原子力市民委員会 「声明: 環境省は除染土の再生利用と安易な処分をやめ、国民の熟議と合意にもとづいた最終処分のあり方を提示せよ」を発表しました

2019年5月13日
原子力市民委員会
「声明: 環境省は除染土の再生利用と安易な処分をやめ、
   国民の熟議と合意にもとづいた最終処分のあり方を提示せよ」

を発表しました
原子力市民委員会

 
  原子力市民委員会 「声明: 環境省は除染土の再生利用と安易な処分をやめ、
   国民の熟議と合意にもとづいた最終処分のあり方を提示せよ」pdficon_s

 東京電力福島第一原発事故により発生した除染土の管理・処分の問題をめぐって、環境省は福島県内の8,000Bq/kg以下の除染土について、覆土や遮蔽等の飛散防止対策を行った上で、公共事業で再利用する方針を打ち出し、再生利用にともなう手引書の作成を進めています。また、福島県外の除染土については、30cmの覆土をすれば、放射性物質の濃度の上限を定めずとも埋立処分が可能であるとする省令案・ガイドライン案を策定しようとしています。
 これら手引書や省令案・ガイドライン案のもととなる「再生利用」および「埋立処分」の実証事業は、住民への十分な説明と合意形成がないまま実施されており、その安全性の検証は極めて短期的かつ限定的に実施されたもので、実証事業とは名ばかりの、事実上、再利用や埋め立て処分の実施と言えるものです。
 国は、福島県内の除染土については中間貯蔵施設に持ち込み、30年後に県外の最終処分施設に移設するとし、福島県外の除染土については各県内で処分するとしています。こうした福島県内か県外かによって扱いを区分する方針そのものが、除染土についての市民の理解を混乱させるとともに、今般の「再生利用」「埋立処分」という問題を生じさせています。政府はいったんこれらの方針を取り下げ、国民の熟議と合意に基づき、福島原発事故由来放射性廃棄物・除染土の体系的な最終処分のあり方を再構築すべきです。

 本日、原子力市民委員会は声明「環境省は除染土の再生利用と安易な処分をやめ、国民の熟議と合意にもとづいた最終処分のあり方を提示せよ」を発表しました。多くの皆様にお読みいただき、周知いただけると幸いです。なお、本声明につきましては、同日開催の超党派国会議員連盟「原発ゼロの会」主催(原子力市民委員会協力)の「除染土壌の再利用および最終処分をめぐる意見聴取会」において、配布・説明を行います。


【声明の要旨】
1.除染土の「再生利用」を実施してはならない。安易な「埋立処分」も進めてはならない。
2.除染土の再生利用と埋立処分の「実証事業」は、そのまま事実上の最終処分となりかねない。
  事業の安全性は恣意的な手法で「検証」されているにすぎない。住民の合意はおろか理解を
  得ないままの強引な「実証事業」の推進、ならびに再生利用にともなう手引書の作成、埋立
  処分に関する省令の策定作業は、即刻中止すべきである。
3.国は、福島県内の除染土については中間貯蔵施設に持ち込み、30年後に県外の最終処分施設
  に移設するとしている。また、福島県外の除染土については各県内で処分するとしている。
  福島県内か県外かによって扱いを区分する方針そのものが除染土についての市民の理解を混
  乱させ、さらには、福島県内の除染土の「再生利用」と、県外の除染土の「埋立処分」とい
  う2つの問題を生じさせている。政府は、いったんこれらの方針を取り下げ、国民の熟議と
  合意に基づき、福島原発事故由来の放射性廃棄物・除染土の体系的な最終処分のあり方を
  再構築すべきである。
4.従来の放射性物質管理のあり方と、除染土の「再生利用」や今般の「実証事業」に見られる
  簡易な埋立てのあり方とには、大きな違いがある。放射能をおびた物質の管理に関して、
  二重基準(ダブルスタンダード)が存在している。これは、放射性物質管理行政を混乱させ、
  将来、さらに大きな問題を引き起こす可能性がある。原子力利用を国策として推進してきた
  日本政府は、事故発生の責任を認め、除染土を含む放射性物質の管理行政をより厳重なもの
  としなければならない。
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