開催報告「映像から福島原発事故を考えるワークショップ」

原子力市民委員会
「映像から原発事故を考えるワークショップ」
開催報告

 原子力市民委員会では、2021年3月12日にユース世代(高校生~20代くらい)を対象として、原発事故について考えるオンラインワークショップを実施しました。(※ワークショップの案内はこちら)当日は、原子力市民委員会のメンバーも含め、22人が参加しました。
 ワークショップでは、FoE Japan制作の「ふくしまミエルカプロジェクト」の動画を2本視聴し、その後に原発事故の被害とは何か、原発事故をどう伝えていくのが良いか、といったことについて4つのグループに分かれてディスカッションを行いました。

 最初に視聴したのは、「福島の漁師たち―『汚染水』を放出しないで」という動画です。

 この動画を視聴した後、参加者からは以下のような感想・コメントが出ました。

    • 「福島だけの問題ではない」という言葉が印象的だった。福島だけでなく、日本や全世界の問題。
    • 長期的な問題である。後継者、私たちの世代、これからの世代のためにも考えていく必要がある。
    • 被害を捉えるのが難しい。様々な側面から考える必要がある。
    • 漁業関係の方が苦しんでいることは、あまり広まっていないと感じる。
    • 海洋放出することによってより被害が大きくなる。

 続いて、「子どもを連れていったん避難し、帰還したあるお母さん」を視聴し、ディスカッションを行いました。

 ディスカッションでは、以下のような感想・コメントが出ました。

    • 避難者に対して、制度が先行していて、必要なケアがないのではないか。
    • 心の被害、精神的苦痛が大きい。放射線への不安、情報の錯そう、わからないことからくる心の問題など、二次的、三次的な被害が生じる。
    • 避難した人と残った人、強制避難者と自主避難者との分断。そのような分断によって、被災した人どうしで傷つけあってしまっていることが原発事故の被害。
    • 他の事故と比較して長期的な問題である。
    • 教育は重要である一方で、教育の場で伝える難しさもある。メディアも3.11のみに報道が集中している。

 そして、最後に、2本の動画と、それぞれについてのディスカッションを踏まえ、①原発事故について伝えたいこと・伝えていくべきだと思ったこと、②伝えるうえでのハードル、③自分自身のアクション、④原子力市民委員会に期待することについて、考えてもらいました。以下に、それぞれの点について参加者から出た意見の一部を抜粋して掲載します。

①原発事故について伝えたいこと・伝えていくべきだと思ったこと

      • どういう被害が起きたのかも大切だが、なぜ起きたのかも伝えていくべき。
      • 「復興」「忘れない」「オリンピック」など、メディアでは原発事故が過去のことになってしまっているが、原発事故は終わっていない。
      • 政府や専門家だけに任せるのではなく、日本全国の市民が当事者になって考える必要があるということを伝えるべき。
      • 現地の実情を伝えることが大事。

②原発事故を伝えるうえでのハードル

      • 当事者性のない人、関心の低い人に届きにくい。
      • 賛成派と否定派が議論する場が整っていない。
      • いろいろな情報が錯そうしており、どれが正しい情報か判断するのが難しい。
      • 原発事故を直接経験していない自分が伝えて良いのかという迷いがある。

③自分自身のアクション

      • 知識を周囲に伝える。「見える化」を自分でも行う。
      • ディスカッションの機会を作る。
      • 被災地に行ってみる。
      • SNSで発信する。

④原子力市民委員会に期待すること

      • 様々な被災者の声や情報を発信してほしい。
      • 賛成派と反対派が議論できる場を作ってほしい。
      • より多くの人が気軽に参加でき、原子力について学べる場を作ってほしい。
      • 若者が集える機会を作ってほしい。次の世代の子どもたちへの教育にも力を入れてほしい。

 限られた時間の中ではありましたが、グループワークでは参加者どうしが活発に議論をしており、充実した会となりました。参加者からは、このように同世代と原発について話す機会が普段はないという声も上がり、このようなイベントを開催していくことの重要性を改めて感じました。原子力市民委員会では、今後も若い世代に届くような情報発信や、若い世代も含めて意見交換ができるような場作りを行っていきたいと考えています。

 最後になりましたが、今回のオンラインワークショップにご参加いただいたみなさま、ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

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