前回からだいぶ時間が経ってしまいましたが、連続ウェビナー(Webinar)のご案内です。
ICRPは、核による災害後の防護に関する短期的、中長期的対応に関する2つの勧告を2010年に発刊しました(ICRP Publ.109と111)。 その後、これら勧告を一つにまとめ、チェルノブイリや福島での経験を踏まえた改訂版を策定するとし、2019年に草案を発表し、パブリックコメントを経て2020年に、 ICRP Publ. 146「大規模原子力事故における人と環境の放射線防護 ― ICRP Publication 109と 111 の改訂 」を発刊しました。https://www.icrp.org/docs/P146_Japanese_Final.pdf
第2回ウェビナーなどではICRP Publ.146における福島原発事故に関する記述の問題点を検討しました。 今回は今中哲二さんをお迎えし、チェルノブイリ原発事故を振り返りつつ、ICRP Publ.146の附属書Aにおけるチェルノブイリの記述の妥当性を検討します。
今中さんからの参考資料です。
下記とあわせて上記のICRP Publ.146の最後の方にある、チェルノブイリの章を読んでおくと、より深く理解できると思います。
・チェルノブイリを見つめなおす:20年後のメッセージ
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/etc/Che20Final20060406-a.pdf
・チェルノブイリ原発事故の実相解明への多角的アプローチ- 20年を機会とする事故被害のまとめ
https://www.rri.kyoto-u.ac.jp/PUB/report/04_kr/img/ekr012.pdf
・旧ソ連の原子力開発にともなう放射能災害とその被害規模に関する調査研究
https://www.rri.kyoto-u.ac.jp/PUB/report/04_kr/img/ekr014.pdf
・チェルノブイリ原発周辺30km圏避難住民の被曝量の再検討 2007年環境放射能研究会
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/kek07-2.pdf
ぜひ参加ください。
日 時: 2024年8月8日(木)18:00~19:30
場 所: オンライン開催(zoom)
プログラム:
<お話> 「チェルノブイリ事故の経過・放射能汚染とソ連政府の初期対応:ICRP146の記述を読みながら」 / 今中哲二さん(京都大学複合原子力科学 研究所) 資料
申し込み: 下記よりお申込みください。 https://keio-univ.zoom.us/webinar/register/WN__0oGK03XSbaYWeFSDsOndg#/registration
上記ページに氏名、メールアドレスを入力すると、アクセスに必要な情報が送信され ます。送信されない場合、メールアドレスが正しいか確認して下さい。
※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。
お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL/FAX 03-6709-8083
福島原発事故後に適用された年間20mSv基準などのもとになったICRP(国際放射線防護委員会)の基本勧告が、2030年頃に改訂される予定です。
そのICRPが2023年11月6~9日の間、東京で総会(ICRP2023)を開きました。総会にあたり、被災者や市民、事故後の状況を把握する日本の研究者が広く参加し、事故の経験を踏まえた放射線防護のあり方を検討できる場となるよう、私たちはICRPに対して具体的な提言を重ねましたが、残念ながら受け入れられませんでした【経緯はこちらからご覧ください】。そのため私たちは、市民主体となるシンポジウムを他団体と連携して企画してきました(「放射線防護の民主化フォーラム2023」)。
福島原発事故後の放射線防護の最大の問題は、市民の人権や意向を無視した方策がとられてきたことにあります。2030年頃に改訂される基本勧告が原発事故の教訓を反映しないまま、改悪されることのないよう、市民も改訂プロセスに関わり、ICRPの勧告について学び、理解していくことが重要です。
そこで、今年も11月頃に企画中のシンポジウムに向け、ICRPとは何か、その勧告とは何かなど、基本的な事柄からはじめて、ICRPの勧告を読みつつ批判的に検討し、市民の観点からの放射線防護のあり方を検討する連続ウェビナーを開催することにしました。第1回から第6回までの「ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー」はこちらもご覧ください。