【5/30(金)】連続オンライントーク「原発ゼロ社会への道 」2025 第1回「改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の危険性 ─ 経済性重視の「改良」の実態」開催のお知らせ

【5/30(金)17時-18時】 CCNE連続オンライントーク

「原発ゼロ社会への道」2025 第1回

柏崎刈羽原発 ゆるされざる再稼働(シリーズ その1)
改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の危険性
─ 経済性重視の「改良」の実態  

   開催のお知らせ
 

 昨年12月でシーズン4を終了した原子力市民委員会の連続オンライントーク、しばらく休止しておりましたが、シーズン5を開始いたします。皆様どうぞご参加ください。
(このかん、原子力市民委員会の主催・共催イベントとして、緊急リレートーク、市民公聴会、シンポジウム、記者会見、院内集会などを展開してきました。それぞれ録画が別途YouTubeのCCNEチャンネルにあがっていますので、ぜひ御覧ください
https://www.youtube.com/@-ccne2125 )。

 さて、昨シーズンは《再稼働?ありえない!》シリーズとして、各地の原発立地点からの声をお伝えしましたが、その後、残念ながら女川2号機、島根2号機の再稼働が強行されてしまいました。そして現在、まさに渦中にあって予断を許さない状況が続いているのが東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)です。柏崎刈羽の再稼働を巡っては、もちろん新潟県特有の事情もありますが、同時に日本の原子力発電をめぐる技術的、政治的、経済的、社会的な数多くの問題が凝縮しているように思われます。何回かのシリーズで、これらの問題を解きほぐしてみたいと思います。

 柏崎刈羽原発には7基の原子炉ユニット(いずれも沸騰水型炉)がありますが、新規制基準の審査を受けて基準に「適合」とされたのは6号機と7号機だけです。1号機から5号機までの5基について、東京電力は6・7号機の再稼働から2年以内に「廃炉も想定したステップを踏む」と昨年8月に表明しており(※註1)、新規制基準にもとづく審査を申請していません。当初は、この夏に7号機を、続いて秋頃に6号機を再稼働するというのが東京電力の目論見でしたが、7号機の重大事故対策施設の工事が遅れこんで、6号機を予定より先に再稼働するのでは、との話もきかれます。

 しかし、そもそも再稼働への「地元合意」はまだ成立していません。法定署名の厳格な条件をクリアした14万3千筆以上の有権者署名(※註2)によって直接請求された県民投票条例案が4月に県議会で否決されてしまい、新潟県知事が以前から唱えてきた「民意の確認」がどのような方法でなされるのかも流動的で不透明な状況です。(これら、政治的状況については、オンライントークの別の回で詳しくお伝えする予定です。)

 報道などでは、柏崎刈羽原発の原子炉のタイプが「福島第一原発と同じ沸騰水型」と説明されることも多いのですが、正確には、1〜5号炉が福島第一と同様の沸騰水型炉(BWR)、6・7号機は「改良型沸騰水型炉」(ABWR)という新しい設計の原子炉になっています。ABWRのAはadvancedですので、直訳すれば「より進歩した、先進的な」というメーカーの売り文句ですが、では新しい設計でより安全になったのかといえば、実はそうではない面が多々あり、ABWR特有の危険性もあるという点に注意が必要です。

 たとえば、ABWRでは、旧来の沸騰水型炉(BWR)の構造的弱点のひとつであった「再循環ポンプ」をすべて内蔵型に変えるなどの「改良」が加えられ、配管破断のリスクが少なくなったとされています。しかし、この新しい構造では、内蔵型ポンプが破断すれば原子炉の水が抜けてしまうという重大な危険性が新たに生じています。また、格納容器が旧来のBWRでは鋼鉄製だったものが、ABWRでは鉄筋コンクリート製に変わっています。このことが強い地震の際にどのようなリスクとなるのか、きちんと見なければなりません。

 ABWRは、格納容器がコンパクトなわりに原子炉出力が大きくできるという経済的な利点があり、いわば「コスパ追求型」の新型炉とも言えるのですが、そのことが設計上どのような無理をもたらしているか、という面にも注意しなくてはなりません。

 今回のオンライントークでは、柏崎刈羽原発再稼働の危険性の技術的な側面として、ABWRのこれらの問題点および関連した懸念について、沸騰水型原子炉の設計に携わっておられた技術者の後藤政志さんに解説をしてもらいます。柏崎刈羽6・7号機が「改良型」「新型」といっても、旧来のBWRの持っていた全ての構造的弱点が解消されたわけではないこと、また、一部の弱点は解消されたとしても別の新たな弱点が生じていることなどが理解できると思います。

 ぜひお誘いあわせのうえ、ご参加ください。(なお、「柏崎刈羽原発 ゆるされざる再稼働」シリーズその2 は6月17日(火)に、その3は7月4日(金)にそれぞれに開催の予定です。)

※註1
日本経済新聞2024年8月22日

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC216OS0R20C24A8000000/

※註2
地方自治法74条は、有権者の50分の1(2%)[新潟県の場合36,325名] 以上の署名を集めれば、首長に条例制定を請求できると定めています。ただし、ネット署名ではだめで、しかるべき手続きで委任された「署名収集受任者」が対面で集めた署名に限られます(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/bunken/chokusetsu_seikyu.html)。昨年10月末から今年2月にかけて市民団体「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」が上記のようなルールを守ったうえで集めた署名は、実に15万筆(県内有権者の約8%)を超え、新潟県の選挙管理委員会による厳しいチェックをへて14万3千余筆が有効な有権者署名と判定されました。この署名運動の成果それ自体がすでに重大な「民意」の反映といえるでしょう。


point 日 時: 2025年5月30日(金)17:00~18:00

point 場 所: オンライン開催(zoom)

point プログラムと出席者:

   ●「改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の危険性」                                     /後藤政志(元東芝 原発設計技術者、原子力市民委員会 技術・規制部会長
       資料 参考資料 「柏崎刈羽・科学者の会」リーフレットNo.4 No.5

   ●質疑応答・意見交換

(この企画は、後日Youtubeで公開します。Zoomのウェビナー形式で開催し、ご質問やご意見は当日の質疑応答(Q&A)もしくは、後日メール・FAXなどで受けつけます)

point 申し込み: 下記よりお申込みください。

https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_CqudXuxuQ3qnfFNLsuxidA

※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。

point 主 催: 原子力市民委員会

point お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください]                                         TEL 03-6709-8083

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