「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間とりまとめ(案)」 についてのパブリック・コメント文例集を公開しました

「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間とりまとめ(案)」
についてのパブリック・コメント文例集
を公開しました
2021年2月22日

 原子力規制庁が、2月26日を期限として、「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間とりまとめ(案)」への意見募集(パブリック・コメント)を行っています。この文例集は、これに対する原子力市民委員会の原子力規制部会(第4部会)のメンバーの意見を取りまとめたものです。

 この「中間とりまとめ」では、「これまで十分に知見が得られていない事項のすべてを対象として網羅的な検討を行ったものではない」(p.8「2.1検討対象」)、「東京電力福島第一原子力発電所事故に係る調査・分析には、まだまだ取り組むべきことが山積している」(p.34 「3. 結語」)ということが平然と述べられています。

 一方で、原子力規制委員会、原子力規制庁は、2013年に施行された新規制基準に基づいて、原発の再稼働をすすめていますが、本来、福島第一原発事故に関して、「十分に知見を得られていない事項のすべてを対象として網羅的な検討」を行った上でなければ、福島第一原発事故を教訓とした安全規制はできないはずです。

 原子力規制委員会、原子力規制庁が、まず取り組むべきことは、今までに、各種の事故調査委員会をはじめとする諸団体や個人から提起された未解明項目を総攬するリストを作り、その上で解明された項目と例外的に残る未解明項目を明示し、残る未解明問題が再稼働する原発の安全評価にリスクを及ぼさないことを確認することであるはずですが、その様な視点がまったく欠落していることが、今回の「中間とりまとめ(案)」の最大の問題だといえます。

 その上で、原子炉建屋上部で確認された高濃度汚染の状況など、今回の「中間とりまとめ(案)」について、注目すべき項目も多く、それらに関する意見もあわせ、今回、原子力市民委員会原子力規制部会としての文例をまとめました。

 多くの方に活用していただければ幸いです。

  「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間とりまとめ(案)」
   についてのパブリック・コメント文例集 pdficon_s

  

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■ パブリック・コメントの告知 (2021年2月26日(金)締め切り)
   「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間取りまとめ(案)」
   に対する意見の募集について

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声明・見解・提言

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この記事を書いた人

脱原発社会の構築のための情報収集、分析および政策提言を行うとともに、幅広い意見を持つ人々による議論の「場」を提供することを目的とした市民シンクタンク。2013年から約60名のメンバー(研究者、技術者、弁護士、経営者、教育者、NGO/NPO職員など)で活動しています。
http://www.ccnejapan.com/

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