「原発最大限活用」が気候変動対策を遅らせる
─ ゆがむエネルギー政策とふくらむ国民負担
原子力市民委員会が今年3月11日に発表した図解レポート『見ればわかる 知れば変わる — 福島原発事故15年の現在地』の内容を皆さんと吟味するシリーズです。今回は、図解レポートの第2章から、エネルギー政策と気候変動対策についての2つの項目をセットで解説します。 レポート抜粋PDF
- 日 時: 2026年9月8日(火)17:00~18:00
- 場 所: オンライン開催(Zoom)
- プログラム
1)原発は最悪の気候変動対策 (図解レポート p.30)
明日香 壽川(原子力市民委員会 政策調査部会、東北大学 特任教授・名誉教授)
2)ゆがむエネルギー政策、ふくらむ国民負担 (図解レポート p.31)
吉田明子(原子力市民委員会 委員・政策調査部会 共同部会長、国際環境NGO FoE Japan理事)
3)質疑応答・意見交換 - (この企画は、後日Youtubeで公開します。Zoomのウェビナー形式で開催し、ご質問やご意見は当日の質疑応答(Q&A)もしくは、後日メール・FAXなどでも受けつけます)
- 参加申込み: 下記よりお申込みください。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_TC52idamQoWLr2_yKB2hKw#/registration - 主 催: 原子力市民委員会
- お問い合わせ
email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください)
TEL. 03-6709-8083
今回のオンライントークについて
原子力市民委員会が今年3月11日に発表した図解レポート『見ればわかる 知れば変わる — 福島原発事故15年の現在地』 の内容を皆さんと吟味するシリーズの5回目となります。

福島原発事故の教訓に背いて、脱〝原発依存〟から原発の〝最大限活用〟へと大きく方向転換してしまった日本政府ですが、その政策転換にあたっては「脱炭素」が口実とされました。いよいよ勢いを増しつつある地球規模の気候変動は、もはや〝変動〟というより〝気候危機〟とよぶべき段階に達しており、脱炭素気候変動対策をそれこそ最大限、かつ急いで進めなくては手遅れになってしまいます。しかし、原発を増やすという選択は、気候危機への対処策としては時間がかかりすぎて間に合わないだけでなく、より効果的な対策を妨げてしまいます。
政府の策定したエネルギー基本計画では、脱炭素のために原子力発電と再生可能エネルギーの両方ともに力を入れるとしています。しかし、実際には、原発への税金投入を含む支援・優遇政策に前のめりで、送電体制ひとつとっても、原発からの送電容量を確保するために太陽光発電の出力を「制御する」(もっと発電できるのに送電網に流せない)という理不尽な事態まで起きています。
また、この夏、猛烈な熱波に見舞われた欧州各地からは、渇水や水温上昇、そして海の温暖化で大量発生したクラゲが取水ポンプに詰まって原発が停止するなどの事態が報じられています。原発が実は温暖化に弱いということは、すでに何年も前から予兆が見られ、原子力市民委員会もそれを指摘してきたのですが、いよいよ明白な現実となりつつあります。(下記【参考情報1】参照)
効果的な気候変動対策を進めるうえでは、稼働時に二酸化炭素(CO₂)を出すかどうかだけでなく、1トンのCO₂排出を削減するのにかかるコストの比較、そもそも確立した技術かどうか、必要な資源、実用化までに要する時間と費用負担、安全確保のためのコストと社会的合意、雇用創出効果、廃棄物をどう処理できるか、社会的公正、そして国際関係(原発の場合、核拡散リスク)など、多くの側面をよく見極めて、合理的な判断をすべきです。
── 今回のオンライントークが、「原発は最悪の気候変動対策」と言われるわけをしっかり理解し、共有する機会となれば幸いです。
すでに冊子を御覧いただいた方も、まだの方も、あわせて多くのみなさんのご参加をお待ちします。
【参考情報1 温暖化に弱い原発】
Euronews (日本語版) 2026年8月13日 09:38
「熱波とクラゲで原発の発電能力が2割低下 フランス」
https://app.ekkow.com/1460568677441241451
テレビ朝日系(ANN)2026年8月5日 12:03(動画1分半)
「ドナウ川の岩盤を爆破 原発の冷却水不足で電力危機 欧州に強烈な熱波で歴史的干ばつ」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000524243.html
原子力市民委員会が2019年3月に開催した公開フォーラム「原発ゼロ時代の気候変動対策を考える」
( https://www.ccnejapan.com/events/9733/ )でも、原子力市民委員会アドバイザーの鮎川ゆりかさんが「温暖化で使えなくなる原発」について詳しく報告していますので、ぜひ講演資料を御覧ください。https://www.ccnejapan.com/download/documents/2019/20190320_CCNE_1-2.pdf
【参考情報2 原発のコスト】
朝日新聞 2026年8月17日
「原発安全対策費、電力11社で6.6兆円 物価高影響 燃料保管費も」https://digital.asahi.com/articles/ASV8D41YLV8DUTFL008M.html
東洋経済オンライン 2026年2月20日
青木美希:「原発は安い」の欺瞞を暴く経産省の内部試算
https://toyokeizai.net/articles/-/935157
図解レポートの第2章④「原子力発電のコスト構造と現実」(p.25)もご参照ください。
今後のオンライントークの予定日について
10月13日(火)、11月10日(火)、12月15日(火)を予定しています。いずれも17時開始の1時間枠です。
図解レポート『見ればわかる 知れば変わる ── 福島原発事故15年の現在地』から、いくつかの項目を組み合わせて、分担執筆の担当者らがお話しをします。 1月以降も継続する方向で日程調整中です。
