【7/4(金)】連続オンライントーク「原発ゼロ社会への道 」2025 第3回「地元の同意」をどう判断するのか ─ 柏崎刈羽原発、再稼働問題のゆくえ 開催のお知らせ

【7/4(金)17時-18時】 CCNE連続オンライントーク
「原発ゼロ社会への道」2025 第3回
柏崎刈羽原発 ゆるされざる再稼働(シリーズ その3)

「地元の同意」をどう判断するのか
─ 柏崎刈羽原発、再稼働問題のゆくえ  

   開催のお知らせ
 

 東京電力の柏崎刈羽原発の再稼働を巡っては、新潟県特有の事情もありますが、同時に日本の原子力発電をめぐる技術的、政治的、経済的、社会的な数多くの問題が重なり合っています。政府が2022年に「原発の最大限活用」へと方針転換(翌23年にGX法として法制化)したことにも後押しされて、福島原発事故以降、すべて止まっていた沸騰水型原発(福島第一と同じタイプの原子炉)の運転も、昨年、女川原発(宮城県、東北電力)と島根原発(島根県、中国電力)で再開されてしまいました。そして今、まさに福島原発事故の責任事業者である東京電力がめざす柏崎刈羽原発の再稼働に対する「地元の同意」を新潟県知事がいつどのように判断するのかが問われています。

 シリーズ1回目のオンライントークでは、再稼働が予定されている柏崎刈羽6号機と7号機の原子炉の構造上の問題点を中心に、安全が保証されていない実態について解説しました。シリーズ2回目では、新潟県の原子力防災・避難計画が福島原発事故の教訓を踏まえたものになっておらず、事実上、「事故が起きたら住民は被ばくする」ことが前提になっている実態が明らかになりました。

 6月22日に柏崎市主催の講演会に登壇した原子力規制委員会の伴信彦委員(放射線防護担当)は、「原発事故は起こりうる前提で考えてほしい。事故後に何が起こるのか、想像力が重要だ」「事故が想定を大きく上回るようなものであれば、当然100ミリシーベルトを超えて被ばくすることもあり得る」などと述べたそうですが(※註1)、まともな〝想像力〟があれば、再稼働を強行することがいかに無茶であるかがわかる筈なのですが。

 すでに原子炉起動のための規制上の審査と技術面の準備は、それぞれ問題をはらみつつも、形のうえでは整えられ、東京電力は「地元同意」をまったく脇に置いて再稼働の準備を着々と進めてきました。しかし、特重施設(テロ対策施設)建設の遅れにより、7号機は原子力規制委員会が定めた同施設の設置期限である今年10月13日から施設完成予定の2029年8月まで運転が許可されなくなります。10月以前に新潟県の「同意」が得られる見通しは立っておらず、一方、6号機はテロ対策施設の設置期限まで4年ほど余裕があります。この状況を受けて、東京電力は6月25日、7号機の稼働準備を中止し、6号機の稼働準備に注力するという方針変更を発表しました(※註2)

 また、これに先立ち、東京電力は6月23日、原発の運営に「外部の視点を取り入れ」「再稼働に向けて信頼を得るため」と称して、「柏崎刈羽原発運営会議」(KK運営会議)なるものを設置する方針を明らかにしました。地域団体の代表者らも委員に招くとしていますが、東北電力や中部電力の元原発所長らが主要メンバーになり、東電幹部も複数加わることが報じられています(※註3)。「外部」といいながら、業界身内で「社外から助言・監督を受ける会議をつくる」というように、体裁を整えようとしているだけにしか見えません。

 さて、「地元同意」については、視界の曇った状態が続いています。14万を超す県民が求めてきた県民投票を退けた県知事と県議会ですが、どのようなプロセスで、何を基準に、いつまでに「同意」を見極めるのでしょうか? 知事は、「判断材料はほぼまとまった」として、あとは県民の受け止めを見極める方法として、市町村長との意見交換や、条件付きを含めた賛成・反対両方の立場の声を聞く「公聴会」の開催を進めています。ところが、その公聴会について県は「非公開」かつ開催場所すら明らかにしないという常識外れで奇妙なやり方を当初示しました。さすがにこれには批判の声があがり(※註4) 、報道機関には公開され、映像中継もされることになったようです。しかし、一般傍聴は認めず、「公述人」の人数も限られ、選定基準も不透明であるなど、民意を見極める方法として適切なのか、大いに疑問が残ります。

 今回のオンライントークでは、柏崎刈羽原発の安全性を市民の手で検証する「市民検証委員会」の共同代表であり、新潟県の「3つの検証」において委員もつとめられた佐々木寛さんから、柏崎刈羽再稼働をめぐる現在の状況についてご報告いただきます。佐々木さんには2023年11月の原子力市民委員会オンライントークで、「3つの検証」とそれに続く「市民検証」について詳しくご報告いただきました(※註5)。その後、再稼働の是非を決めるための県民投票を求める署名運動の大きな盛り上がり、地方自治法にもとづく直接請求の実現、しかし今年4月、県議会で県民投票条例案の否決という理不尽な結果をへて、現在に至る新潟県内のさまざまな動きを見つめる絶好の機会となるでしょう。

 ぜひ多くのみなさんにご参加いただき、議論を深めたいと思います。

 なお、原子力市民委員会では、7月3日に大島堅一座長ほか数名が新潟県庁に出向き、柏崎刈羽原発の再稼働に同意すべきでない客観的理由をまとめた意見書を提出し、新潟県に考慮を求めることにしています。あわせて県庁で記者会見を開き、そのあと夕刻には、新潟駅近くの会場にて、公開フォーラム「本音で語る柏崎刈羽原発再稼働 ── なぜ、これほどの『無理』が新潟県に押しつけられるのか」を緊急開催します。オンラインでの中継もありますので、ぜひご注目ください(☞ https://www.ccnejapan.com/?p=16247 )。


point 日 時: 2025年7月4日(金)17:00~18:00

point 場 所: オンライン開催(zoom)

point プログラムと出席者:

   ●「柏崎刈羽原発、再稼働問題のゆくえ」
/佐々木 寛さん(新潟国際情報大学教授、元 新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会委員(避難委員会副委員長)、柏崎刈羽原発の安全性を市民の手で検証する
「市民検証委員会」共同代表

   ● 7月3日の新潟県庁訪問および新潟市での公開フォーラムの報告
/菅波 完(原子力市民委員会 原子力技術・規制部会コーディネーター)

   ●質疑応答・意見交換

(この企画は、後日Youtubeで公開します。Zoomのウェビナー形式で開催し、ご質問やご意見は当日の質疑応答(Q&A)もしくは、後日メール・FAXなどで受けつけます)

point 申し込み: 下記よりお申込みください。

https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_4Dd3hCcBTwmLg8fN56emDA

※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。

point 主 催: 原子力市民委員会

point お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください]                                         TEL 03-6709-8083


※註1
共同通信 2025年6月22日
「『原発事故は起こりうる前提で』 原子力規制委員、柏崎市で講演」https://nordot.app/1309408157882040784?c=39550187727945729
毎日新聞(新潟版) 2025年6月23日
「柏崎で原子力規制委員講演 『万全な防災計画は神話』 県民560人前に」https://mainichi.jp/articles/20250623/ddl/k15/040/099000c

※註2
NHKニュース 2025年6月25日
「東京電力 柏崎刈羽原発6号機の再稼働優先を決定と発表」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250625/k10014844051000.html

朝日新聞(新潟県版) 2025年6月25日
「柏崎刈羽7号機の早期再稼働を断念 6号機優先でも同意めど立たず」https://digital.asahi.com/articles/AST6T34HPT6TUTIL00KM.html

※註3
毎日新聞 2025年6月23日
柏崎刈羽、有識者らが安全運転監視へ 新会議創設を経産相に報告https://mainichi.jp/articles/20250623/k00/00m/040/385000c
UX新潟テレビ21 2025年6月24日(動画2分弱)
【柏崎刈羽原発】東京電力 監視へ強い権限:地域団体の代表など社外の委員が過半数を占める「運営会議」新設
https://www.youtube.com/watch?v=R9OdGf-Rljw

※註4
朝日新聞(新潟県版) 2025年6月25日
「柏崎刈羽原発再稼働の賛否を問う公聴会 異例の『部分公開』の是非は」https://digital.asahi.com/articles/AST6S3RHKT6SOXIE06JM.html

まさのあつこ 地味な取材ノート 2025年6月24日
「電力需要は増える?新潟県ではナイショの原発公聴会?」https://note.com/masanoatsuko/n/n4fca8b3dd5a7#f303046a-9c69-42fc-86b3-e2f44cba49be

毎日新聞 2025年6月28日
「柏崎刈羽の再稼働 知事の『見極め』へ初の公聴会も制限厳しく」

※註5
佐々木寛さん 2023年11月27日のオンライントーク
「新潟県は、なぜ福島原発事故『3つの検証』を骨抜きにしたのか ── 市民検証委員会の意義と、柏崎刈羽原発再稼働の問題」
http://www.ccnejapan.com/?p=14557

「市民検証委員会」については ↓ こちらからご覧ください。
https://shiminkenshouiinkai.jimdosite.com

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