「再稼働?ありえない!」シリーズ、新潟篇、宮城篇に続いて、今回は島根篇です(来月は、8月6日に茨城篇(東海第二原発)を準備しています)。
中国電力の島根原子力発電所には、沸騰水型原子炉が3基あります。1号機はすでに廃炉作業中で、これから使用済み核燃料が搬出される段階です。ただし工事は当初予定よりかなり期間が延びていて、2049年とされる廃炉完了時期がさらに遅れる可能性もあります。
未稼働の3号機(改良型BWR、電気出力137.3万kW、2005年着工)は新規制基準による審査中ですが、すでに審査を終えて「新規制基準に適合」とされた2号機(BWR、電気出力82万kW、1989年営業運転開始)の運転が島根県知事の「同意」もすでに得て、実に13年ぶりに、今年12月に再稼働されようとしています。
島根原発(松江市)は、全国でも唯一、県庁所在地に建っている原発で、しかも直近には活断層が存在することが確認されています。当然ながら、耐震性への懸念、重大事故時の避難計画の実効性の乏しさがかねてから指摘されてきました。
島根原発の再稼働は、命を脅かすリスクに他ならないとして、島根県と鳥取県の住民が2号機運転差し止め仮処分を申し立てましたが、今年5月、広島高裁松江支部は住民の申請を却下する決定を下してしまいました。しかもこの決定は、避難計画の実効性についての判断を避けた、不当な“門前払い”でした。(仮処分請求は却下されましたが、2号機運転差し止めを求める裁判は、引き続き広島高裁松江支部で係争中です。)
住民の不安や疑念が、裁判所の行政追認判決で解消されるはずもなく、つい最近も松江市の市民団体が「再稼働延期」を求める1万1800筆の署名を携えて県庁に要請したところです。報道によれば、応対した県庁の担当者は、「再稼働延期を(中国電力に)求める考えはないが、能登半島地震を踏まえた地震災害への対応能力を強化する」と述べたとのことですが、原発事故のリスクをあまりに甘く考えているのではないでしょうか。
今回のオンライントークでは、運転差止訴訟の原告団長で、島根原発から10kmという近くにお住まいの 芦原康江さんにお話しを伺います。また、島根大学の 関耕平さんからコメントもお聞きします。ぜひご参加ください。
*タイトルの「そりゃいけん」は、「そんなことしたら駄目だってば」という意味(島根県内でも地域によって言い方は異なるかと思います。ご存じの方、教えてください。)
※参考 毎日新聞2024年5月16日「中国電島根原発2号機 運転差し止め仮処分却下 『命脅かすリスク選ぶのか』申立人の一人 芦原康江さん」https://mainichi.jp/articles/20240516/ddl/k32/040/272000c
日 時: 2024年7月10日(水)17:00~18:00
場 所: オンライン開催(zoom)
プログラムと出席者:
●「命脅かすリスクを選ぶのか ── 避難計画は住民を守らず、活断層の連動も 否定したまま再稼働へ進む島根原発」 / 芦原 康江 さん(さよなら島根原発ネットワーク、島根原発2号機差止訴訟 原告団長、松江市在住) 資料
●コメント / 関 耕平(島根大学法文学部教授、地方財政論、原子力市民委員会 政策調査部会)
(この企画は、後日Youtubeで公開します。Zoomのウェビナー形式で開催し、ご質問やご意見は当日の質疑応答(Q&A)もしくは、後日メール・FAXなどで受けつけます)
申し込み: 下記よりお申込みください。 https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_sA8009QlSIWBdfdBm8_l3A#/registration
※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください) までお知らせください。
主 催: 原子力市民委員会
お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL 03-6709-8083