を余分に払っているという印象を持つ人が多いようです。しかし、これは誤解です。</p>



<p>FITは、1978 年に米国で最初に導入された後、ドイツなどでも導入され、再エネの大量普及および生産コスト低下に成功しました。この結果を踏まえ、現在では多くの学術的報告や公的機関がその優位性を認めています。採用国数は特に2005年以降に急増し、日本が導入する前の2009年時点では少なくとも50以上の国々と25以上の州・地域で採用されていました。</p>



<p>このFITによる再エネ賦課金は、短期間で再エネを普及させることを目的として導入された制度であり、買取価格は供給量や価格を考慮しつつ、だんだん小さくなっていき、一定期間後にはゼロとなります。実際に、ドイツなどでは2020年代前半で再エネ賦課金の大幅な低下が想定されており、主要国の中でも最も導入が遅かった日本でも2030年頃をピークに大幅に下がることが予想されています。</p>



<p>日本は他国に比べて大幅にFIT導入が遅れただけでなく、賦課金の額や認証方法等に関する当初の制度設計に問題がありました<a href="#_ftn1" id="_ftnref1">[1]</a>。日本での再エネの価格は国際価格に比較してまだ高いのですが、このような制度設計によって競争原理がうまく機能しなかったことも大きな要因であり、それは賦課金の大きさにも影響しています。それでも、現政府でさえも、2021年の発電コストWGの試算において2030年には再エネが最も安価になるとしました。再エネ普及を阻害している電力市場の是正や電力自由化の徹底などを実施すれば、より早期に安くなります<a href="#_ftn2" id="_ftnref2">[2]</a>。また、日本では原発に対しても、下記で示すようなさまざまな補助金あるいは税金がつぎ込まれています。しかし、それらは再エネ賦課金のように電気料金の中で見えるようにはなっていません。</p>



<p class="is-style-border_left"><a href="https://www.ccnejapan.com/CCNE_GX_QandA2023.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">「今こそ知りたい エネルギー・温暖化政策Q&amp;A」p17ページ「3)再エネ賦課金」の「コラム：再エネ賦課金の誤解」</a><span data-icon="FasFilePdf" data-id="56" style="--the-icon-svg: url(data:image/svg+xml;base64,PHN2ZyBoZWlnaHQ9IjFlbSIgd2lkdGg9IjFlbSIgeG1sbnM9Imh0dHA6Ly93d3cudzMub3JnLzIwMDAvc3ZnIiBhcmlhLWhpZGRlbj0idHJ1ZSIgdmlld0JveD0iMCAwIDM4NCA1MTIiPjxwYXRoIGQ9Ik02NCAwQzI4LjcgMCAwIDI4LjcgMCA2NFY0NDhjMCAzNS4zIDI4LjcgNjQgNjQgNjRIMzIwYzM1LjMgMCA2NC0yOC43IDY0LTY0VjE2MEgyNTZjLTE3LjcgMC0zMi0xNC4zLTMyLTMyVjBINjR6TTI1NiAwVjEyOEgzODRMMjU2IDB6TTY0IDIyNEg4OGMzMC45IDAgNTYgMjUuMSA1NiA1NnMtMjUuMSA1Ni01NiA1Nkg4MHYzMmMwIDguOC03LjIgMTYtMTYgMTZzLTE2LTcuMi0xNi0xNlYzMjAgMjQwYzAtOC44IDcuMi0xNiAxNi0xNnptMjQgODBjMTMuMyAwIDI0LTEwLjcgMjQtMjRzLTEwLjctMjQtMjQtMjRIODB2NDhoOHptNzItNjRjMC04LjggNy4yLTE2IDE2LTE2aDI0YzI2LjUgMCA0OCAyMS41IDQ4IDQ4djY0YzAgMjYuNS0yMS41IDQ4LTQ4IDQ4SDE3NmMtOC44IDAtMTYtNy4yLTE2LTE2VjI0MHptMzIgMTEyaDhjOC44IDAgMTYtNy4yIDE2LTE2VjI3MmMwLTguOC03LjItMTYtMTYtMTZoLTh2OTZ6bTk2LTEyOGg0OGM4LjggMCAxNiA3LjIgMTYgMTZzLTcuMiAxNi0xNiAxNkgzMDR2MzJoMzJjOC44IDAgMTYgNy4yIDE2IDE2cy03LjIgMTYtMTYgMTZIMzA0djQ4YzAgOC44LTcuMiAxNi0xNiAxNnMtMTYtNy4yLTE2LTE2VjMwNCAyNDBjMC04LjggNy4yLTE2IDE2LTE2eiI+PC9wYXRoPjwvc3ZnPg==)" aria-hidden="true" class="swl-inline-icon"> </span></p>



<p class="is-style-border_left"><span class="swl-fz u-fz-s"><a id="_ftn1" href="#_ftnref1">[1]</a> 当初の太陽光発電への買取価格がそのときの状況を考慮しても高すぎ、かつ認可時期と建設時期のずれを許容したことも大きな禍根を残しました。現在、賦課金の大部分を、この初期の高額の太陽光発電への買い取り金が占めています。なお、日本で再エネが高いのは、原発が優先され、供給が需給を上回った場合に再エネ発電が出力抑制される制度や原発や火力発電を補助金などで温存するような制度が存在していることなども大きな要因です。ある程度の再エネの出力抑制は必要ではあるものの、その量が不確定で大きくなれば、再エネ電力を供給しようとする業者にとってはコスト高になります。また、原発や火力発電への補助金などの政策的支援は再エネの導入量を減らすことで、再エネの導入量増加による価格低下を妨げます。</span></p>



<p class="is-style-border_left"><span class="swl-fz u-fz-s"><a id="_ftn2" href="#_ftnref2">[2]</a> &nbsp;2022年4月からFIT制度はFIP制度に変わっています。FIP制度とは「フィードインプレミアム（Feed in Premium）」の略称で、発電事業者が再エネで発電した電力を卸電力取引市場で自由に売電させ、そこで得られる売電収入に「あらかじめ定める売電収入の基準となる価格（FIP価格）と市場価格に基づく価格（参照価格）の差額（=プレミアム）×売電量」の金額を上乗せして交付する制度です。FIT制度のように、固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定の補助額（プレミアム）を上乗せすることで、再エネ導入を促進すると政府は説明しています。具体的には、政府は、1）プレミアム分は電気使用者から徴収する賦課金で賄われるものの、FIT制度と比べると比較的少ない金額に抑えることができる、2）参照価格は一定期間（1ヶ月～1年程度）毎に変更することで、事業者の投資予見性確保と、市場価格を意識した発電行動促進の両立が実現できる、などとしています。</span></p><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/1640/">コラム：「再エネ賦課金」の誤解</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>【寄稿】原発「７０年超運転時代」へ突入　経産省・大手電力の狙いどおりに期間延長　世界に例のない仕組みに（下）</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/18966/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 24 Apr 2025 12:08:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[中国電力]]></category>
		<category><![CDATA[九州電力]]></category>
		<category><![CDATA[加圧水型炉(PWR)]]></category>
		<category><![CDATA[北海道電力]]></category>
		<category><![CDATA[原子力政策]]></category>
		<category><![CDATA[原子力規制委員会]]></category>
		<category><![CDATA[原発]]></category>
		<category><![CDATA[原発事故の責任]]></category>
		<category><![CDATA[島根原発]]></category>
		<category><![CDATA[川内原発]]></category>
		<category><![CDATA[沸騰水型炉(BWR)]]></category>
		<category><![CDATA[泊原発]]></category>
		<category><![CDATA[経済産業省]]></category>
		<category><![CDATA[老朽化]]></category>
		<category><![CDATA[規制基準]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.ccnejapan.com/?p=18966</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/04/6f14bfa52fadbd5d25e2db986db1446b-1024x572.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>ジャーナリスト・小森敦司 この記事は（上）（下）での連載です。（上）の記事はこちら。 （７）わずか３か月半の議論で転換 ２０２２年秋から、経済産業省・資源エネルギー庁は原子力小委員会で、原発の運転長期化を図る新ルールの具 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/18966/">【寄稿】原発「７０年超運転時代」へ突入　経産省・大手電力の狙いどおりに期間延長　世界に例のない仕組みに（下）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/04/6f14bfa52fadbd5d25e2db986db1446b-1024x572.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-right u-mb-ctrl u-mb-10"><strong><a href="#author-link" title="">ジャーナリスト・小森敦司</a></strong></p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">この記事は（上）（下）での連載です。（上）の記事は<a href="https://www.ccnejapan.com/column/18972/https-www-ccnejapan.com-column-18966-the-government-to-extend-the-operational-lifespan-of-nuclear-power-plants-beyond-70-years-first-of-two-parts/" target="_blank" rel="noopener" title="">こちら</a>。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（７）わずか３か月半の議論で転換</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">２０２２年秋から、経済産業省・資源エネルギー庁は原子力小委員会で、原発の運転長期化を図る新ルールの具体化を急いだ。原発を肯定する委員が圧倒的多数を占める場である。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">事務方のエネ庁は１１月８日の会合で、運転延長の認可要件として、「電力の安定供給/供給手段の多様性の確保」「電源の脱炭素化によるGX推進への貢献」「自主的な安全向上や防災対策への貢献」などを挙げた<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn1">[1]</a><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn2">[2]</a>。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">要件といえば相応の努力がいると思うのだが、これらはどうだろうか。「安定供給」に関しては、後に委員から「原子力発電をするだけで、この基準を満たしてしまわないか」との意見が出た。「脱炭素化」を言うなら石炭火力の廃止こそ急ぐべきだと筆者は主張したい。一方、福島の事故後、「防災」に努めない原発があるというなら教えてほしい。</p>



<p>　延長期間の在り方については、３つの案が議論された。〈１〉現行の原子炉等規制法にある「最大６０年（４０年+２０年）」の規定を維持する案、〈２〉特段の上限を設けない規定撤廃案、〈３〉「４０年+２０年」の上限を設けつつ、「追加的な延長（α）を認定する」案、の３つだ<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn3"><sup>[3]</sup></a>。エネ庁が提示したイメージ図を下に貼り付ける。そして〈３〉案のαについては、審査の遅れなどの停止期間を想定、運転期間から除外する（その分、延長に上乗せできる）ことが検討された。</p>



<figure class="wp-block-image alignfull"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori7.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori7.png" alt="" class="wp-image-1368"/></a></figure>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">この日、どの案を委員が支持したか、議事録をもとに筆者が分類してみると、２０人の委員（委員長を除く・専門委員を含む）のうち１０人前後が、上限を設けない〈２〉案を支持していた。これが最多だった。ところが、次の１１月２８日の会合で事務方のエネ庁は〈３〉案を推した<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn4">[4]</a>。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">落し所は最初から、〈３〉案だったのかもしれない。〈２〉案でも、〈３〉案でも、「４０年＋２０年」を超える運転が可能になる。朝日新聞は上限を残した理由について「制限がないと電力会社が既存の原発を延長して使い続け、新たに建設する投資をしなくなる」という経産省幹部の言葉を伝えている<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn5">[5]</a>。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">政治的な配慮も必要だったのだろう。会合で使われた資料には、中国電力の島根原発が立地する島根県の丸山達也知事の１１月9日の定例会見での「延長は普通に考えれば安全性が落ちる可能性がある……」といった言葉が引用されていた。福井県議会の「さらなる運転期間延長の議論については安全確保を最優先に科学的・技術的観点から慎重に行う」ことなどを求めた１０月４日付の意見書の一部も引用された<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn6">[6]</a><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn7">[7]</a>。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">こうして、「立地地域からは不安の声も寄せられてございます」といったエネ庁の説明を受けて、〈２〉案支持だった委員の多くが〈３〉案に理解を示した。簡単に意見を変えるものだと筆者は驚いたが、こんな形で〈３〉案での事実上の決着となった。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">ちなみに月刊誌「エネルギーフォーラム」の２０２２年１２月号の記事は、「上限を維持し停止期間を除外」する案での決着が濃厚として、その背景には公明党の存在がある、とも伝えた。記事は「創価学会婦人部を支持基盤に持ち、防衛費増額や憲法改正にも慎重な公明党は上限存続を主張。自民党が折れた格好だ」としている<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn8">[8]</a>。</p>



<p>そうした政治的調整も終えたのか、エネ庁は１２月８日の小委員会で、「４０年＋２０年」に一定の停止期間分を上乗せできる仕組みの整備などを盛り込んだ「行動指針」について、一部の異議の声を抑え込んで了承を得る。首相指示からわずか３か月半で、経産省・エネ庁は福島の事故以来の政策転換に目途をつけた。そして翌２０２３年５月、原発の運転期間の延長を含む「GX脱炭素電源法」が参院本会議で可決、成立した<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn9">[9]</a>。</p>



<h2 class="wp-block-heading">（８）停止期間「１０年超」がほとんど</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">この法案の審議が大詰めを迎えていた２０２３年４月２６日の衆議院経済産業委員会。日本共産党の笠井亮議員の求めに対して経産省が提出した「原子炉の停止期間」一覧表が配られた。笠井氏（２０２４年１０月に議員退任）、また、その表と関係記事を載せた「しんぶん赤旗」の了解を得て、その表を貼り付ける<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn10">[10]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image alignfull u-mb-ctrl u-mb-10"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori8.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori8.png" alt="" class="wp-image-1386"/></a></figure>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">表のデータは２０２３年３月２０日時点で、対象は廃炉作業中の原子炉を除く３３基。すでに再稼働している原子炉１０基は、「再稼働済」として区別できるようになっている。そして、「行政指導による停止期間」、「新規制基準対応のみによる停止期間」、「裁判の仮処分による停止期間」のそれぞれの年月とその合計を載せていた。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">新ルールを定めた新しい電気事業法だと、「４０年を超えて運転しようとする時」に「２０年+一定の停止期間」の延長の認可申請ができる。そう考えて、一覧表の停止期間の合計の数字を見ると衝撃を受ける。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">再稼働していない原子炉（以下、「未再稼働原子炉」）２３基のうち、停止期間の合計が１０年以上になるのは１９基もある。この多くが「２０年+１０年以上」の延長の認可申請をするのではないか。日本の原発は「４０年+２０年+１０年以上」の「７０年超運転時代」に入ると言っていいだろう<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn11">[11]</a><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn12">[12]</a>。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">怖くないか。原発の運転期間を２０年から３０年に延ばすという話ではなく、「最大６０年」とされていた原発の運転を、「７０年超」に延ばすのだ。筆者が調べる限り、経産省はこの時、初めて原子炉ごとの停止期間を公表したのではないか。なぜ、もっと早く公にしなかったのか。国民に不安の声が広がらないように隠していた、としか筆者には思えない。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">そもそも、経産省の資料の言葉を使って言うと、停止期間の「α」を「４０年+２０年」に上乗せできる理屈がどこにあるのか。筆者は今も理解できない。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">　新ルールは、「４０年+２０年」にその炉が止まっていた期間αを足すので総運転期間は６０年を超えない。しかし、運転開始日から停止期間αを含めた運転終了までの月日は、「４０年+２０年＋停止期間α」となる。思い返すと規制委の「見解」の赤字部分は、停止期間中の劣化を懸念していた。危なくないのか。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">こうした疑問は筆者一人のものではない。国会会議録検索システムで調べると、例えば立憲民主党の辻元清美議員は参議院予算委員会（２０２３年３月１日）で政府に同じような質問をしている。「止めていても劣化するんですよ。ですからね、４０年、そして２０年、止まっていたからその分プラスおまけみたいに動かせますよという、これ非科学的ですよ、そんな基準を決めるのは。総理、違いますか」<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn13">[13]</a>。</p>



<p>筆者は担当の資源エネルギー庁原子力政策課に対し、改めてこの疑問を質問としてメールで送った。すると、同課は新ルールの制定を進めた当時の西村康稔経産相の国会答弁（２０２３年３月２９日、衆議院・経済産業委員会）を、筆者への回答としてメールで寄せた。その答弁の全体は文末脚注に貼り付けるが、要は、停止期間分を上乗せしても、原子力規制委員会の厳しい審査があり、規制委から「駄目だと言われれば運転できない」ので問題ない、という趣旨だった<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn14">[14]</a>。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（９）「世界でも聞いたことがない変な案」</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">経産省・エネ庁が打ち出した「４０年+２０年+停止期間α」の新ルールには、固有の「危うさ」があるとも筆者は考えている。正しそうな前提・推論だが、受け入れがたい結論が導かれる、いわゆる「パラドックス」になっていないか、と思うのだ。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">これを理解するために、経産省が示した２０２３年３月時点の原子炉の停止期間の合計に、筆者として運転開始日と同時点での運転期間、そして炉型を書き足した一覧表を下に貼り付ける。「再稼働済」の原子炉は、より識別しやすいようにセルの横軸全部をオレンジ色にしてみた。</p>



<figure class="wp-block-image alignfull u-mb-ctrl u-mb-10"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori9.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori9.png" alt="" class="wp-image-1390"/></a></figure>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">一目見て、オレンジ色の「再稼働済原子炉」の停止期間の合計が、白抜きの「未再稼働原子炉」のそれに比べ、相対的に短いことが分かる。当然だ。再稼働すれば、その時に停止期間がストップする。だから、「再稼働済原子炉」の停止期間の合計は、「未再稼働原子炉」のそれに比べて自ずと短くなる。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">しかも、両者の差は、時間の経過とともに大きくなる。新規制基準への対応などのために再稼働が遅れると、その分、停止期間αは基本的に増えていくからだ。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">そこで疑問が浮かぶ。「４０年+２０年+停止期間α」の仕組みだと、αが長いほうが、それだけ運転終了までの月日も長くなる。その月日を人の「寿命」としてみると、規制委の審査に早々と合格してαの短い原子炉の「寿命」が、なかなか合格できなくてαの長い原子炉の「寿命」より、短くなってしまう。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">おかしくないか。調べてみると、エネルギー関連のシンクタンク「日本エネルギー経済研究所」の著名な研究員である村上朋子氏らが２０２３年早々に、運転期間からの除外（カウントストップ）を問題視していた。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">経済誌「エコノミスト」への氏の寄稿から抜き書きするが、「再稼働の日程が後ろ倒しになればなるほど、この定義による未稼働プラントのカウントストップ期間は長くなる。再稼働プラントのカウントストップ期間はこれ以上増えることはないため、両者の差は広がる一方だ」と指摘していた<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn15">[15]</a>。</p>



<p>これも調べていて知ったのだが、前原子力規制委員長の更田豊志氏が２０２３年３月、共同通信のインタビューで新ルールについてこう語っている。「審査期間は事業者の思惑でいかようにもなり、長く審査中にしておけば、ずっと後でも運転できる。世界でも聞いたことがない変な案だ」<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn16">[16]</a>。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（１０）再稼働済原発が「若く」して引退</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">具体的に考えてみたい。あくまで一例だが、「再稼働済」の九州電力の川内原発２号機と、「未再稼働」の北海道電力の泊原発１号機とを比べたら、どうなるだろう。経産省作成の停止期間一覧表を頼りに、「４０年＋２０年＋停止期間α」の新ルールを機械的に当てはめてみる。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">まず、川内原発２号機（運転開始は１９８５年１１月）の２０２３年３月時点での停止期間４年８ヶ月は、すでに再稼働しているので変わらない。運転開始から４０年を迎える今年１１月を前に、「＋２０年+４年８ヶ月」の延長認可を申請するとしよう。人の一生で考えると４０歳を前に、あと２５年近く働く、つまり６５歳すこし前で退職するライフプランを会社に申告するようなイメージだろうか。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">一方、泊原発１号機（運転開始は１９８９年６月）の２０２３年３月時点での停止期間は１１年１０ヶ月だ。運転開始から４０年となる２０２９年６月の時点で、規制委の審査が長引いてまだ「未再稼働」だとすると、停止期間は約１８年になる<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn17">[17]</a>。つまり、４０年を前に、「＋２０年+１８年」の約３８年の延長の認可申請をすることが可能ではないか。４０歳を前に、あと３８年、つまり７８歳まで働くと申告するイメージだろうか。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">両者の運転開始は３年半しか違わないが、運転開始から停止期間を含む運転終了までの月日が、新ルールのために約１３年違うことになる。なぜ、先に再稼働した原子炉が「若く」して引退しないといけないのか<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn18">[18]</a>。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">この点も、エネ庁原子力政策課に質問を送った。同課からのメールでの返答には、西村経産相（当時）のもう一つ別の国会答弁も記されていた（２０２３年５月１６日、参議院・経済産業委員会）。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">趣旨はこうだ。「４０年+２０年+停止期間α」の新ルールは、「立地地域からの不安の声や福島第一原発の事故の教訓、反省も踏まえ、様々な御意見を総合的に勘案をし、自己抑制的な政策判断」をしたものだとする。これも筆者に寄せた答弁全体は文末脚注に記しておく<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn20">[19]</a>。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">表を見ていて、もう一つ気付いた。２０２３年３月時点で再稼働しているオレンジ色の原子炉はいずれも加圧水型だ（筆者注：その後、沸騰水型でも東北電力女川原発２号機と中国電力島根原発２号機が再稼働した）。これまで規制委の審査が、東日本に多い沸騰水型炉より、西日本に多い加圧水型炉のほうが先行した。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">朝日新聞の記事によると、加圧水型炉の方が「原子炉格納容器のサイズが大きく、安全対策が取りやすかったため、審査が先行した」という<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_edn21">[20]</a>。このため、加圧水型炉の停止期間は、沸騰水型炉よりも相対的に短く、その結果、運転開始時から停止期間を含めた運転終了までの月日は、加圧水型が沸騰水型炉より総じて短くなるはずだ。なぜ、加圧水型炉は沸騰水型より「短命」になるのか。これは科学的だろうか。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">それにしても、万が一、この上乗せされるαの期間内に事故が起きたら、誰が責任を取るのだろう？</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">筆者は、あれだけの原発事故を起こしてしまった日本だから、世界的にみて特異なルールにより老朽化した原発を無理して長く使うのではなく、順次、運転終了・廃炉にし、再生可能エネルギーを主体にした電力供給体制に変えていくべきだと考える。</p>



<p>狭いニッポン。ひやひやしながら、原発「７０年超運転時代」を過ごしたくない。</p>



<div class="wp-block-group is-style-stitch"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<h4 class="wp-block-heading">脚注</h4>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref1">[1]</a> <a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/033_05_00.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/033_05_00.pdf</a>　のP25。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref2">[2]</a> 資源エネルギー庁は２０２５年３月、原子力小委員会で、新ルールに基づく「２０年+α」の延長のための要件に関して、電力会社が起こした問題で原発が止まった期間は運転延長を認めない方針を示した。具体的な事例として、東京電力の柏崎刈羽原発がテロ対策の不備で２年８カ月にわたり規制委から事実上の運転禁止命令が出されたケースや、日本原子力発電敦賀原発２号機がデータの書き換えなどで規制委の審査が計約１年半中断したケースなども、今回のルールから外すとした。<a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/044_03_00.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/044_03_00.pdf</a></p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref3">[3]</a> ２０１１年３月の東京電力福島第一原発の事故後、原発の運転期間は原則４０年とし、最長２０年となる延長に関しては「極めて例外的なケースに限られる」（当時の野田佳彦首相）と説明された。しかし、その後、延長を申請した関西電力の高浜原発１～４号機、美浜原発３号機、日本原子力発電東海第二原発、九州電力の川内原発１、２号機の４原発８基が、いずれも「２０年」の延長が認められ、「原則４０年」は実質的に形骸化していた。<br><a href="https://digital.asahi.com/articles/DA3S16084106.html?iref=pc_ss_date_article" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/DA3S16084106.html?iref=pc_ss_date_article</a></p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref4">[4]</a>&nbsp; この〈３〉案に沿って、「２０年＋α」の新ルールを定めた改定電気事業法の条文は除外期間について、「延長しようとする運転期間が二十年を超える場合にあつては、その二十年を超える期間が次に掲げる期間を合算した期間以下であること」として、停止期間にカウントできる事例を並べている。思うに、「２０年+α」ではなく、例えば「１５年+α」といった延長の認可申請はできるのだろうか。筆者として、この点を質すメールをエネ庁原子力政策課に送ったが、この返答はもらえていない。<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170/20250606_505AC0000000044" target="_blank" rel="noopener" title="">https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170/20250606_505AC0000000044</a>　の第二十七条の二十九の二。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref5">[5]</a><a href="https://digital.asahi.com/articles/ASR2B6S6HR29ULFA02L.html">https://digital.asahi.com/articles/ASR2B6S6HR29ULFA02L.html</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref6">[6]</a> <a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/034_03_00.pdf">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/034_03_00.pdf</a> 　のP52～53。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref7">[7]</a> 新ルールの方向性が固まった後のことになるが、島根県の丸山達也知事、そして福井県の杉本達治知事はそれぞれの県議会において、２０２３年４月の知事選で再選を目指して立候補すると表明した。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref8">[8]</a> 公明党のホームページには２０２２年１２月１４日付で、当時の党総合エネルギー対策本部長の赤羽一嘉氏のインタビュー記事があり、そこで氏は「運転期間は従来通り『原則４０年、延長２０年』の制限は維持。ただ、２０１１年の東日本大震災以降、安全審査などで稼働を停止していた期間については、原子炉は劣化しないことから、その期間分に限り、延長はやむを得ないと党として判断しました」と語っている。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref9">[9]</a> 束ね法「ＧＸ脱炭素電源法」が成立した際の朝日新聞の岩沢志気記者の記事が、同法の要点を簡潔にまとめているので引用する。「成立した束ね法は、原子炉等規制法や電気事業法、原子力基本法など５本を一括して改正するものだ。このうち運転期間の規定は、規制委の審査や裁判所の命令、行政指導などで停止した期間を運転期間から除くことで延ばす。これで運転開始から６０年超の運転ができるようになる。安全性の確認は規制委が担う。停止期間は除外せずに運転開始から３０年を起点とし、１０年を超えない期間ごとに設備の劣化具合を審査する。また、『原子力の憲法』とも称される原子力基本法も改正した。原発の活用に必要な措置をとることを「国の責務」と位置づけた」 <a href="https://digital.asahi.com/articles/DA3S15650831.html?iref=pc_ss_date_article" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/DA3S15650831.html?iref=pc_ss_date_article</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref10">[10]</a> <a href="https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-04-27/2023042713_01_0.html">https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-04-27/2023042713_01_0.html</a>　なお、筆者も今回の取材で、経産省に対して、この一覧表の開示請求を出し、原本を入手した。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref11">[11]</a> エネ庁資料だと２０２５年３月２４日時点で、東北電力女川原発２号機、関西電力高浜原発１・２号機、中国電力島根原発２号機の４基も再稼働しており、「再稼働済」は１４基になっている。<br><a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/044_01_00.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/044_01_00.pdf</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref12">[12]</a> この記事を書いているのは２０２５年４月で、表の作成時から２年が経っているため、現時点で停止期間が１４年を超す原子炉も出てきている。日本原子力産業協会の資料でも停止期間が「１４年超」になっている原子炉を確認できる。<a href="https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2025/04/jp-npps-operation20250414.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2025/04/jp-npps-operation20250414.pdf</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref13">[13]</a> <a href="https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121115261X00220230301&amp;current=1" target="_blank" rel="noopener" title="">https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121115261X00220230301&amp;current=1</a>　 の「147」</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref14">[14]</a> エネ庁原子力政策課から返答として送られてきた西村康稔経産相（当時）の国会答弁。「私ども、四十年が基本であり、二十年の延長があるというこれまでの基本的な枠組みは維持をしております。それに加えて、新基準に対応するための期間であるとか、その期間、止まっていた期間については申請ができるということですから、何も百年も千年もできるという仕組みにはなっておりません。四十年、二十年の枠組みを維持した上での法案でありますので、これは御理解いただいていると思いますけれども。その上で、これは、我々、利用者側、事業者であり、振興する立場の経産省がこういう整理をした上で、炉規法においては規制委員会が三十年で、そして十年ごとに厳しい審査をされるということでありますし、御指摘のように、規制委員会の令和二年の七月の見解にもありますけれども、当然、止まっている期間においても劣化はあり得るということでありますから、その期間、そのことについても厳しく審査を受けますから、これで規制委員会が駄目だと言われれば、もうこれは運転できないということでありますので、そのことを是非、御理解いただければというふうに思います。（筆者注：下線は筆者が引いた）<br><a href="https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121104080X00720230329&amp;spkNum" target="_blank" rel="noopener" title="">https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121104080X00720230329&amp;spkNum</a> 　の「094」</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref15">[15]</a> <a href="https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230124/se1/00m/020/060000c" target="_blank" rel="noopener" title="">https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230124/se1/00m/020/060000c</a>　ならびに　<a href="https://eneken.ieej.or.jp/data/10981.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://eneken.ieej.or.jp/data/10981.pdf</a>　のP69～。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10"><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref16">[16]</a> <a href="https://www.shikoku-np.co.jp/national/science_environmental/print.aspx?id=20230320000346" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.shikoku-np.co.jp/national/science_environmental/print.aspx?id=20230320000346</a>　２０２３年２月、当時、原子力規制委員で、制度の改定に反対した石渡明氏も、その理由について「『……運転を停止した期間』は６０年にプラスするという案のようなのですが、我々審査に関わっている人間としては、原子力安全のために審査を厳格に行って、長引けば長引くほど運転期間がどんどんその分だけ延びていくと。私はこれは非常に問題だと考えます」と会合で語っている。<a href="https://www.nra.go.jp/data/000421196.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.nra.go.jp/data/000421196.pdf</a> &nbsp;</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref17">[17]</a>　北海道電力の斎藤晋社長は２０２５年３月の記者会見で、２０１１年から運転停止が続く泊原発１、２号機について「３０年代前半には再稼働させたい」と語っている。<a href="https://digital.asahi.com/articles/AST3V2TY9T3VULFA01VM.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/AST3V2TY9T3VULFA01VM.html</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref18">[18]</a> 今回の取材で知ったが、辻元清美議員はこの点でも筆者と同じ疑問を持っていたようで、２０２３年３月１７日の参議院環境委員会で次の質問をしている。「じゃ、同じ年限に建てられた原発で、二年止まっている、ここに適用、行政処分まで入っているわけですけど、行政処分というのは問題があったから止められているのに、問題があって止められている、長く止められれば止められるほど今度長く運転できるとなっているわけですよ。例えば、同じ年限に建てられた原発Ａは二年止まっていましたと、ここに当てはまる要件でですよ。じゃ、六十二年です。Ｂは五年止まっていましたと。じゃ、これは同じときに建てられたけど、六十五年ですと。十年止まっていました。例えば泊なんか十年止まっているんですよ。そうすると、ここ、同じ年限に建てられたけれども、十年プラスされるから、これに適用されていれば七十年動かせると、同じ年限で建てた原発でも。こういうふうなことは駄目ですよってこの見解（筆者注：この記事で書いている規制委の「見解」）に書いてあると思いますけどね」。<a href="https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121114006X00320230317&amp;current=1" target="_blank" rel="noopener" title="">https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121114006X00320230317&amp;current=1</a> &nbsp;の「063」</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref20">[19]</a> 脚注の１４と同じく、エネ庁原子力政策課から筆者に回答として送られてきた西村康稔経産相（当時）の国会答弁は次のとおり。「お答え申し上げます。現行の運転期間の定めは原子炉等規制法に規定をされているわけでありますが、令和二年七月に同法を所管する原子力規制委員会から見解が出されまして、その中で、原発の利用をどのくらいの期間認めるかどうかは原子力の利用政策の判断という見解が示されたわけであります。その後、二〇二一年秋からのコロナ禍からの需要の回復などを踏まえてＬＮＧの価格などが高騰してきた、また、昨年二月以降のロシアのウクライナ侵略、こういったことによってエネルギー情勢は一変をしております。こうした情勢を踏まえまして、昨年七月から、ＧＸ実行会議において、将来のエネルギーの安定供給確保と脱炭素社会の実現と、これに向けた議論を開始をいたしまして、既設の原子力発電所の運転期間の在り方についても選択肢の一つとして検討を行うこととしたわけでございます。そうした中で様々議論がございました。諸外国、アメリカ、イギリス、フランス、オランダといった主要国では運転期間の上限を定めた例は確認されておりません。延長の審査の時期についても四十年、二十年、十年など、各国の状況に応じて、言わば一つの審査のタイミングとして規定されているというふうに理解をしているところであります。そうした中で、資源エネルギー庁の審議会において有識者の御意見、様々伺ったところでありますが、この諸外国の例に倣って上限は設けるべきではないという御意見もございましたけれども、一方で、<span class="swl-marker mark_blue">立地地域からの不安の声、また福島第一原発の事故の教訓、反省、こうしたことも踏まえ、様々な御意見を総合的に勘案をしまして、最終的に利用の立場から、言わば自己抑制的な政策判断で行ったわけ</span>でありまして、具体的には、実質的な運転期間の六十年という上限は維持をする、基本的な枠組みは維持をすると。ただし、震災以降の規制基準の変更、法制度の変更など、事業者から見て他律的な要素によって停止した期間については六十年の運転期間のカウントから除外することを認めるという政策判断を行ったものであります。動いている、原発が動いている期間は最長六十年ということは変わらないということであります。止まっていた期間について、他律的な要因であればそれについてカウントから除外するということでありますので、実際原発が動いている期間は六十年ということで変わりはございません。ということで、こうした判断をさせていただいた上で、今般、炉規法と電気事業法の条文上の再整理など行わせていただきまして、法律上でも利用と規制の俊別を明確にしたところでございます。」（筆者注：下線は筆者が引いた）<a href="https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121114080X00920230516&amp;spkNum=137&amp;current=3" target="_blank" rel="noopener" title="">https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121114080X00920230516&amp;spkNum=137&amp;current=3</a> 　の「137」</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1375#_ednref21">[20]</a> <a href="https://digital.asahi.com/articles/ASSBX3D17SBXULBH00BM.html?iref=pc_ss_date_article" target="_blank" rel="noopener" title="">https://digital.asahi.com/articles/ASSBX3D17SBXULBH00BM.html?iref=pc_ss_date_article</a></p>
</div></div>



<div class="wp-block-group has-border -border02"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<figure class="wp-block-image u-mb-ctrl u-mb-0"><img decoding="async" src="https://secure.gravatar.com/avatar/5c2ac93b83a14d807b6d945559277a11e312a75803c1f7ef3d07ed8349a468f8?s=96&amp;d=mm&amp;r=g" alt="小森 敦司"/></figure>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">Author：小森 敦司 </h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">１９６４年生まれ。上智大学法学部卒。１９８７年に朝日新聞社に入社、経済部やロンドン特派員、エネルギー・環境担当の編集委員などを経て２０２１年に退社、フリージャーナリストに。著書に「日本はなぜ脱原発できないのか」「『脱原発』への攻防」（いずれも平凡社新書）、「原発時代の終焉」（緑風出版）など。２０２４年、行政書士事務所を開業。</p>



<div class="swell-block-button is-style-btn_normal"><a href="https://blog.ccnejapan.com/?author=28" target="_blank" rel="noopener noreferrer" class="swell-block-button__link"><span>小森 敦司　投稿一覧</span></a></div>
</div></div>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10"></p>



<p id="author-link"></p><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/18966/">【寄稿】原発「７０年超運転時代」へ突入　経産省・大手電力の狙いどおりに期間延長　世界に例のない仕組みに（下）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
		<post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">18966</post-id>	</item>
		<item>
		<title>【寄稿】原発「７０年超運転時代」へ突入　 経産省・大手電力の狙いどおりに期間延長　 世界に例のない仕組みに（上）</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/18972/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 18 Apr 2025 10:14:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[エネルギー政策]]></category>
		<category><![CDATA[原子力技術・規制部会]]></category>
		<category><![CDATA[原子力発電所]]></category>
		<category><![CDATA[原発再稼働]]></category>
		<category><![CDATA[廃炉]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.ccnejapan.com/?p=18972</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/06/202504komori3.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>前回に続き、ジャーナリストの小森敦司氏から、ご寄稿いただきました。 2023年5月に国会で成立した「GX脱炭素電源法」によって、福島原発事故後「原則40年、１回に限り20年の延長可能」と規定されていた原発の運転期間から、 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/18972/">【寄稿】原発「７０年超運転時代」へ突入　 経産省・大手電力の狙いどおりに期間延長　 世界に例のない仕組みに（上）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2025/06/202504komori3.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><div class="wp-block-group is-style-dent_box"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1132" target="_blank" rel="noopener" title="">前回</a>に続き、ジャーナリストの小森敦司氏から、ご寄稿いただきました。</p>



<p>2023年5月に国会で成立した「GX脱炭素電源法」によって、福島原発事故後「原則40年、１回に限り20年の延長可能」と規定されていた原発の運転期間から、さらなる大幅な延長が可能となり、超老朽化原発の稼動が懸念されています。2025年6月についに施行されますが、この制度がどのようにして盛り込まれたのか、「上」・「<a href="https://www.ccnejapan.com/column/18966/the-government-to-extend-the-operational-lifespan-of-nuclear-power-plants-beyond-70-years-second-of-two-parts/" target="_blank" rel="noopener" title="">下</a>」の二回にわたり掲載します。ぜひご一読ください。</p>



<p>原子力市民委員会事務局</p>
</div></div>



<h1 class="wp-block-heading"><strong>原発「７０年超運転時代」へ突入　経産省・大手電力の狙いどおりに期間延長　世界に例のない仕組みに（上）</strong></h1>



<p><strong>ジャーナリスト・<a href="#author-link" title="">小森敦司</a></strong></p>



<div class="wp-block-group is-style-big_kakko_box"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<p>原発の「７０年超運転時代」に日本は入る。２０１１年の東京電力福島第一原発事故の後、原発の運転期間は原則４０年とされ、原子力規制委員会が認めれば最長２０年間延長できると定められた（原則４０年ルール）が、今年６月、規制委の審査で止まっていた期間などを「上乗せ」して運転できるようにする新しいルールを始めるからだ。停止期間が１０年を超す原発も多く、私たちは原発の「７０年超運転時代」を覚悟しないといけない。この改定の経緯を調べると、原発の運転期間をもっと長くしたい経済産業省・資源エネルギー庁や大手電力が、周到にコトを進めていたことがわかる。関係者への取材によって得た事実を整理し、この改定が適正だったのか、上下２回にわたり検証したい。同時に、新ルールには、独特の「危うさ」があるということの問題提起もしたい。</p>



<p>（注）登場者の肩書は当時。出典は文末脚注に記した。</p>
</div></div>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（１）隠されていた「仕掛け」？</h2>



<p>とんでもない「仕掛け」が、そのA４の２枚の紙には隠されていた。</p>



<p>２０２０年７月２９日に規制委がとりまとめた。堅苦しいタイトルだ。「運転期間延長認可の審査と長期停止期間中の発電用原子炉施設の経年劣化との関係に関する見解」（以下、「見解」）<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn1">[1]</a>。当初はまったく話題にならなかったが、２年後の２０２２年後半から、経産省など原発推進側は、この「見解」を使って、福島の事故後の日本の原子力政策の柱だった原則４０年ルールを骨抜きにしていく。</p>



<p>起点は２０１７年１月にさかのぼる。東電の原発事故後、各地の原発は定期検査で次々と止まり、新規制基準への対応などで停止期間が長くなっていた。こうした中、大手電力は規制委との間で、技術的な意見交換会の開催にこぎつけた。</p>



<p>その初回。大手電力を代表して関西電力の豊松秀己副社長（当時）が、停止期間中も設備は劣化しないとする理由を書き連ねた資料（下に貼り付ける）を見せながら、原則４０年ルールについて緩和を求めた。「プラントが停止しているとき……劣化が進展しないわけでありますので、この期間を除いてあと２０年ということになれば、利用できる期間が延びます……こういう方向で検討が賜れないかと」<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn2">[2]</a>。この要望が８年余を経た今年６月、ついにかなう。</p>



<figure class="wp-block-image alignfull"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori1.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori1.png" alt="" class="wp-image-1284"/></a></figure>



<figure class="wp-block-image alignfull"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori2.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori2.png" alt="" class="wp-image-1286"/></a></figure>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（２）業界要望をはねつけた？</h2>



<p>そうした大手電力をはじめとする原子力産業界との意見交換の積み重ねを経て出されたのが、規制委の２０２０年７月の「見解」だった。難解な文章だ。新聞記者として３０年余り記事を書いてきた者として言えば、わざと複雑にしているようにみえる。その抜粋を以下に記すが、筆者の責任で内容に応じて青字と赤字とに色分けする。その理由は後に記す。</p>



<div class="wp-block-group is-style-bg_stripe"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<p><em><span style="color:#336599" class="swl-inline-color">「３．この制度における原子力規制委員会の役割は、原子炉等の設備について、運転開始から一定期間経過した時点で、延長する期間において原子炉等の劣化を考慮した上で技術基準規則に定める基準に適合するか否かを、科学的・技術的観点から評価することである。運転期間を４０年とする定めは、このような原子力規制委員会の立場から見ると、かかる評価を行うタイミング（運転開始から一定期間経過した時点）を特定するという意味を持つものである」<br>「４．……熱によるコンクリート遮蔽能力の低下といった事象については、放射線が照射される環境にならないこと、大きな温度、圧力の変動がないこと……から劣化の要因として考慮しなくてもよいと考えられる。　</span>　　</em></p>



<p><em>他方、</em></p>



<p><em><span style="color:#b32222" class="swl-inline-color">……原子炉圧力容器のスタビライザ等の摩耗といった事象については、長期停止期間中もそうでない期間と同様に劣化が進展する……劣化事象の長期停止期間中の進展については、発電用原子炉を構成する各種機器・構造物の劣化の状況が様々であること……から、個別の施設ごとに、機器等の種類に応じて、評価を行う必要がある」</span></em></p>



<p><em><span style="color:#336599" class="swl-inline-color">「５．……原子力規制委員会の立場からは、運転期間とは、その終期が上記３．で述べた評価を行うべき時期となるということにほかならず、</span></em></p>



<p><a><em><span style="color:#b32222" class="swl-inline-color">上記４．を踏まえると、運転期間に長期停止期間を含めるべきか否かについて、科学的・技術的に一意の結論を得ることは困難であり、劣化が進展していないとして除外できる特定の期間を定量的に決めることはできない。</span></em></a></p>



<p><em>他方、</em></p>



<p><em><span style="color:#b32222" class="swl-inline-color">かかる時期をどのように定めようと、発電用原子炉施設の将来的な劣化の進展については、個別の施設ごとに、機器等の種類に応じて、科学的・技術的に評価を行うことができる」</span></em></p>



<p><em><span style="color:#b32222" class="swl-inline-color">「６．このように、現行制度における運転開始から４０年という期間そのものは、上記３．の評価を行う時期として唯一の選択肢というものではなく、発電用原子炉施設の運転期間についての立法政策として定められたものである。そして、原子力発電施設の利用をどのくらいの期間認めることとするかは、原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない」</span></em></p>
</div></div>



<p>　この色分けはあくまで筆者の解釈によるものだが、簡単に言うと、赤字にした部分は「長期運転停止中も劣化が進む物もある。そのため、劣化が進展していないとして除外できる期間を定量的に決めることはできない」と設備・機器の劣化を懸念しているところだ。</p>



<p>　一方、青字にした部分は、「原子炉施設の劣化は個別に評価できる」と劣化を「管理」できるとみつつ、「４０年は規制委にとり評価のタイミングでしかないし、利用期間をどのくらい認めるかは利用の在り方に関する政策判断なので規制委は意見を述べない」などと、規制委の「受け身」の立場を示しているところだ。</p>



<p>　細かいのだが、「４．」「５．」は、「他方」という接続詞を使って反対の趣旨の文章を並べ、読みにくくもしている。<br>　この「見解」をまとめた当時の原子力規制委員長だった更田豊志氏は２０２２年４月、国会で「見解」の持つ意味をこう語る。「ATENA（筆者注：原子力産業界の団体）の要望をはねつける見解となっております。停止期間を４０年から除くべきではないかという主張を再三ATENAから求められたのに対して、運転開始から４０年、時計の針は止めないという旨の見解を述べたものであります」<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn1">[3]</a>。筆者が色分けした赤字の見立てになるのだろうか、「除く」のはダメだと断ったと理解できる。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（３）「４０年ルール」で原発ゼロに</h2>



<p>ところで、「原則４０年ルール」には、二つの側面があった。</p>



<p>一つは、「安全のための期間の規制」ということだ。このルールを原子炉等規制法に定めるときの２０１２年の内閣官房の解説資料は、「経年劣化等によりその安全上のリスクが増大することから、こうしたリスクを低減するという趣旨から本条（筆者注：原則４０年ルールを定めた規定）は、運転することができる期間を制限するものである」と説明している<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn1">[4]</a>。</p>



<p>あの２０１１年の東電福島第一原発事故を振り返ると、１号機は１９７１年３月の営業運転開始からまさに４０年というときに起きた。もしかすると事故は機器の劣化も原因だったのではないか、との声があった。<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn2">[5]</a>。そうしたこともあって、古い原発を廃炉に導く原則４０年ルールは、人々に抵抗感なく受け入れられたはずだ。ところが、「見解」の青字部分は「安全のための期間の規制」という側面を否定しているように読めないだろうか。</p>



<p>このルールのもう一つの側面は、「原子力の利用政策」ということだ。例えば政府のエネルギー基本計画で原発の比率を何％に置くか、というのと実質的に同じような役割を果たす。なぜなら、運転期間を４０年あるいは６０年と定めると、その年で運転を終了し、廃炉にしていくので、原発を新しくつくらない限り、原発は減り、いずれゼロになるからだ。</p>



<p>各地の原発の停止期間が想定以上に延び、大手電力にこのルールが重くのしかかってきた。日本には１９８０～９０年代にかけて建設された原発が多い。例えば２０２１年２月、経産省の審議会「総合資源エネルギー調査会」の原子力小委員会で、事務方のエネ庁は原発の４０年運転と６０年運転する場合の設備容量の見通しを示した（下に貼り付ける）<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn3">[6]</a>が、崖から転げ落ちるような絵図になっている。</p>



<figure class="wp-block-image alignfull"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori3.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori3.png" alt="" class="wp-image-1305"/></a></figure>



<p>原発の新増設がなかなか見込めないなかで、経産省や大手電力は既存の原発を延命させたかった。そのために、６０年超の運転を可能にするための理屈と手立てが欲しかった。そして、この「見解」が使えることに感づいた。もっと言えば筆者の推論でしかないが、そんな仕掛けをひそませることに成功したのではないか。</p>



<p>具体的に筆者の色分けで言うと、運転停止中の劣化を懸念する赤字部分を無視し、劣化は個別に評価でき、利用期間について規制委は意見を述べないとした青字部分だけを使うのだ。事実、２０２２年夏以降、原発推進側は原則４０年ルールの改変を、そうした「見解」の都合のいい切り貼りと解釈でもって、ゴリ押ししていった。<br>　ただ、２０２１年の時点で、もう経産省や大手電力は「見解」を使おうとしていた。痕跡が残っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（４）「ダブルKK」にとどめをさされた</h2>



<p>２０２１年春、第６次エネルギー基本計画（以下、「エネ基」）の策定作業が佳境に入りつつあった。計画を議論する経産省の審議会「総合資源エネルギー調査会」の基本政策分科会。同年３月、関係業界に対するヒアリングで、電気事業連合会の池辺和弘会長（九州電力社長。当時）が、例の「見解」で筆者が色分けした青字部分の一部を切り貼りした資料（当該部分を下に貼り付ける）を示し、こう語った。</p>



<p>「政策的に定められた現行の運転期間制度（筆者注：原則４０年ルールを指す）の下で、安全対策投資に対する回収見通しが厳しくなるおそれが出てきつつあります。原子力規制委員会が示した見解も踏まえ……運転期間制度を含む原子力利用の在り方を、次のエネルギー基本計画に政策的に位置付けていただきたい」</p>



<figure class="wp-block-image alignfull"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori4.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori4.png" alt="" class="wp-image-1310"/></a></figure>



<p>同調査会の原子力小委員会でも２０２１年４月、エネ庁幹部がこう報告した。「事業者団体さんから、停止期間中の設備の劣化は技術的に問題ではないのではないかとして規制委員会さんに運転期間からの除外を提案され、これに対して規制委員会さんからは７月に見解を出されているといった動きがございます」<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn1">[7]</a>。この文脈からして、エネ庁もこの時には、「見解」を原発の延命に使えると気付いていた。</p>



<p>しかし、経産省・エネ庁は、当時の菅義偉内閣をして、原発政策を前に動かすことはできなかった。２０２１年１０月、閣議決定された第６次エネ基は、再生可能エネルギーを「主力電源」と位置づけ、原発については「可能な限り依存度を低減する」とした。原発の長期運転に関しても、「諸課題について、官民それぞれの役割に応じ、検討する」という記述にとどめた<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn2">[8]</a>。</p>



<p>なぜか。エネルギー業界の内実に詳しい月刊「エネルギーフォーラム」の２０２１年８月号は、第６次エネ基に関する記事で、原子力の書きぶりをめぐる「攻防」について、大手電力社員の言葉を伝えた。「柏崎刈羽の不祥事が痛かった。さらに小泉氏＆河野氏コンビの阻止の動きもあり、今回はダブルＫＫにとどめをさされたようなもの」。</p>



<p>「KK」と関係者に呼ばれる東京電力柏崎刈羽原発では、社員のIDカード不正使用、侵入検知設備の故障など核セキュリティー問題が発覚、規制委は２０２１年４月、審査を終えていた７号機の再稼働を事実上禁止する命令を出した。加えて当時の菅内閣には、行政改革相の河野太郎氏、環境相の小泉進次郎氏という再エネ派の「ＫＫ」コンビがいた<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn3">[9]</a><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn4">[10]</a>。</p>



<p>ハードルが高すぎた。経産省は時が経つのを待ったはずだ。後からみれば、絶好の機会がすぐにやってきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（５）原発が「GXの牽引役」に</h2>



<p>２０２１年１０月、岸田文雄内閣が発足。政務担当の首相秘書官には元経済産業事務次官の嶋田隆氏が就いた。実質国有化した東電の取締役を務めた経験があり、事故対応費用の確保のため柏崎刈羽原発の再稼働が必要だと考えている。一方、小泉氏は閣外に去り、河野氏はデジタル相（２０２２年８月～）として「マイナ保険証」の問題対応に追われる。</p>



<p>折しも２０２２年２月、ロシアがウクライナに侵攻、エネルギー価格は急騰し、大手電力は原発の活用が必要だと叫んだ。そして２０２２年７月の参院選における自民党圧勝を経て、当時の岸田内閣は経産省との緊密な連携のもと、あの看板政策を打ち出す。</p>



<p>「GX（グリーン・トランスフォーメーション」だ。</p>



<p>和製英語だ<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn5">[11]</a>。社会の脱炭素化をめざすというのだが、「ＧＸの牽引役」に位置づけられたのが、原発の活用だった。朝日新聞は環境省幹部の嘆く声を伝えた。「GXのGは原発。原発トランスフォーメーション内閣だ」<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn6">[12]</a>。このあと岸田内閣のGX関連の動きを追うが、綿密にスケジュールを組んでいるのがわかる。さすが経産省だ。</p>



<p>まず、２０５０年の脱炭素社会の実現に向けた取り組みを議論する「ＧＸ実行会議」の初会合を２０２２年７月２７日に開催。集められた有識者には大手電力や日本経団連のトップら原発推進派が目立つ。ＧＸ実行推進担当相には、萩生田光一経済産業相が就き（同年8月の内閣改造で西村康稔経済産業相が就任）。２回目の８月２４日の会議で、岸田首相は年末までに政治決断すべき事項として原発の運転期間の延長などを検討するよう早々に指示した。</p>



<p>この首相指示を受ける形で経産省の原子力小委員会が９月２２日、原発の運転延長へ向けた議論をスタート。こちらの委員は原発推進派が圧倒的多数だ。事務方のエネ庁は早速、規制委の「見解」の抜粋資料を提示した。下に貼り付けるが、筆者が色分けした青色部分だけからなる。</p>



<p>要は原発の運転期間をどう定めても（規制委が）劣化を評価できるし、利用期間をどうするかについて規制委は意見を述べない。そういうことで、原則４０年ルールの扱いを経産省・エネ庁に委ねていい、といった「シナリオ」が透けて見えてこないだろうか。</p>



<figure class="wp-block-image alignfull"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori5.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori5.png" alt="" class="wp-image-1318"/></a></figure>



<p>それにしてもと筆者が驚いたところがある。「見解」で筆者が赤字にした部分は劣化にかかわるが、エネ庁がつくったこの資料の「５．」は、元の「見解」にある「劣化が進展していないとして除外できる特定の期間を定量的に決めることはできない。他方、」という大事な所を削って前後をつなげ、将来的な劣化の進展を「評価できる」としてしまっている。これは抜粋ではなく、改竄と言えるのではないか。</p>



<p>９月２６日には、原子力規制委員会の新委員長に山中伸介氏が就任。山中氏は２０１７年６月、同年9月の規制委員就任を前に、原発の運転期間が原則４０年とされていることについて、「世界的に見て、少し短いと個人的に思っている」と報道陣に述べている<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn1">[13]</a>。そして、「見解」を正式に決めた２０２０年７月の規制委の議事録によると、委員の山中氏が「私のコメントについては３．、６．に明確にまとめていただいた」と語っている。「３．」と「６．」は、「見解」の中で、筆者が色分けした青字部分である。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10">（６）規制委が変更の「片棒」？</h2>



<p>山中氏が委員長に就任したばかりの原子力規制委員会は２０２２年１０月５日の会合に、経産省・エネ庁の松山泰浩電力・ガス事業部長を招き、エネ庁側の検討方針などについて説明を受けた。筆者が大事だと思った松山部長の発言を以下、議事録から抜き出す。</p>



<p>「原子力規制委員会の皆様方の下で……令和２年７月に、読み上げるような形になって恐縮でございますけれども、『発電用原子炉施設の利用をどのぐらいの期間認めることとするかは、原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない』といった御見解を頂戴していると承知しているところでございます」</p>



<p>外形的に見ると、原発の推進側が規制側の議論の場に出向き、ずいぶんと丁寧な言葉遣いで、例の「見解」の青字部分だけを述べ、運転期間の取り扱いについて「原発の運転期間について、おたくは何も意見を言いませんよね？」と念押ししていることになる。</p>



<p>松山部長はこう続けた。「資源エネルギー庁としましては、この利用政策、発電原子炉として利用していくわけでございますが、利用政策の観点から……運転期間の在り方を検討するということを考えているわけでございます」。運転期間の「在り方」は利用政策なので、「あとはこっちでやります」と通告したことになる。</p>



<p>山中委員長はこの日の会合の中で、松山部長に対して「現行（筆者注：原子炉等規制法のこと）の運転期間の定めを、利用政策制度（筆者中：電気事業法のこと）の中で見直していくということでよろしいでしょうか」などと自分の方から確認を求め、原則４０年ルールの取り扱いを経産省・エネ庁側に譲り渡してしまっている<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn2">[14]</a>。</p>



<p>直後の記者会見でも山中委員長はエネ庁の説明に対し、「運転期間の定めについては利用政策の判断によるものであって、規制委員会は意見を申すところではないという結論（筆者注：「見解」のこと）を２年前に得ております」などと語っている。</p>



<p>一人の記者が質問の途中で、感想をはさんだ。「４０年ルールの変更について、いやらしい言い方をすれば、片棒を担いで手伝っているようにも映ってしまうのですけれども……」。確かに、できすぎている感じがする。</p>



<p>NPO法人・原子力資料情報室は２０２２年１２月、同年８月に原子力規制庁内でつくられた内部資料を公表した<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn3">[15]</a>。中に、原発の運転期間の規定を規制委が所管する炉規法から経産省が所管する電気事業法に移管し、翌年の通常国会に経産省主導で法案を提出することが明記された資料もあった（下に貼り付ける）。やはり、早い段階でシナリオがつくられていた。後に原子力規制庁もこの資料を公にしている<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn4">[16]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image alignfull"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori6.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2025/04/202504komori6.png" alt="" class="wp-image-1323"/></a></figure>



<p>こうして原則４０年ルールの取り扱いを譲り受けた経産省・エネ庁は待っていましたとばかり、電気事業法のほうで新しいルールづくりを進める<a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_edn1">[17]</a>。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<div class="wp-block-group is-style-stitch"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<h4 class="wp-block-heading">脚注</h4>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref1">[1]</a> <a href="https://www.nra.go.jp/data/000320506.pdf">https://www.nra.go.jp/data/000320506.pdf</a></p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref2">[2]</a> <a href="https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12348280/www.nra.go.jp/data/000181044.pdf">https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12348280/www.nra.go.jp/data/000181044.pdf</a> &nbsp;<a href="https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12348280/www.nra.go.jp/data/000175368.pdf">https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12348280/www.nra.go.jp/data/000175368.pdf</a></p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref1">[3]</a> <a href="https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=120804194X00220220407&amp;current=1">https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=120804194X00220220407&amp;current=1</a>　の「１５９」　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref1">[4]</a> 原子力規制庁の公表資料。<a href="https://www.nra.go.jp/data/000419401.pdf">https://www.nra.go.jp/data/000419401.pdf</a>　のＰ３～４。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref2">[5]</a> 例えば、国際大学の橘川武郎教授は、朝日新聞の取材に対して、「私は古い原発は心配だし、危険だと思う。爆発した福島原発の1号機は、１９７１年３月に稼働を始め、ちょうど４０歳になった誕生月に爆発した。他の原発だったら爆発しなかったかもしれないと考えることがある」と語っている。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASQ5Z4RSQQ5CULFA02Y.html">https://digital.asahi.com/articles/ASQ5Z4RSQQ5CULFA02Y.html</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref3">[6]</a> ２０２１年４月２２日、総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会にエネ庁が提出した資料（<a href="https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/2021/041/041_004.pdf">https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/2021/041/041_004.pdf</a>）のP110。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref1">[7]</a> <a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/023_gijiroku.pdf">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/023_gijiroku.pdf</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref2">[8]</a> <a href="https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_01.pdf">https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_01.pdf</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref3">[9]</a> 朝日新聞や毎日新聞も似た趣旨の記事を出している。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASPBQ0PNPPBPULFA02Y.html">https://digital.asahi.com/articles/ASPBQ0PNPPBPULFA02Y.html</a>　 <a href="https://mainichi.jp/articles/20210819/k00/00m/040/124000c">https://mainichi.jp/articles/20210819/k00/00m/040/124000c</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref4">[10]</a> 週刊文春は、第６次エネ基を閣議決定する前の２０２１年９月９日号で、河野太郎・行政改革相（当時）がエネ基の文言をめぐりエネ庁幹部を叱責する様子を音声データをもとに報じた。この問題については、元経産官僚の古賀茂明氏や元外務官僚の前田雄大氏の論考が参考になる。<a href="https://dot.asahi.com/articles/-/67204">https://dot.asahi.com/articles/-/67204</a>　　<a href="https://energy-shift.com/news/eb9d1c75-430a-4ad9-942e-81d3a9287a2d">https://energy-shift.com/news/eb9d1c75-430a-4ad9-942e-81d3a9287a2d</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref5">[11]</a> 米ブルームバーグ通信の記事が参考になる。<a href="https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-17/RKLE52T1UM0W01">https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-17/RKLE52T1UM0W01</a> 　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref6">[12]</a> <a href="https://digital.asahi.com/articles/ASQC95TL6QC7UTFK00V.html">https://digital.asahi.com/articles/ASQC95TL6QC7UTFK00V.html</a></p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref1">[13]</a> <a href="https://www.sankei.com/article/20170613-BA65ILAXAZP7JH5PHD3JMTZS5I/">https://www.sankei.com/article/20170613-BA65ILAXAZP7JH5PHD3JMTZS5I/</a>　 <a href="https://mainichi.jp/articles/20170614/k00/00m/040/045000c">https://mainichi.jp/articles/20170614/k00/00m/040/045000c</a>　</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref2">[14]</a> ジャーナリスト・まさのあつこ氏の分析が深い。<a href="https://note.com/masanoatsuko/n/nf8f4390f5c48">https://note.com/masanoatsuko/n/nf8f4390f5c48</a> など。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref3">[15]</a> 原子力資料情報室の松久保肇事務局長が会見等で問題の所在を繰り返し訴えていた。<a href="https://cnic.jp/46089">https://cnic.jp/46089</a>　 <a href="https://cnic.jp/46089#a2">https://cnic.jp/46089#a2</a> など。</p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref4">[16]</a> <a href="https://www.da.nra.go.jp/view/NRA015010176?contents=NRA015010176-001-003#pdf=NRA015010176-001-003">https://www.da.nra.go.jp/view/NRA015010176?contents=NRA015010176-001-003#pdf=NRA015010176-001-003</a> <a href="https://www.da.nra.go.jp/view/NRA015010176?contents=NRA015010176-001-001#pdf=NRA015010176-001-001">https://www.da.nra.go.jp/view/NRA015010176?contents=NRA015010176-001-001#pdf=NRA015010176-001-001</a></p>



<p><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1275#_ednref1">[17]</a> なお、３０年を超えて運転する場合、事業者は長期施設管理計画をつくり、１０年ごとに規制委の認可を受ける仕組みがつくられた。この制度の骨子を決める２０２３年２月１３日の規制委は、委員５人のうち石渡明委員（当時）一人が「安全側への改変と言えない」などとして反対したが、多数決で決められた。<a href="https://digital.asahi.com/articles/DA3S15554800.html?iref=pc_ss_date_article">https://digital.asahi.com/articles/DA3S15554800.html?iref=pc_ss_date_article</a>　この時、石渡氏は、「見解」の中の「原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない」といった部分に関して「６回の（筆者注：ATENAとの意見交換会の）議事録を私は全部検索しましたが、こういう議論が行われた形跡はありません。ですから、この文章のこの部分がどういう経緯でここに盛り込まれたのか、私は非常に疑問に思っております」と会合の中で語っている。<a href="https://www.nra.go.jp/data/000421196.pdf">https://www.nra.go.jp/data/000421196.pdf</a></p>
</div></div>



<div class="wp-block-group has-border -border02"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<figure class="wp-block-image u-mb-ctrl u-mb-0"><img decoding="async" src="https://secure.gravatar.com/avatar/5c2ac93b83a14d807b6d945559277a11e312a75803c1f7ef3d07ed8349a468f8?s=96&amp;d=mm&amp;r=g" alt="小森 敦司"/></figure>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-10" id="author-link">Author：小森 敦司 </h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-10">１９６４年生まれ。上智大学法学部卒。１９８７年に朝日新聞社に入社、経済部やロンドン特派員、エネルギー・環境担当の編集委員などを経て２０２１年に退社、フリージャーナリストに。著書に「日本はなぜ脱原発できないのか」「『脱原発』への攻防」（いずれも平凡社新書）、「原発時代の終焉」（緑風出版）など。２０２４年、行政書士事務所を開業。</p>



<div class="swell-block-button is-style-btn_normal"><a href="https://blog.ccnejapan.com/?author=28" target="_blank" rel="noopener noreferrer" class="swell-block-button__link"><span>小森 敦司　投稿一覧</span></a></div>
</div></div><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/18972/">【寄稿】原発「７０年超運転時代」へ突入　 経産省・大手電力の狙いどおりに期間延長　 世界に例のない仕組みに（上）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>【寄稿】核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく／使用済み核燃料の置き場が足りない！（下）</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/16486/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 25 Dec 2024 17:29:47 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2024/12/komori82.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく ／ 使用済み核燃料の置き場が足りない！（下） ジャーナリスト・小森敦司 この記事は（上）（下）での連載です。（上）の記事はこちら。 （５）「一時的」が６０年？ 　「 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/16486/">【寄稿】核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく／使用済み核燃料の置き場が足りない！（下）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2024/12/komori82.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p><strong>核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく ／ 使用済み核燃料の置き場が足りない！（下）</strong></p>



<p class="has-text-align-right"><strong>ジャーナリスト・小森敦司</strong></p>



<p>この記事は（上）（下）での連載です。（上）の記事は<a href="https://www.ccnejapan.com/column/18972/https-www-ccnejapan.com-column-18966-the-government-to-extend-the-operational-lifespan-of-nuclear-power-plants-beyond-70-years-first-of-two-parts/" target="_blank" rel="noopener" title="">こちら</a>。</p>











<p>（５）「一時的」が６０年？</p>



<p>　「一時的」という言葉を人が使う時、普通、どの程度の時間の長さをイメージするだろうか。使う場面によるだろうが、２０～３０分か数日、せいぜい数週間ではないか。ところが、使用済み核燃料の問題を取材すると、「一時的」が「数十年」を意味する場面にしょっちゅう出くわす。</p>



<p>　大手電力の使用済み核燃料の貯蔵対策で近年、目立つのが、乾式貯蔵施設という設備を原発敷地内につくる動きだ。「キャスク」と呼ばれる金属製の容器に収納し、外気を取り込んで自然の対流に任せる。電気を使う湿式の燃料プールより安全性が高いとされる<a href="#_edn1" id="_ednref1">[1]</a>。ただ、この乾式貯蔵施設は、あくまで青森県六ヶ所村の再処理工場に搬出するまでの「一時的」な保管と位置づけられている。</p>



<p>　そもそも、従来の燃料プールでの貯蔵が、「一時的」な保管と説明されてきた<a href="#_edn2" id="_ednref2">[2]</a>。ところが、本リポート（上）にも記したが、肝心の六ヶ所再処理工場が完成しないので、使用済み核燃料を工場に搬出できない。だから、原発敷地内の燃料プールには貯蔵３０年になるものもあるし、多くの原発があと数年で燃料プールが満杯になってしまうという状況だ。それで新たに乾式貯蔵施設をつくらなければ、という構図になっている。</p>



<p>　経産省が２０２４年１月、大手電力首脳を集めて開いた「使用済燃料対策推進協議会」（下に経産省のその時のXへの投稿を貼り付ける）において、電気事業連合会が提出した資料によると、原発を保有する電力大手１０社すべてが、乾式貯蔵施設について、すでに取り組んでいるか、検討を含めて取り組む方針を示している<a href="#_edn3" id="_ednref3">[3]</a>。いまある原発の敷地内なら、地元の理解も得やすいとみているのだろう。</p>







<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori62.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori62.png" alt="" class="wp-image-1130"/></a></figure>



<p>　その一例として、２０２５年7月に乾式貯蔵施設を運用する予定の四国電力の伊方原発（愛媛県）の状況を筆者は調べた。四国電力は伊方原発１号機の運転開始（１９７７年）を前にした１９７６年（つまり約半世紀前）、愛媛県と伊方町との間で安全協定書を締結し、その中で使用済み核燃料の扱いも定めている<a href="#_edn1" id="_ednref1">[4]</a>。その協定の一部を下に貼り付ける（黄色のマーカーは筆者が引いた）。</p>







<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori72.2.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori72.2.png" alt="" class="wp-image-1221"/></a></figure>



<p>　その第３条で、はっきりと「丙（四国電力を指す）は、使用済燃料を、（中略）再処理工場へ搬出しなければならない」と義務付けている。四国電力が乾式貯蔵施設を設置するのは、この第３条に反していないだろうか。愛媛県庁の担当課に尋ねたところ、回答をくれた。抜粋する。</p>



<p>　「崩壊熱を除去した使用済み燃料について、再処理工場へ搬出するまでの間、乾式貯蔵施設に一時的に保管することは安全協定と矛盾するものではないと考えております」</p>



<p>　「本県では、四国電力や国に対し、機会あるごとに乾式貯蔵施設での保管は一時的であることを明確にするよう要請し、四国電力社長や経済産業大臣から、あくまでも再処理工場に搬出するまでの一時保管であるとの明確な回答を得ております」</p>



<p>　しかし、保管が１０年、２０年となると「一時的」とは言えないのではないか、とも、筆者は尋ねてみた。担当課は「搬出するまでの期間は、再処理工場の稼働など、四国電力だけでは対応できない様々な外的要因の影響を受けることから、安全協定においても保管期間を規定しておらず、乾式貯蔵施設も同様としております」というのだった。</p>



<p>　回答の最後にこんな言葉が添えられていた。「乾式キャスクの耐用年数については、四国電力から、６０年との説明を受けております」。再処理工場の操業がうまく行かず、「６０年」とまで言わなくても、ずるずると長期化する恐れはないだろうか。</p>



<p>　実際、そうした懸念からだろう、乾式貯蔵施設は地域的にはあまり歓迎されてないようだ。例えば朝日新聞の２０２４年9月１１日付の報道によると、原発３０キロ圏にある自治体の首長にアンケートを行ったところ、宮城県では東北電力が計画する女川原発（宮城県）の乾式貯蔵施設に反対や懸念の声が上がったという。東北電力は保管期間を一時的とするが、「受け入れることができない」（美里町）、「保管の長期化も懸念される」（女川町）などの意見があった、というのだ<a href="#_edn1" id="_ednref1">[5]</a><a href="#_edn2" id="_ednref2">[6]</a>。</p>







<p>（６）使用済みMOX燃料の行き先は？</p>



<p>　原発で使った燃料を再処理してつくったMOX燃料を原子炉で使うと、今度は「使用済みMOX燃料」が出る。これを再利用するには、また、再処理をしなければならない。それができてこそ「核燃料サイクル」だが、それが難問だ。結論から言えば、この「使用済みMOX燃料」の再処理という政策は近年、ほとんど進んでいない<a href="#_edn1" id="_ednref1">[7]</a>。</p>



<p>　商業用のプルサーマル発電として国内の原発で初めてMOX燃料を原子炉で使ったのは、九州電力の玄海原発３号機（佐賀県）で２００９年１２月のことだった。そして今日。経産省の資料によると、プルサーマル発電を実施した九州電力・玄海原発３号機（佐賀県）に加え、関西電力・高浜原発３、４号機（福井県）、四国電力・伊方原発３号機（愛媛県）の燃料プールに、「使用済みMOX燃料」も置かれている<a href="#_edn2" id="_ednref2">[8]</a>。</p>



<p>　一番手の九州電力に、その「使用済みMOX燃料」をどうするのかを聞いた。が、広報担当者の返答は、「当面の間、発電所で貯蔵、管理し、国の定める方針に沿って処理することを検討していく」というのだった。筆者として厳しめに言えば、今はまだ行く先のアテがないということだ。</p>



<p>　今から２０年近く前の２００５年のこと。その玄海原発３号機のプルサーマル発電計画について、市民団体が危険性などを訴える「意見広告」を地元紙に出した。これに対する九州電力の「当社見解」が同社ホームページに残る。そこに筆者への回答と同じフレーズを見つけた<a href="#_edn3" id="_ednref3">[9]</a>。</p>



<p>　「使用済MOX燃料については、当面の間、発電所で貯蔵、管理し、国の定める方針に沿って処理することを検討していきます」。その部分のスクリーンショットを以下に貼り付けておく（黄色いマーカーは筆者が引いた）。つまり、この間、進展はなかったのだ。</p>







<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori82.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori82.png" alt="" class="wp-image-1207"/></a></figure>



<p>　MOX燃料を全炉心で使う大間原発（青森県）を建設している電源開発にも、「使用済みMOX燃料」をどうするのか、と尋ねた。回答から抜粋する。「再処理するまでの間、大間原子力発電所では、長期間の貯蔵容量を確保する計画であり、適切に貯蔵・管理することとしています」</p>



<p>　ほお。電源開発は「長期間」を想定しているのだな。</p>



<p>　本リポートの（上）に書いた関西電力などによる「使用済MOX燃料再処理実証研究に伴う仏オラノ社への搬出」<a href="#_edn1" id="_ednref1">[10]</a>に関しては、経産省や大手電力はこれを再処理技術が進化している証としたいようで、経産省は次期エネルギー基本計画にもそれを書き込む考えだ。素案の該当部分を転記する。</p>



<p>　「使用済MOX燃料の再処理については、国際連携による実証研究を含め、２０３０年代後半を目途に技術を確立するべく研究開発を進めるとともに、その成果を六ヶ所再処理工場に適用する場合を想定し、許認可の取得や実運用の検討に必要なデータの充実化を進める」</p>



<p>　言葉が上滑りしていないか。とりわけ使用済みMOX燃料を完成が遅れに遅れている六ヶ所再処理工場でいつの日か再処理することができたら、という「一縷（いちる）の望み」に賭けるような想定を置いたことに驚く<a href="#_edn2" id="_ednref2">[11]</a><a href="#_edn3" id="_ednref3">[12]</a>。</p>







<p>（７）迫る貯蔵のタイムリミット</p>



<p>　原発で使った燃料を再処理してMOX燃料を製造すると、高レベル放射性廃棄物（ガラス固化体）が発生する。朝日新聞などはこれを「核のごみ」と書く。英仏企業に再処理を委託して生じたガラス固化体の日本への返還は１９９５年４月から始まっている。青森県六ヶ所村にある日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで管理されている。</p>



<p>　もう３０年前のことだ。その廃棄物管理施設の建設中の１９９４年１１月、当時の北村正哉・青森県知事からの「照会」に応じて、当時の所管官庁だった科学技術庁（現文部科学省）の田中真紀子長官が「回答」文書を提出した。青森県庁のホームページ（冊子「青森県の原子力行政」）にそれが残っていた<a href="#_edn1" id="_ednref1">[13]</a>。国として青森県に一つの「約束」をしたのだ。抜粋する。</p>



<p>　「（建設中の）廃棄物管理施設は、ガラス固化体の一時貯蔵を行う施設であり、処分場となるものではありません……管理期間は３０年間から５０年間と記され、管理期間終了時点では、電気事業者が最終的な処分に向けて搬出することとしています。科学技術庁としては、ガラス固化体が管理施設において適切に管理され、管理期間の終了時点でガラス固化体が当該施設より搬出されるよう指導していく所存です」</p>



<p>　その文書を下に貼り付ける（黄色のマーカーは筆者が引いた）。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori92.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori92.png" alt="" class="wp-image-1208"/></a></figure>



<p>　だが、青森県側には、もしかするとこの「約束」がほごにされるのでは、との懸念があったようだ。<a href="#_edn1" id="_ednref1">[14]</a><a href="#_edn2" id="_ednref2">[15]</a>。それで、青森県から「照会」があって、で、経産省の甘利明大臣が２００８年４月、三村申吾・青森県知事（いずれも当時）に「回答」を出した。それが、やはり青森県庁のホームページに残っていた。</p>



<p>　大切なところを抜き書きすると、前記の科学技術庁長官からの「回答」文書などについて、「国と青森県との約束として、現在においても引き継がれております」とし、「青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしないことを改めて確約します」などとしたのだった（下に部分を該当貼りつける。黄色いマーカーは筆者が引いた）<a href="#_edn3" id="_ednref3">[16]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori102.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori102.png" alt="" class="wp-image-1209"/></a></figure>



<p>　その「約束」には、重要なタイムリミットがあった。先に貼り付けた当時の科学技術庁長官の文書には「管理期間は３０年間から５０年間」と記され、２０２３年５月の閣議決定でも、高レベル放射性廃棄物は「３０年から５０年間程度貯蔵した後、順次、安全性を確認しつつ、最終処分することとする」とされている <a href="#_edn1" id="_ednref1">[17]</a>。</p>



<p>　２０２５年を迎える。フランスから最初の返還があった１９９５年から３０年が経つ。なにも５０年後の搬出期限である２０４５年を待つ必要はないはずだ。だが、現在の状況はといえば、最終処分場の場所を確定したうえで施設の建設から実際の搬入に至るまで、相当な時間がかかるのは間違いない。２０２５年の搬出が現実的ではないのはもちろんだが、２０４５年という時点においても最終処分場が日本にできているだろうか<a href="#_edn2" id="_ednref2">[18]</a><a href="#_edn3" id="_ednref3">[19]</a><a href="#_edn4" id="_ednref4">[20]</a>。</p>







<p>（８）国との約束に付された「留保条件」</p>



<p>　最終処分場の選定をめぐり、原子力発電環境整備機構（ＮＵＭＯ）は２０２４年１１月、全国で初めて第１段階の「文献調査」をしていた北海道の寿都（すっつ）町と神恵内（かもえない）村の両町村長、道知事に調査報告書を提出。寿都町の全域と神恵内村の一部を、試掘などをする第２段階の「概要調査」の候補地とした。</p>



<p>　その北海道は、今世紀に入る前にも最終処分場の問題で大きく揺れた。１９８４年、幌延町で高レベル放射性廃棄物の貯蔵・研究をする「貯蔵工学センター」の概要が公表され、周辺の一部自治体や道が「最終処分場につながる」と反対したのだ。</p>



<p>　結局、１９９８年、当時の科学技術庁の竹山裕長官が北海道の堀達也知事（当時）に「北海道内が高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設及び処分場の立地場所になることはない」と「約束」する文書を出した。道議会も２０００年、高レベル放射性廃棄物の持ち込みについて「慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」とする、いわゆる「核抜き条例」を定めた<a href="#_edn1" id="_ednref1">[21]</a>。こうして２００１年、放射性廃棄物を持ち込まず、研究に特化した「幌延深地層研究センター」ができた。</p>



<p>　北海道庁のホームページで調べると、その１９９８年当時の科学技術庁長官の「約束」文書を見つけることができた。こう記してあった。「北海道知事をはじめとする地元が中間貯蔵施設及び処分場を受け入れない意思を表明されているもとでは、北海道内が高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設及び処分場の立地場所になることはないものであります」。その部分のみ下に貼り付ける（黄色いマーカーは筆者が引いた）。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori112.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori112.png" alt="" class="wp-image-1210"/></a></figure>



<p>　それから四半世紀。NUMOの近年の北海道での選定作業は、１９９８年の科学技術庁長官の「約束」に反していないのか。NUMOに聞くと、広報担当者の返答はこうだった。</p>



<p>　「次の段階の調査に進もうとする場合、そして最終処分施設建設地を選定する場合は、法律第４条 <a href="#_edn1" id="_ednref1">[22]</a>に基づき、都道府県知事と市長村長のご意見を聴き、これを十分尊重することとしており、当該都道府県知事又は市町村長のご意見に反して先へ進むことはありません。ご指摘の科学技術庁長官名での回答に反するものではないと理解しております」</p>



<p>　今、改めて、その科学技術庁長官の「約束」文書を読みなおすと、「北海道知事をはじめとする地元が……受け入れない意思を表明されているもとでは」という「留保条件」が付されていることに気付く。知事をはじめとする地元の「受け入れる意思表明」があれば、処分場の立地場所になりうる、と読める。</p>



<p>　誰が、なぜ、このフレーズを入れたのだろう。気持ちが落ち着かない<a href="#_edn2" id="_ednref2">[23]。</a></p>



<p class="has-text-align-left">　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇</p>



<p>　使用済み核燃料をめぐり、「外に搬出する」「処分地にしない」と、大手電力や経産省などは協定や覚書、確約書といった文書で「約束」を重ねてきた。いまも新たな「約束」をしている。でも、そこにたくさんの「ウソ」が隠されているのではないか。そうして核燃サイクルが回っているという体裁を整える。フリをする。いつまで続けられるだろうか。</p>



<p>追記）　青森県・六ヶ所村が「拒否権」を持てたわけ／実効性を確保するには</p>



<p>　大手電力や経産省などによる協定や覚書、確約書といった文書は、実際のところ、どのような「効き目」があるのか。記憶に残るのが２０１２年の出来事だ。</p>



<p>　当時の民主党政権は、エネルギー戦略として核燃サイクルを見直すとの方針を打ち出そうとした。これに対して再処理工場がある青森県六ヶ所村の村議会は、六ヶ所村をはじめ関係者間で１９８５年に締結した基本協定<a href="#_edn1" id="_ednref1">[24]</a>に反するとして、「英仏から返還される廃棄物の搬入は認めない」「（再処理工場の燃料プールに）一時貯蔵されている使用済み燃料を村外に搬出する」など８項目からなる意見書を可決した（意見書の一部を以下、張り付ける）<a href="#_edn2" id="_ednref2">[25]</a>。</p>







<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori122.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori122.png" alt="" class="wp-image-1211"/></a></figure>



<p>　かつて筆者は、民主党の方針づくりにかかわった人物に話を聞いたが、「英仏からの搬入ができないとなると国際問題になる」と語っていた。青森県側は「自力」で輸送船の接岸を拒否することができた。それが決め手だったのではないか。</p>



<p>　民主党は腰砕けになり、当時の野田内閣がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」に、核燃サイクルの「見直し」は盛り込まれなかった。</p>



<p>　本リポートでは、様々な「約束」を記したが、それを担保する実力行使の手段を持たないと、「約束」の実効性は小さくなるのではないだろうか。</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[1]</a> 例えば、元原子力委員会委員長代理で、長崎大学核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎教授は「核兵器と原発」（講談社現代新書）の中で、使用済み核燃料について「将来は『乾式キャスク貯蔵』にしていくことが望ましい。乾式貯蔵は、空冷によって自然冷却できるので、停電になっても心配はない。キャスクの寿命は５０年以上とされており、欧米では１００年間という長期貯蔵も検討されている。この乾式貯蔵コストは、再処理コストの１０分の１程度であり、経済的にも安全面でも最適の選択肢であるといえる」（P１１２）とした。そうした理由から筆者も乾式貯蔵施設に着目している。ただ、これまで大手電力は乾式貯蔵施設について「再処理工場へ搬出するまでの一時的貯蔵」と立地自治体に説明している。もし、「再処理工場へ搬出するまで」という条件をなくして、この乾式貯蔵施設で長期間保管ということになると、それは立地自治体にウソをついたことになってしまうのではないか。　　　　</p>



<p>　なお、鈴木氏のプルサーマルに関する論考ももっと注目されるべきだと筆者は考えている。例えば、朝日新聞の論座アーカイブにおける「『もんじゅ廃炉』にみる原子力政策の矛盾」（２０１６年１２月２６日）で、「『プルサーマル』は高速炉がないと、いずれ止まってしまう。プルサーマルから回収される劣化したプルトニウムでは、リサイクルが難しく1〜2回しかリサイクルできないからだ。また、プルサーマルに使われる混合酸化物（MOX）使用済み燃料の再処理技術は実用化しておらず、MOX使用済み燃料は行き先がなくなって、そのまま地層処分（直接処分）するしかなくなる。高速炉のない『核燃料サイクル』はいずれ破たんすることが明白だ。経済性では、再処理は直接処分より明らかに劣っており、再処理を進める根拠はもはや崩れている」と指摘している。<a href="https://webronza.asahi.com/science/articles/2016122200001.html">https://webronza.asahi.com/science/articles/2016122200001.html</a></p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[2]</a> 例えば電気事業連合会の説明資料　<a href="https://www.aec.go.jp/kaigi/senmon/hatukaku/siryo12/1-5_haifu.pdf">https://www.aec.go.jp/kaigi/senmon/hatukaku/siryo12/1-5_haifu.pdf</a>　のP3。</p>



<p><a href="#_ednref3" id="_edn3">[3]</a> 第7回使用済燃料対策推進協議会（２０２４年１月１９日）の「資料２」<a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/pdf/007_02_00.pdf">https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/pdf/007_02_00.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[4]</a> 四国電力のホームページから（閲覧日２０２４年１２月１７日）<a href="https://www.yonden.co.jp/assets/pdf/energy/atom/safety/safety_agreement/ikata01.pdf">https://www.yonden.co.jp/assets/pdf/energy/atom/safety/safety_agreement/ikata01.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[5]</a> 朝日新聞デジタル　<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASS9B4RWFS9BUNHB00TM.html?iref=pc_ss_date_article">https://digital.asahi.com/articles/ASS9B4RWFS9BUNHB00TM.html?iref=pc_ss_date_article</a>　</p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[6]</a> 福井県では２０２４年９月の定例県議会に、原発の敷地内で使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設をめぐり、保管期限を１０年以内とする条例案が一部の議員から提案された。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASS993SQTS99PGJB00LM.html?iref=pc_ss_date_article">https://digital.asahi.com/articles/ASS993SQTS99PGJB00LM.html?iref=pc_ss_date_article</a>　結局、賛成少数で否決された。</p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[7]</a>２００５年に閣議決定された「原子力政策大綱」では、「中間貯蔵された使用済燃料及びプルサーマルに伴って発生する軽水炉使用済MOX燃料」の処理の方策について、「２０１０年頃から検討を開始する」とされていた。<a href="https://www.aec.go.jp/kettei/taikou/20051011.pdf">https://www.aec.go.jp/kettei/taikou/20051011.pdf</a>　のP３８。だが、２０１１年の東京電力福島第一原発事故の後、うやむやになっていた。</p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[8]</a> 経済産業省の資料　<a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/039_02_00.pdf">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/039_02_00.pdf</a>　のP30</p>



<p><a href="#_ednref3" id="_edn3">[9]</a> 九州電力のホームページから　<a href="https://www.kyuden.co.jp/nuclear_pluthermal_answer_12.html">https://www.kyuden.co.jp/nuclear_pluthermal_answer_12.html</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[10]</a> なお、使用済み核燃料・使用済みMOX燃料を供給するのは関西電力だが、実証研究の実施主体は、原発を保有する大手電力９社と日本原子力発電、電源開発の１１社とされている。　<a href="https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20230612_1j.pdf">https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20230612_1j.pdf</a>　<a href="https://www.fepc.or.jp/about_us/pr/oshirase/__icsFiles/afieldfile/2023/06/12/press_20230612.pdf">https://www.fepc.or.jp/about_us/pr/oshirase/__icsFiles/afieldfile/2023/06/12/press_20230612.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[11]</a> 毎日新聞がフランスでの使用済みMOX燃料の再処理の厳しい実態を伝える記事を出している。<a href="https://mainichi.jp/articles/20220902/k00/00m/040/195000c">https://mainichi.jp/articles/20220902/k00/00m/040/195000c</a></p>



<p><a href="#_ednref3" id="_edn3">[12]</a> 多額の予算が使われることにも留意したい。<a href="https://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000R05/240222_vitrification_1st/vitrification_1st_05.pdf">https://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000R05/240222_vitrification_1st/vitrification_1st_05.pdf</a>　</p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[13]</a> 青森県庁のホームページ（冊子「青森県の原子力行政」の資料25）<a href="https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-25.pdf">https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-25.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[14]</a> この文書の下段のほうに、処分地の選定に関して、「地元の了承を得て」といった文言があることなどから、「地元の了承があれば処分地を造れる」などと懸念する声が当時もあった。１９９５年にも、田中真紀子・科学技術庁長官は木村守男・青森県知事（いずれも当時）に「知事の了承なくして青森県を最終処分地にできないし、しないことを確約します」と、「知事の了承」という「留保条件」を付したように読める文書を出している。<a href="https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-26.pdf">https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-26.pdf</a>　こうしたことが後述する経産大臣の「回答」文書や、本リポートの最後に記した北海道知事あての科学技術庁長官の「約束」文書等の問題にもつながっている。関係者はこうした文書、そして「留保条件」の持つ意味を、明確に認識していたはずだ。</p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[15]</a> 原子力資料情報室ホームページの昔のCNICトピックス（<a href="https://cnic.jp/620">https://cnic.jp/620</a>）や「はんげんぱつ新聞」編集長・末田一秀氏のウエッブサイト（<a href="http://ksueda.eco.coocan.jp/waste0803.html">http://ksueda.eco.coocan.jp/waste0803.html</a>）に当時の状況が詳しく記されている。</p>



<p><a href="#_ednref3" id="_edn3">[16]</a> 青森県庁のホームページ（冊子「青森県の原子力行政」の資料２８）<a href="https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-28.pdf">https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-28.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[17]</a>経済産業省のホームページ　<a href="https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230428007/20230428007-2.pdf">https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230428007/20230428007-2.pdf</a>「３０年から５０年間程度」と「程度」とぼやかすような表現が気になる。また、「安全性を確認」できない場合はどうなるのかといった疑念を筆者は抱いた。</p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[18]</a> 政府は、これまで使用済み核燃料を再処理して生じる高レベル放射性廃棄物を国内の地下３００メートルより深い岩盤に数万年以上閉じ込める「地層処分」という政策を掲げてきた。これに関して、日本学術会議は２０１２年9月、原発から出る高レベル放射性廃棄物の量を総量規制し、数十～数百年間暫定的に保管するべきだとする提言をまとめている。報告書は「万年単位に及ぶ超長期にわたって安定した地層を確認することに対して、現在の科学的知識と技術的能力では限界がある」として、抜本的な見直しを求めている。<a href="https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-k159-1.pdf">https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-k159-1.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref3" id="_edn3">[19]</a> 朝日新聞の記事（２０２３年１０月３０日）によると、地球科学の専門家有志が、高レベル放射性廃棄物の処分地選びをめぐり、「日本に適地はない」とする声明を公表した。地殻変動の激しい日本では、廃棄物を１０万年にわたって地下に閉じ込められる場所を選ぶのは不可能と指摘。処分の抜本的な見直しを求めた。声明には、日本地質学会の会長経験者を含む研究者、教育関係者や地質コンサルタントら３００人あまりが名を連ねた、という。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASRBZ641WRBWPLZU001.html">https://digital.asahi.com/articles/ASRBZ641WRBWPLZU001.html</a>　声明そのものは原子力資料情報室のホームページにあった。<a href="https://cnic.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/902f6cbc42a46268054c87533439491b.pdf">https://cnic.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/902f6cbc42a46268054c87533439491b.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref4" id="_edn4">[20]</a> ２０２４年6月に亡くなった原子力資料情報室の伴英幸・共同代表に対する筆者のインタビュー。<a href="https://digital.asahi.com/articles/ASK653V5ZK65ULFA00J.html">https://digital.asahi.com/articles/ASK653V5ZK65ULFA00J.html</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[21]</a> 北海道庁のホームページ　<a href="https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kke/horonobe/data/zyourei.html">https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kke/horonobe/data/zyourei.html</a>　</p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[22]</a> 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律<a href="https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/h147117.htm">https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/h147117.htm</a></p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[23]</a> 朝日新聞の石川智也記者は、同社の言論サイト「論座」に寄せた「『核のゴミ』最終処分場の前に、原発廃止か継続かを決着せよ！」で、こうした文書の効力に疑問を投げかけている。<a href="https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020082700010.html?iref=pc_ss_date_article">https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020082700010.html?iref=pc_ss_date_article</a>）　毎日新聞も条例について「「『法的拘束力がない』と疑問視する声が残った」などと伝えている。<a href="https://mainichi.jp/articles/20231119/ddl/k01/040/018000c">https://mainichi.jp/articles/20231119/ddl/k01/040/018000c</a>　</p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[24]</a> 青森県庁のホームページ（冊子「青森県の原子力行政」の資料７） <a href="https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-7.pdf">https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/g-richi/files/R6siryo-7.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[25]</a> 六ヶ所村ホームページ　<a href="https://www.rokkasho.jp/index.cfm/15,491,c,html/491/20120910-180634.pdf">https://www.rokkasho.jp/index.cfm/15,491,c,html/491/20120910-180634.pdf</a></p><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/16486/">【寄稿】核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく／使用済み核燃料の置き場が足りない！（下）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>【寄稿】核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく／使用済み核燃料の置き場が足りない！（上）</title>
		<link>https://www.ccnejapan.com/column/16485/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[小森 敦司]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Dec 2024 06:48:51 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム]]></category>
		<category><![CDATA[MOX燃料]]></category>
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		<category><![CDATA[乾式貯蔵]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2024/12/komori11.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>前回に続き、ジャーナリストの小森敦司氏から、ご寄稿いただきました。すでに破綻している核燃料サイクルの全貌に迫る必読のリポートです。「上」・「下」の二回にわたり掲載します。ぜひご一読ください。　 原子力市民委員会事務局 ＝ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/16485/">【寄稿】核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく／使用済み核燃料の置き場が足りない！（上）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://www.ccnejapan.com/wp-content/uploads/2024/12/komori11.png" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-left"><a href="https://blog.ccnejapan.com/?p=1084">前回</a>に続き、ジャーナリストの小森敦司氏から、ご寄稿いただきました。<br>すでに破綻している核燃料サイクルの全貌に迫る必読のリポートです。「上」・「下」の二回にわたり掲載します。ぜひご一読ください。　</p>



<p class="has-text-align-left">原子力市民委員会事務局</p>



<p>＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝</p>



<p><strong>核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく ／ 使用済み核燃料の置き場が足りない！（上）</strong></p>



<p class="has-text-align-right"><strong>ジャーナリスト・小森敦司</strong></p>



<p>　原発から出る使用済み核燃料の置き場所が足りない――大手電力や経済産業省が、東京電力福島第一原発事故の後、ようやくこぎつけた原発の再稼働によって出てくる使用済み核燃料の置き場の確保に追われている。手を打たないと燃料プールが満杯になって運転できなくなるからだ。日本はこれまで使った燃料を再処理してまた使う核燃料サイクルを目指してきた。だが、中核となる青森県六ヶ所村の再処理工場の完成が遅れ、使用済み核燃料を持ち込めない。そこで新たにつくる中間貯蔵施設や乾式貯蔵施設に置こうというのだが、「そのまま最終処分地になってしまうのでは」との懸念が各地で噴出。経産省や大手電力などはこれまで「外に搬出する」「処分地にしない」と、協定や覚書、確約書といった文書で「約束」を重ね、今もそうしている。が、本当に守られるのか。原発回帰を鮮明にする第７次エネルギー基本計画の作成を横目に、２回にわたりリポートしたい。</p>



<p class="has-text-align-right">（注）登場者の肩書は当時。出典は文末脚注に記した。</p>



<p>（１）再処理工場に国の「長期利用保証」</p>



<p>　「中間貯蔵された使用済燃料は、六ヶ所再処理工場を搬出先として想定し、安全性確保を大前提に六ヶ所再処理工場の長期かつ安定利用に向けて必要な取り組みを進めていくことが適切ではないか、と考えてございます」</p>



<p>　国のエネルギー政策の基本方針「エネルギー基本計画」の見直しにむけ、原子力の課題を話しあう経産省の「原子力小委員会」。２０２４年１０月１６日の会合で、経産省の担当課長がこの重要な方針をあきらかにした。</p>



<p>　これまで青森県六ヶ所村で建設中の再処理工場の操業期間は４０年と説明されてきた<a href="#_edn1" id="_ednref1">[1]</a>。一方、青森県むつ市の中間貯蔵施設の使用期間は最長５０年。かつて中間貯蔵した後の使用済み核燃料の搬出先として第二再処理工場をつくる構想があったが、２０１１年の東京電力福島第一原発事故の後、うやむやになっていた。このため、地元では「５０年後の搬出先が不明確。永久に置かれるのではないか」といった声が出ていた。</p>



<p>　この日の委員会に出された経産省の説明資料の一部を以下に貼り付ける。一番下の「・」の「以上を踏まえれば」以下の一文が、経産省が導きたい結論だ<a href="#_edn2" id="_ednref2">[2]</a>。要は、むつ市の中間貯蔵施設で貯蔵した後の使用済み核燃料の搬出先を六ヶ所再処理工場とするために、同工場の操業期間を長期化するというのだ。筆者が思うに、経産省による再処理工場の「長期利用保証」だ。これも一種の国の「約束」だろう<a href="#_edn3" id="_ednref3">[3]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori11.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori11.png" alt="" class="wp-image-1125"/></a></figure>



<p>　経緯を調べると、ここまでの日程が綿密に組まれていたことが推察できる。</p>



<p>　まず、青森県の宮下宗一郎知事（前のむつ市長）が２０２４年７月下旬、上京して斎藤健・経産相（当時）と会談。経産相から、むつ市の中間貯蔵施設からの搬出先について「六ヶ所再処理工場で処理を想定」し、課題と対応策などについて「審議会の議論を踏まえて、次期エネルギー基本計画の中で具体化をしていきたい」との言質を取った。情報公開請求で青森県庁から送ってもらった議事録にそうあった。</p>



<p>　これを受け、８月上旬、青森県とむつ市、中間貯蔵施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵（ＲＦＳ）の３者が、貯蔵期間を最長５０年と明記した安全協定を締結。加えてＲＦＳの親会社の東京電力ホールディングス、日本原子力発電を含めた５者で、事業が困難になった場合は燃料の施設外へ搬出することなどを記した覚書も交わした。</p>



<p>　そして９月下旬、東京電力柏崎刈羽原発（新潟県）で保管されていた使用済み核燃料６９体がむつ市の中間貯蔵施設に初めて搬入された。さらに原子力小委員会での議論も経たということで、次期エネルギー基本計画には、中間貯蔵後の使用済み核燃料の搬出先として六ヶ所再処理工場を想定、長期利用に取り組むといった趣旨の文言が入ることになるのだろう。</p>



<p>　しかし、いくつもの疑問を抱く。まず、再処理工場は、例えば５０年間、安全に稼働するだろうか。再処理工場は当初、１９９７年の完成予定だったがトラブルが続発、そのたびに延期を繰り返してきた。さらに原子力規制委員会の審査に時間を要し、日本原燃は２０２４年８月、完成時期を約２年半延期して２０２６年度末にすると発表した。延期は２７回目だ。そうした「経歴」を持つ工場なのだ。</p>



<p>　経産省の担当課に安全性などについて問い合わせると、以下の回答をくれた。</p>



<p>　「六ヶ所再処理工場については、運転期間に関する法令上の上限は無いと承知しております。また、六ヶ所再処理工場を含め、原子力施設の安全性確保については、運転期間にかかわらず、原子炉等規制法に基づき、原子力規制委員会の監視のもと、事業者が必要な対応を行っていくものと承知しています」</p>



<p>　この文言を読んで、経産省は六ヶ所再処理工場の操業期間について、従来の説明より長くするとしながら、それに伴う安全の確保は、原子力規制委員会と事業者に「丸投げ」して、自らの責任を回避しているように筆者には思えた。家電量販店が顧客サービスのために「保証期間を１年延長します」というのとは話の次元が違うと思うのだが。</p>







<p>（２）４０年後、MOX需要はあるのか</p>



<p>　使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を原発で使うのがプルサーマル発電だ。例えば４０年後、六ヶ所再処理工場の稼働が順調にいき、中間貯蔵施設から使用済み核燃料を再処理工場に運び出せたとしよう<a href="#_edn1" id="_ednref1">[4]</a>。</p>



<p>　４０年後のその時。中間貯蔵施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵」の親会社の東京電力ホールディングスと日本原子力発電は、MOX燃料をどれだけ必要とするだろうか。</p>



<p>　電気事業連合会は２０２０年１２月、「２０３０年度までに、少なくとも１２基の原子炉でプルサーマルの実施を目指す」と表明した。従来「１６～１８基」という目標を掲げていたが、実質的に下方修正したのだった。そして「リサイクル燃料貯蔵」の親会社の東京電力はいまも、プルサーマル発電をする具体的な原発の名を示すことができていない。</p>



<p>　筆者は東京電力の広報担当者に４０～５０年後のMOX燃料の利用の見込みを尋ねた。答えはたった一言、「現時点で未定」だった。意地悪な質問であろう。原発事故により東京電力は福島第一、第二原発を廃炉にすることがすでに決まっている。残る東京電力の既存の原発は、柏崎刈羽原発となる。だが、東京電力にとって柏崎刈羽原発６、７号機の再稼働が今の最優先の課題だ。よりハードルが高いプルサーマル発電を言い出せないのだろう。</p>



<p>　もう一つの親会社の日本原子力発電といえば先ごろ、大きなニュースがあった。原子力規制委員会が２０２４年１１月、プルサーマル発電を想定する敦賀原発２号機（福井県敦賀市）について新規制基準に適合しないとして、再稼働に向けた申請を不許可とした。東海第二原発（茨城県東海村）も、避難計画整備などの難しい課題がある。</p>



<p>　いずれにしろ４０年後、東京電力と日本原電の既存の原子炉は古すぎて、ＭＯＸ燃料を使うということを想像できない。東京電力は原発事故で中断している青森県東通村での原発建設を進めるという策が描けるかもしれないが、世の中はそれを認めるだろうか。</p>



<p>　プルサーマル発電はこの２社だけの問題ではない。日本は青森県六ヶ所村の再処理工場とMOX燃料工場が動いてないので海外企業に再処理と加工を委託していた。その価格が高いとの指摘がある。例えば、朝日新聞は２０２３年７月、財務省の貿易統計をもとに関西電力が２０２２年にフランスから輸入したMOX燃料の輸入価格がウラン燃料の１０倍近い価格だったと報じている（その時の朝日新聞社のXへの投稿を下に貼り付ける）。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori21.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori21.png" alt="" class="wp-image-1126"/></a></figure>



<p>　国内での再処理でMOX燃料をつくることができたら、価格は安くなるだろうか。当初、７６００億円だった六ヶ所再処理工場の建設費はいまや３兆円以上に膨らみ、廃止措置などを含めた総事業費は１５兆1千億円と見込まれている。MOX燃料工場の建設費などのＭＯＸ加工事業費も２兆４千億円を超す<a href="#_edn1" id="_ednref1">[5]</a>。たぶん、日本製のMOX燃料はかなり高額だ。太陽光や風力といった再生可能エネルギーにコスト的に対抗できるわけがない。</p>



<p>　プルトニウムの需給バランスの問題も早くから指摘された。核兵器の原料にもなるため、日本は「利用目的のないプルトニウムは持たない」との原則を掲げる。この点に絡んで、電気事業連合会はこう説明する。</p>



<p>　「（再処理工場のフル稼働の時に）回収される約６．６トンのプルトニウムを消費するのに必要なプルサーマル基数が１２基であることから、２０３０年度までに１２基を目指すこととした」。フル生産からの逆算で消費する炉の数を決めているから問題ない、というわけだ。</p>



<p>　しかし、六ヶ所再処理工場の貯蔵プールは、これまでに全国の原発から運び込まれた使用済み核燃料でほぼ満杯だ。工場が稼働すれば、大手電力は「ウチの原発にある使用済み核燃料を早く処理して」と求めるだろう。一方でMOX燃料を使うプルサーマル発電が可能な原発は現在４基。１２基到達への歩みはのろい。消費できなければ生産できないはずだ。操業率を落とせば採算が悪化する。</p>



<p>　こうした難題を抱えているのに経産省は、よくぞ再処理工場の「長期利用保証」をした、と思う。やはり、柏崎刈羽原発の再稼働を狙ってのことなのだろうか。</p>







<p>（３）貯蔵割合「５０％以下に」で合意したら</p>



<p>　原発事故後、実質国有化された東京電力は、柏崎刈羽原発６、7号機の再稼働を収益改善の柱と位置付けている。経産省も再稼働について新潟県民の理解を求める説明会を始めたところだ。しかし、すでに同原発の使用済み核燃料で貯蔵プールの貯蔵割合が６号機で約９２％、7号機で約９７％。再稼働しても、数年で運転できなくなる。同原発全体でみても貯蔵割合は約８１％だ（いずれも２０２４年３月末時点）。</p>



<p>　それで柏崎刈羽原発では使用済み核燃料の貯蔵対策を進めている。使用済み核燃料を貯蔵率の高い燃料プールから低い燃料プールに移す（下に東京電力の「号機間輸送」についてのXへの投稿を貼り付ける）ほか、青森県むつ市の中間貯蔵施設に運び出そうとしていた。こうした作業と時を同じくして、経産省から再処理工場の「長期利用保証」が出されたことになる。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori31.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori31.png" alt="" class="wp-image-1127"/></a></figure>



<p>　背景には、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市の桜井雅浩市長の要望もあった。</p>



<p>　桜井市長は２０１９年１１月、同原発の再稼働に絡んで、「１基以上の廃炉計画をより一層明確化する」「６、７号機の使用済核燃料プールの保管量を再稼働までにおおむね８０％以下とする」など７項目を東電に求めた。</p>



<p>　このカギカッコの前者は福島原発事故で明らかになった原子炉の集中立地リスクを避けたいというものだ。後者は、使用済み核燃料は再処理のため外に運びだすという説明だったのに３０年前のものが燃料プールにあるのはおかしい、という主張だ。</p>



<p>　この二つに関し、筆者はその理屈については、なるほどと理解できた。ただ、後者の「おおむね８０％以下に」はどのようにしてできた数字なのか疑問を持った。なぜ、５０％以下や７０％以下ではないのか。柏崎市役所に尋ねると、桜井市長が柏崎市議会で理由を述べたことがあると教えてくれた。</p>



<p>　それは２０２０年４月、同市の使用済み核燃料の新税制度を議論した臨時会議での発言だった。新税は、古い燃料ほど税率を高くすることで外への搬出を促すものだ（同年１０月に導入）。市長の発言は非常に興味深い。会議録から引用する。</p>



<p>　「当初、５０％にしてくれというふうに言いました。ただ、物理的に不可能だという返事でございました。東京電力ホールディングス株式会社からの返事、国からの返事、つまりプールから取り出した核燃料を運ぶのに必要な設備、装置、国にも確認をしたんですが、難しいだろうと。今、９３％、９７％たまっているわけですから、それをいきなり５０％までにというのは難しいだろうという回答でありました。そういった意味で、（中略）核燃料サイクルの現状と照らし合わせて出した最大限の数字が８０％というところでご理解いただきたいと思います」</p>



<p>　そうだったのか。柏崎市が東京電力や国と掛け合った結果、「おおむね８０％以下に」という水準ができあがったのか。もし、桜井市長が最初に求めた「５０％に」という要求を東京電力がのんだら、どうなっただろう<a href="#_edn1" id="_ednref1">[6]</a>。</p>



<p>　各原発の使用済み核燃料の貯蔵割合の表を以下に貼り付ける（２０２４年６月２５日開催の原子力小委員会で配布された経産省資料から）が、貯蔵割合が「８０％」超の原発がかなり多い。「５０％以下」を、立地先の自治体から求められたら、大手電力の首脳の多くが真っ青になるだろう。「８０％以下」だって、相当困る数字のはずだ<a href="#_edn2" id="_ednref2">[7]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori41.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori41.png" alt="" class="wp-image-1128"/></a></figure>



<p>　使用済み核燃料の貯蔵対策で最も切羽詰まっている状況なのは、皮肉にも原発の再稼働で先行する関西電力だろう。稼働している原発の貯蔵割合は２０２４年３月末時点で、美浜原発（福井県美浜町）が８１％、高浜原発（福井県高浜町）が８３％、大飯原発（福井県おおい町）８９％だ。このままでは数年で満杯になる。</p>







<p>（４）「約束はほご。3基は直ちに止めて」</p>



<p>　「昨年の約束もほごにされているわけであるから、次のロードマップを示すまで、それを福井県が納得するまで３基は直ちに止めて頂きたい。そこからでないと話は始まらない」</p>



<p>　「約束ができなかったということなので、今すぐ３基を止めなくてはいけない、止めなければならない、止めていただきたい」</p>



<p>　２０２４年９月９日、福井県議会の全員協議会。筆者が入手したこの時の会議記録によると、自民党の県議を含め、出席した議員の多くが、出席した関西電力副社長を、激しい口調で追及していた。「３基」とは、福井県内で稼働する運転開始から４０年超の美浜原発３号機と高浜原発１、２号機を指す。経緯を調べると、そうした怒りのわけが理解できた。</p>



<p>　福井県はかねて「発電は引き受けたが、使用済み核燃料の保管まで引き受けていない」との立場を取り、１９９０年代後半から関西電力に使用済み核燃料の県外搬出を要求した。そして２０２１年２月、関西電力は運転４０年超となる３基の再稼働をめぐる議論の中で、２０２３年末までに中間貯蔵施設の県外候補地を確定できない場合、確定できるまで、これら3基の原発の運転をしないという覚悟を福井県に伝えている。</p>



<p>　「原発を運転しない」とは、とても重たい「約束」だ。関西電力はホームページで、対外的にもその旨を表明している。<a href="#_edn1" id="_ednref1">[8]</a>ところが、関西電力はこの重たい「約束」をきちんと果たせず、２０２３年１０月、「使用済燃料対策ロードマップ」と名付けた工程表を福井県に提示したのだった。これでどうか許して、というのだろう。</p>



<p>　ポイントは４つ。①六ヶ所再処理工場への搬出②使用済MOX燃料再処理実証研究に伴う仏オラノ社への搬出③中間貯蔵施設の２０３０年ごろの操業開始に向けた準備④中間貯蔵施設搬出までの保管のため乾式貯蔵施設（本リポートの下で詳述する）の設置検討、だ。同社発表資料を以下に貼っておく<a href="#_edn2" id="_ednref2">[9]</a>。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><a href="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori51-1.png"><img decoding="async" src="http://blog.ccnejapan.com/wp-content/uploads/sites/3/2024/12/komori51-1.png" alt="" class="wp-image-1197"/></a></figure>



<p>　この工程表提示から、わずか３日後。福井県の杉本達治知事は、「全体としては一定の前進があった」と理解を示し、３基の運転継続となった。この知事判断について、「『原発を止めない』という両者の方針一致が透ける」と報じたメディアもあった。</p>



<p>　筆者も今回、改めて工程表をみてみると、かなり杜撰に思えた。整理してみる。</p>



<p>　①について、日本原燃は２０２２年9月、六ヶ所再処理工場の２６回目の完成延期を発表した。なぜ、関西電力は２７回目の延期はない、と考えたのか。六ヶ所再処理工場に依存しすぎではないか。</p>



<p>　②については、フランスへの搬出量２００トンは関西電力が当時保管していた使用済み核燃料のわずか５％余だ。関西電力はこの策を２０２３年6月に先行して発表し<a href="#_edn1" id="_ednref1">[10]</a>、「（福井県との）約束はひとまず果たされた」と一方的に宣言。さすがに主要メディアも「奇策」「詭弁」などと酷評した。</p>



<p>　③の中間貯蔵施設は具体的な地名はなし。中国電力が２０２３年８月、山口県上関町の同社所有地で関西電力と共同開発すると発表していたが、中国電力幹部が２０２３年９月、島根県県議会で、むつ市の中間貯蔵施設を例に挙げて「十数年は多分かかる」と説明。関西電力の工程表にある中間貯蔵施設の「２０３０年頃に操業開始」に照らすと時間的に厳しいことが分かった。</p>



<p>　④の乾式貯蔵施設の「乾式貯蔵施設」は、福井県がこれまで求めてきた「県外搬出」の約束と相いれない対策と言えた。</p>



<p>　案の定というべきか、２０２４年８月、日本原燃の再処理工場の２７回目の完成延期の発表を受け、つまり最大の柱がダメになったということで、関西電力は工程表を見直すと福井県側に伝えた。こうした事態に、県議会の全員協議会で「３基を止めろ」という声が噴出したのだが、関西電力は使用済み核燃料２００トンのフランスへの搬出について「県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある」といった説明で押し通した。それで、いまも３基の稼働が続いている。</p>



<p>　関西電力は２０２４年度末までに改めて新しい工程表を示すという。どんな内容になるだろう。各方面に聞くと、中国電力の広報担当者の返答が、なにやら意味ありげだった。前記③の島根県議会での同社幹部の説明に関して、こう「釈明」したのだ。</p>



<p>　「竣工までに一定程度の期間は必要になることについて、あくまで、むつ市の中間貯蔵施設の一事例を引き合いに発言したもので、これが上関に当てはまるというものではありません」 。深読みすると、中間貯蔵施設を「２０３０年頃に操業開始」させるため、上関での突貫工事もありうるとも読める。かつて青森県むつ市の中間貯蔵施設への関西電力の参画案が浮上したことがあったが、地元の強い反発で止まっていた。いま、関西電力は両にらみで悩んでいるのかもしれない。（下に続く）</p>







<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[1]</a> 例えば経済産業省（<a href="https://www.aec.go.jp/kaigi/senmon/tyoki_gijyutu/siryo03/3_haifu.pdf">https://www.aec.go.jp/kaigi/senmon/tyoki_gijyutu/siryo03/3_haifu.pdf</a>のP3）、日本原燃（<a href="https://www.nuro.or.jp/pdf/20161125_03.pdf">https://www.nuro.or.jp/pdf/20161125_03.pdf</a> のP6）。</p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[2]</a> 第41回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会（2024年10月16日）の「資料３」のP９。<a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/041_03_00.pdf">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/041_03_00.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref3" id="_edn3">[3]</a> &nbsp;&nbsp;六ヶ所再処理工場の「長期利用」により、第二再処理工場は消えたのか、というと、まだ決まってないようだ。本リポートの最初に貼り付けた経産省作成の「使用済燃料の搬出先の明確化」という説明資料の最下段の（※）の後に、小さな文字で「六ヶ所再処理工場に続く再処理施設については、六ヶ所再処理工場の稼働状況、原子力発電所の稼働状況とその見通し、これを踏まえた核燃料の需要量や使用済燃料の発生量等を総合的に勘案しつつ、引き続き検討する」との一文がある。経産省の担当課にも確認したが、「１０月１6日の原子力小委員会において、『六ヶ所再処理工場に続く再処理施設については（上記と同じ表現なので省略）引き続き検討する』との考え方を事務局からお示しし、ご議論をいただきました」との返答だった。</p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[4]</a> 青森県むつ市の「リサイクル燃料貯蔵」に使用期間について確認したところ、「弊社は、使用済燃料を再処理するまでの間、一時的に貯蔵する施設であり、最初の金属キャスクが搬入されてから、５０年後までに搬出することとしています。従いまして、５０年を経ないで搬出される燃料が大半になります」との回答だった。筆者がさらに「２０年、３０年で搬出することもありえるのか」と尋ねたところ、「搬出については、２０年でも３０年でも制約はございません」ということだった。ただ、経産省が六ヶ所再処理工場の長期利用にわざわざ取り組むということは、４０年～５０年の中間貯蔵を意図しているのではと筆者はみている。と同時に、「５０年を経ない」のなら「一時的」という解釈になるのかと驚く。</p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[5]</a> 使用済燃料再処理・廃炉推進機構のホームページから。<a href="https://www.nuro.or.jp/pdf/20240621_3.pdf">https://www.nuro.or.jp/pdf/20240621_3.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[6]</a> 桜井市長が求めた廃炉判断の期限の前倒しを東京電力が受け入れたため、桜井市長は２０２４年8月下旬、「（東電からの再稼働の）要請に応えられる段階に至った」と語り、容認姿勢を示した。</p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[7]</a> 第39回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会（2024年6月25日）の資料２のP16。<a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/039_02_00.pdf">https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/039_02_00.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[8]</a> 関西電力ホームページから。<a href="https://www.kepco.co.jp/ir/brief/disclosure/pdf/kaiji20210212_1.pdf">https://www.kepco.co.jp/ir/brief/disclosure/pdf/kaiji20210212_1.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref2" id="_edn2">[9]</a> 関西電力の２０２３年１０月１０日の発表資料。<a href="https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20231010_1j.pdf">https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20231010_1j.pdf</a></p>



<p><a href="#_ednref1" id="_edn1">[10]</a> 関西電力の２０２３年６月１２日の発表資料。<a href="https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20230612_1j.pdf">https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20230612_1j.pdf</a>　なお、この関西電力の発表について、西村康稔経産相（当時）は記者会見で「関西電力が福井県にこれまでしてきた約束を実現する上で重要な意義があると考えております（中略）今回の対応は、使用済燃料の海外搬出という意味で中間貯蔵と同等の意義があります」などと評価した。<a href="https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2023/20230613001.html">https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2023/20230613001.html</a></p><p>The post <a href="https://www.ccnejapan.com/column/16485/">【寄稿】核燃サイクル回すための「約束」、期限守れず、根拠怪しく／使用済み核燃料の置き場が足りない！（上）</a> first appeared on <a href="https://www.ccnejapan.com">原子力市民委員会 Citizens' Commission on Nuclear Energy</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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