「放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030」開催の経緯と趣旨

 

11/3-4【福島市内】
「放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030」
with 飛田晋秀写真展、減思力展、原子力災害考証館furusato
―福島の経験を共有し、放射線の影響からの‟身の守り方”を市民の視点で問い直すプログラム・お申込みはこちらから]

<開催の経緯と趣旨>

 

福島の経験をふまえたとはいえない勧告の改訂
2011年の福島第一原発事故後、日本政府はICRP(国際放射線防護委員会)の2007年基本勧告から、原発事故直後の緊急時被ばく状況における20ミリシーベルト基準を採用し、避難指示や解除、除染の線引きなどをおこなってきました。事故から12年半経った今も、公衆被ばく線量限度の年間1ミリシーベルトの20倍にあたるこの数値が変更されていないのは信じがたいことです。

ICRPは2020年にチェルノブイリや福島での原発事故の経験をふまえて改訂したとする勧告「大規模原子力事故における人と環境の放射線防護」(ICRP Publication146)を発行しました※1。その草案へのパブリックコメントでは、福島原発事故の被害者の経験が十分反映されておらず、上述のような日本政府の都合のよい基準の解釈や運用について記述していないこと、人選に偏りのある科学者と市民の共同専門知を推奨していることなど、日本からも含め300通もの批判的な意見が寄せられましたが、大きく変更されることなく刊行されてしまいました※0

ICRP2023東京総会への市民参加を拒むICRP
放射線の影響から身を守る「放射線防護」の基準のもととなるICRPの基本勧告が2030年頃に向けて改訂される予定で、今年11月6日-9日に東京で開催されるICRPの総会「ICRP2023東京」でもその検討がおこなわれます。

よりよい放射線防護策を立案するには、ICRPによって恣意的に選ばれた者だけでなく、福島原発事故を経験した被災者や市民、事故後の状況を詳細に把握している日本の研究者が広く参加し、新基本勧告に向けて議論することが必要です。このため、原子力市民委員会は、ICRPに対してICRP2023に3つのセッション(「Publication 146の振り返り」「市民の観点から新基本勧告に導入すべき点」「福島における甲状腺がん」)を設置すること、福島をはじめとした市民の参加を促進するために、上記セッションの福島での開催、日本語通訳の提供、参加料金の免除や割引などを公開レターを通じて要望しましたが、残念ながら全て受け入れられませんでした(一連の経緯はこちらから)。

勧告では「利害関係者の参加」をうたいながら、ICRP2023への市民参加を認めないICRPのあり方には大きな問題があります。今後、幅広い市民や研究者が不在のまま、新基本勧告の改訂の検討が進められることによって、福島原発事故後の不十分・不適切な対応が既成事実となり、放射線防護の基準を緩めることに「悪用」されてしまいかねません。

ねじ曲げられる科学
放射線防護に関しては、UNSCEAR(原子放射線影響に関する国連科学委員会)が科学的知見をとりまとめ、ICRPが勧告を作成し、それが各国に取り入れられるという手順になっています。

UNSCEARは、福島第一原発事故の影響について「2020/21報告書」をまとめましたが、これにも様々な問題があることが指摘されています。例えば、発表時のプレスリリースのタイトルは「放射線関連のがん発生率上昇はみられないと予測される」※2でしたが、報告書には増加が検出される可能性が高いことが分析の結果として示されています※3。また、被ばく量の推定のもととなったシミュレーションの結果が、現実のデータとまったく異なっていることも指摘されています。国際的な機関の名を借りて科学を振りかざすという手法は、「IAEAによる汚染水放出へのお墨付き」などでも使われてきました。これに対抗するには、良心的な専門家の助けを得ながら市民が学んでいく必要があります。

市民による民主的な放射線防護策の提案に向けて
福島原発事故後の放射線防護における最大の問題は、市民の人権や意向が無視されてきたことであり※4、放射線防護を市民の手に取り戻す必要があります。そのためには、市民が自ら福島原発事故の経験や放射線防護のあり方を専門家などと共有し、理解し、ともに学ぶことが重要です。

そこで、市民の参加を拒むICRP2023の“対抗イベント”として、さらに2030年頃のICRP基本勧告改訂に向けて市民を重視した提言をおこなっていく長期的な取り組み体制をつくるための第一歩として、「放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030」を企画しました。

今回のフォーラムの概要と特徴
今回のフォーラムでは、福島原発事故の経験を共有し、放射線の影響からの‟身の守り方”を市民の視点で問い直すために、ICRPに提案していた3つのセッションを設置しました。「セッション:福島の経験を共有する/ICRP146の問題」では上述の2020年に改訂されたICRP勧告の問題点を論じます。これらを踏まえて「セッション:ICRP新勧告改訂に向けて」では、その方向性を議論します。「セッション:UNSCEAR福島報告書の問題点」では、甲状腺がんの問題や、その前提としての被ばく量の推定、県民健康調査の問題点も論じます。さらに、「セッション:連帯に向けて」では、原爆被爆者や公害問題との関連、さらに若い世代と連帯するための課題も論じます。
福島市でおこなうこともあり、肩書きは様々ですが、福島にゆかりのある方々が多く登壇することも大きな特徴です。質問や議論の時間も確保してありますので、スピーカーとの意見交換の場にしていただければと思います。
さらに、報告とあわせて、「(写真展)福島の記憶 3.11で止まった町」「減思力(げんしりょく)」の教訓を学ぶためのパネル展」「原子力災害考証館furusato伝承館」も開催します。考えることとあわせて、写真やパネルからも様々なことを感じていただけるのではないかと思います。

福島原発事故の影響を振り返り、感じ、理解し、将来に向けて批判力を養うための2日間へのご参加(現地、オンライン)をお待ちしています。  プログラム・お申込みはこちらから]

※0 ICRP Publ.146の改訂に関して、今回のイベントの登壇者らによるシンポジウムの結果は下記にまとめられている。
「放射線防護とは何かーーICRP勧告の歴史と福島原発事故の教訓」『科学史研究』60巻298号(2021)p.150-174
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsj/60/298/60_150/_pdf/-char/ja
※2 UN (2021), “東電福島事故後の10年: 放射線関連のがん発生率上昇は みられないと予測される,” https://www.unscear.org/docs/publications/2020/PR_Japanese_PDF.pdf
※3 『原発ゼロ社会への道』2022年版の1.3.3 コラム⑧参照。http://www.ccnejapan.com/20220826_CCNE202305.pdf
※4 『原発ゼロ社会への道』2022年版の1.1.4 参照。同上。

 

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放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030 with 飛田晋秀写真展、減思力展、原子力災害考証館furusato

 

11/3-4【福島市内】
「放射線防護の民主化フォーラム 2023-2030」
with 飛田晋秀写真展、減思力展、原子力災害考証館furusato
―福島の経験を共有し、放射線の影響からの‟身の守り方”を
市民の視点で問い直す
 
 

開催のお知らせ


福島第一原発事故後の放射線防護における最大の問題は、市民の人権や意向を無視した方策がとられてきたことにあります。放射線の影響から身を守る「放射線防護」の基準のもととなるICRP(国際放射線防護委員会)の基本勧告が2030年頃に向けて改訂される予定です。市民を重視した放射線防護を実現するための長期的な取り組み体制づくりの第一歩として企画しました。    開催の経緯と趣旨はこちらから
                    チラシはこちらから
                    プログラムはこちらから

なお、フォーラムに先立ち、7月~10月にかけて「ICRP勧告について学び検討する連続Webinar」(全5回)を開催しました。下記のリンクに資料・動画が掲載されていますので、ぜひこちらも活用ください。
ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー(プレ企画5回分)


point 日 時:2023年11月 3日(金・祝)~4日(土)
point 会 場:福島テルサ「3階」+zoomによるハイブリッド開催
   (福島市上町4番25号)
point 申込方法: 下記のリンクから、お申込みください。

 ■報告会場の参加登録 【申し込み締切:10/27(金)】(まだ空きがありますので、これ以降は先着順で受付致します。)

 ■Zoomの参加登録(定員1000名、登録いただければアドレスが返送されます)
https://keio-univ.zoom.us/webinar/register/WN_s1DBFHMsQS6caZ5uPRfrwQ

 ■展示会場(同じく福島テルサ「3階」):登録なしでご自由にご覧いただけます。

point 参加費:無料

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point 報告会場【プログラム】 11月3日(金・祝)  プログラムはこちらから
※報告は、ZOOMによるリモートの場合があります。お名前の後ろに★印のある方はリモート報告です。

[13:00-14:25] 福島の経験を共有する/ICRP146の問題(1)(司会 後藤忍)
「イベントの背景と目的、概要」
      /濱岡豊(慶應義塾大学教授、CCNE福島原発事故部会)資料
「私たちを被ばくさせたもの」
      /武藤類子(福島原発告訴団団長、CCNE委員)資料
「宮崎早野論文とICRP111・146のつながり」
      /島明美(伊達市民、現市議会議員)資料
「福島原発事故で経験した被ばく状況と放射線防護の実態」
      /八巻俊憲(元福島県立田村高校理科教員、CCNE福島原発事故部会)資料
「原発賠償訴訟・京都訴訟での取り組みについて ―訴訟の中での ICRP」
      /明智礼華(原発賠償京都訴訟団、CCNE事務局)資料
「原発災害地域の「あの時」と「現在」」
      /市村高志(Tomioka. Connection. Fellowship 共同代表、CCNE福島原発事故部会)資料

[14:35-15:30] <展示の趣旨と団体アピール>(司会 林衛)
 ・後藤 忍(福島大学教授)「原子力・放射線教育における問題点」
 ・飛田晋秀(写真家)「福島の記憶 3.11で止まった町」
 ・原子力災害考証館furusato
 ・郷田みほ「市民立法「チェルノブイリ法日本版」を作る郡山の会(しゃがの会)」代表 資料
 ・福島敦子「原発賠償京都訴訟・原告団」共同代表 資料 会報No.45
 ・紺野則夫「福島原発事故被害から健康と暮らしを守る会」

[15:45-16:40] 福島の経験を共有する/ICRP146の問題(2)(司会 清水奈名子)
「県境を越えた放射能汚染 ―栃木県からの報告」
      /清水奈名子(宇都宮大学教授、CCNE委員)資料
「全体 Q&A、プレ企画に寄せられた質問・コメントの紹介」
      /濱岡豊(慶應義塾大学教授)

[17:00-18:40] UNSCEAR福島報告書の問題点(1)(司会 藤岡毅)
「超低線量被ばくと推定した UNSCEAR 報告書の問題個所は 100 以上」
      /本行忠志★(大阪大学名誉教授、大阪大学大学院医学系研究科招へい教授、医師)資料
「原発事故と甲状腺がんの因果関係と過剰診断」
      /津田敏秀★(岡山大学大学院教授、医師・医学博士)資料
「UNSCEAR 福島報告書における被ばく量推定の問題」
      /黒川眞一(高エネルギー加速器研究機構・名誉教授)資料

point 報告会場【プログラム】 11月4日(土)

[10:00-12:25] UNSCEAR福島報告書の問題点(2)(司会 濱岡豊)
「福島甲状腺がんの分析」
      /加藤聡子★(理学博士・元短期大学教授)資料
「臨床医から見た福島の小児甲状腺がんの課題」
      /牛山元美★(さがみ生協病院内科部長))資料
「福島県における甲状腺検査のメリット ―甲状腺がん当事者が批判する過剰診断言説」
      /崎山比早子★(3・11甲状腺がん子ども基金代表理事、CCNEアドバイザー)資料
「福島原発事故後の次世代への影響(周産期死亡と低出生体重児の増加)」
      /林敬次(はやし小児科院長・医療問題研究会代表)資料
「県民健康調査の問題点」
      /種市靖行(医師)資料
「Q&A と総括議論 ―UNSCEAR などへの要求も含む」

関連団体からのメッセージ(司会 濱岡豊)
  ・井戸謙一★「311子ども甲状腺がん裁判 弁護団」団長
  ・今野寿美雄「子ども脱被ばく裁判」 原告代表
  ・武藤類子「ALPS処理汚染水差止訴訟」事務局

                      <昼休憩>

[13:25-14:35] ICRP新勧告改訂に向けて(司会 柿原泰)
「ICRP の放射線防護体系の特徴と問題点 ―市民の観点からの見直しを」
      /柿原泰(東京海洋大学教授、市民科学研究室・低線量被曝研究会)
「ICRP 勧告の根本理念の変遷と科学的欠陥について」
      /藤岡毅(大阪経済法科大学客員教授)資料
「市民が知りたい被ばく影響、市民が求める被ばく対策」
      /瀬川嘉之★(高木学校、市民科学研究室・低線量被曝研究会)資料

[14:45-16:30] 連帯に向けて(司会 八巻俊憲)
「現在に続く「黒い雨」否定の構造」
      /小山美砂★(ジャーナリスト・元毎日新聞記者)
「水俣病・原爆・原発公害被害放置に共通する誤用論法をみんなでただそう」
      /林衛(科学ジャーナリスト・富山大学准教授)
「大学生アンケート調査の紹介」
      /清水奈名子(宇都宮大学教授)、後藤忍(福島大学教授)
「福島第一原子力発電所事故と歴史遺産について」
      /明智礼華(原発賠償京都訴訟団、CCNE事務局)資料
「被ばくから命を守る —沖縄県に避難している人たちの取り組みについて」
      /佐久川恵美(同志社大学都市研究センター研究員)
「Q&A」

[16:30-16:40] 全体まとめと今後に向けて
      /清水奈名子(宇都宮大学教授、CCNE委員)

point 展示会場 11月3日(金・祝)13:00-19:00 および11月4日(土)10:00-15:30頃まで
(登録不要、自由にご覧ください。)
    ●飛田晋秀「(写真展)福島の記憶 3.11で止まった町」
    ●福島大学共生システム理工学類環境計画研究室(後藤忍教授)
    「減思力(げんしりょく)」の教訓を学ぶためのパネル展
          ——福島第一原発事故前後の原子力・放射線教材等の記録」
    ●原子力災害考証館furusato 

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point 主 催:慶應義塾大学商学部・濱岡研究室
point 共 催:原子力市民委員会(CCNE)、市民科学研究室・低線量被曝研究会、
科研費プロジェクト「放射線防護体系に関する科学史・科学論的研究から市民的観点による再構築へ」、
福島原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会、富山大学科学コミュニケーション研究室、
科研費プロジェクト「低線量被曝の健康影響をめぐる日本での論争とその社会的背景に関する研究」、
NPOはっぴーあいらんど☆ネットワーク
(共催表明順)

point 問い合せ先:原子力市民委員会
      TEL: 03-6709-8083 E-mail: email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください)


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ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー 第5回

【10/19(木)17時-18時】 ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー 第5回
開催のお知らせ
慶応大学商学部 濱岡研究室、原子力市民委員会共催>

 

連続ウェビナー第5回のテーマは「福島原発事故における人権の問題を国連特別報告から考える」です。

国連人権理事会の政策ガイドラインのなかには「国内避難に関する指導原則」があり、そこでは国内避難民を「武力紛争、暴力、人権侵害、自然災害、人為災害などがもたらす事態の結果として、あるいはこれらの事態による影響を回避すべく、家や居住地から逃れたり離れたりすることを強制されるか、または余儀なくされた人々や集団であって、国際的に認められた国境を越えていない者」と定義しています(『原発ゼロ社会への道』2017 p.42(コラム:国際法上の「国内避難民(IDPs)」としての原発事故避難者)参照)。原発事故によって避難している人も国内避難民になります。

2022年9月、「国内避難民の権利に関する特別報告者」のセシリア・ヒメネス・ダマリーさんが、日本の福島第一原発事故による国内避難民を調査するために公式訪問し、その報告書が2023年7月に出されました。

特別報告者とは、国連人権理事会から任命をされ、福島原発事故後の人権状況について調査・報告する専門家で、2012年からアナンド・グローバーさんをはじめとする特別報告者が訪日調査をして日本政府へ勧告を出してきました。

今回は、福島原発事故によって避難している人々を、国際人権法と国連の特別報告からどのように捉えるべきなのかについて紹介して頂き、検討します。11月の東京でのICRPの総会に向けた学習の場として、これまでの連続ウェビナーにはたくさんの方にご参加いただきました。引き続き多くのみなさんのご参加をお待ちしています。


point 日 時: 2023年10月19日(木)17:00~18:00

point 場 所: オンライン開催(zoom)

point プログラム:「福島原発事故における人権の問題を国連特別報告から考える」

<お話> 「国際人権法からみた福島原発事故対応の問題点—避難者の権利を中心に」 / 徳永恵美香さん(大阪大学、特任講師) 司会: 清水奈名子(宇都宮大学教授、原子力市民委員会委員)

point 申し込み: 下記よりお申込みください。 https://keio-univ.zoom.us/webinar/register/WN_A4z5E2bjRtuSUApG_N3i5g#/registration

※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。

point お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL/FAX 03-6709-8083


<ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナーの開催について>

 

福島原発事故後に適用された年間20mSv基準などのもとになったICRP(国際放射線防護委員会)の基本勧告が、2030年頃に改訂される予定です。

そのICRPが今年11月6~9日の間、東京で総会(ICRP2023)を開きます。原発事故の被災地で開催されるICRP2023が、被災者や市民、事故後の状況を把握する日本の研究者が広く参加し、事故の経験を踏まえた放射線防護のあり方を検討できる場となるよう、私たちはICRPに対して具体的な提言を重ねましたが、残念ながら受け入れられませんでした【経緯はこちらからご覧ください】。そのため現在、ICRP2023の開催と同時期に、市民主体となるシンポジウムを他団体と連携して企画しています。

福島原発事故後の放射線防護の最大の問題は、市民の人権や意向を無視した方策がとられてきたことにあります。2030年頃に改訂される基本勧告が原発事故の教訓を反映しないまま、改悪されることのないよう、市民も改訂プロセスに関わり、ICRPの勧告について学び、理解していくことが重要です。

そこで、11月に企画中のシンポジウムに向け、ICRPとは何か、その勧告とは何かなど、基本的な事柄からはじめて、ICRPの勧告を読みつつ批判的に検討し、市民の観点からの放射線防護のあり方を検討する連続ウェビナーを開催することにしました。「第一回」「第二回」「第三回」についてはこちらをご覧ください

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ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー 第3回

【9/14(木)17時-18時】 ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー 第3回
開催のお知らせ
慶応大学商学部 濱岡研究室、原子力市民委員会共催>

    

 

連続ウェビナー第3回のテーマは「ICRP基本勧告の倫理性、科学性に関する根源的批判」です。

前回に引き続き、2020年にICRP(国際放射線防護委員会)がチェルノブイリや福島での経験を踏まえて改訂したとする勧告「大規模原子力事故における人と環境の放射線防護」(ICRP Publication 146)の問題点を取り上げます。

また、ECRR(欧州放射線リスク委員会)は、ICRPと同じく非政府組織ですが、市民組織であり、国連の科学委員会(UNSCEAR)や国際原子力機関(IAEA)と連携しているICRPとは性格が異なります。そのECRRとICRPの比較を通じ、放射線防護における倫理的な問題点に迫ります。

11月の東京でのICRPの総会に向けた学習の場として、これまでの連続ウェビナーにはたくさんの方にご参加いただきました。引き続き多くのみなさんのご参加をお待ちしています。


point 日 時: 2023年9月14日(木)17:00~18:00

point 場 所: オンライン開催(zoom)

point プログラム:「ICRP基本勧告の倫理性、科学性に関する根源的批判」

<お話> 「ICRP Publication 146の問題点」 / 山田耕作さん(京都大学名誉教授))資料補足資料 「欧州放射線リスク委員会ECRRによる国際放射線防護委員会ICRPの功利主義に対する倫理学的批判」 / 山内知也さん(神戸大学教授))資料 

point 申し込み: 下記よりお申込みください。 https://keio-univ.zoom.us/webinar/register/WN_A4z5E2bjRtuSUApG_N3i5g#/registration

※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。

point お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL/FAX 03-6709-8083


<ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナーの開催について>

 

福島原発事故後に適用された年間20mSv基準などのもとになったICRP(国際放射線防護委員会)の基本勧告が、2030年頃に改訂される予定です。

そのICRPが今年11月6~9日の間、東京で総会(ICRP2023)を開きます。原発事故の被災地で開催されるICRP2023が、被災者や市民、事故後の状況を把握する日本の研究者が広く参加し、事故の経験を踏まえた放射線防護のあり方を検討できる場となるよう、私たちはICRPに対して具体的な提言を重ねましたが、残念ながら受け入れられませんでした【経緯はこちらからご覧ください】。そのため現在、ICRP2023の開催と同時期に、市民主体となるシンポジウムを他団体と連携して企画しています。

福島原発事故後の放射線防護の最大の問題は、市民の人権や意向を無視した方策がとられてきたことにあります。2030年頃に改訂される基本勧告が原発事故の教訓を反映しないまま、改悪されることのないよう、市民も改訂プロセスに関わり、ICRPの勧告について学び、理解していくことが重要です。

そこで、11月に企画中のシンポジウムに向け、ICRPとは何か、その勧告とは何かなど、基本的な事柄からはじめて、ICRPの勧告を読みつつ批判的に検討し、市民の観点からの放射線防護のあり方を検討する連続ウェビナーを開催することにしました。第1回についてはこちらをご覧ください

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緊急声明「関係者との合意を無視した海洋放出決定は最悪の選択である」

原子力市民委員会 緊急声明
「 関係者との合意を無視した海洋放出決定は最悪の選択である 」
を発表しました

 

緊急声明「関係者との合意を無視した海洋放出決定は最悪の選択である」 pdficon_s

英語版はこちら

2023年8月22日

緊急声明「 関係者との合意を無視した海洋放出決定は最悪の選択である 」

原子力市民委員会

1.関係者の理解が得られたとは到底いえない。
 本日、日本政府は、福島第一原発から発生するALPS(多核種除去設備)処理汚染水の海洋放出を早ければ8月24日から開始することを関係閣僚会議で決定した。今回の決定は、「漁業関係者を含む関係者への丁寧な説明等必要な取組を行うこととしており、こうしたプロセスや関係者の理解なしには、いかなる処分も行いません」とした福島県漁連に対する政府回答(2015年8月24日)での約束に明らかに反する。約束を平然と蔑ろにするような今回の海洋放出決定は、福島原発事故で被害を受けつづけてきた人々の苦しみをさらに増幅させるものである。

2.海洋放出は、環境汚染を拡大させるばかりか、問題の根本的な解決にならない。
 放出する「ALPS処理水」は、トリチウム以外の放射性核種を排出基準値以下まで取り除いたものであるとされている。しかし、現在、未処理の汚染水(政府のいう「処理途上水」)が大量に存在し、その汚染状況の把握・分析すら、まったく不十分である。政府の見込み通りに、「処理途上水」を二次処理して放射性核種を確実に取り除くことができるか、明らかではない。
 さらに、ALPSによる処理・二次処理により汚泥、吸着材等の高濃度の放射性廃棄物が大量に発生している。これらの処分は今のところ見通しがたっていない。このような問題を放置したまま「ALPS処理水」の海洋放出を開始したとしても、福島原発事故で発生した膨大な汚染物質の解決にはならない。

3.海洋放出は、福島第一原発事故における汚染水問題の最適な解決策ではない。
 海洋放出には長い年数を要する。東京電力の資料によれば、30年以上の期間を要する。汚染水の発生が止められていない以上、放出期間がこれよりさらに長くなる恐れも大きい。その結果、汚染水のタンク保管が長期化する。
 加えて海洋放出には莫大な費用がかかる。海洋放出の処理費用は、2016年の経産省のトリチウム水タスクフォースで34億円と見積もられていた。ところが実際には、現時点で海底トンネル等の工事費約430億円、風評対策費約300億円、漁業者支援基金500億円がすでに計上され、合計で1200億円を超える。今後30年以上の経費をあわせたコストの全貌は明らかにされていない。

4.原子力市民委員会は、ALPS処理汚染水の海洋放出に反対し、代替策の実施を求める。
 政府・東京電力は、海洋放出ありきの姿勢をとり続け、汚染水の発生を抑制する対策に真剣に取り組んでこなかった。関係者との約束を反故にし、長い期間と巨額の費用を要する海洋放出は有害無益である。
 原子力市民委員会は、汚染水対策として、陸上の大型タンクでの保管、またはモルタル固化による処分を選択するべきであると主張してきた。また、汚染水発生を抑止するためにデブリの空冷化が有効であるとも提言してきた。原子力市民委員会は、政府に対して海洋放出決定の撤回と代替策の実施を強く求めるものである。

以 上

 なお、原子力市民委員会が7月18日に発表した「見解:IAEA 包括報告書はALPS 処理汚染水の海洋放出の「科学的根拠」とはならない 海洋放出を中止し、代替案の実施を検討するべきである」も参照されたい。

本件についての問い合わせ先:原子力市民委員会 事務局
〒160-0008 東京都新宿区四谷三栄町16-16 iTEXビル3F
(高木仁三郎市民科学基金内)
TEL: 03-6709-8083
Email: email@ccnejapan.com

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ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー 第2回

【8/24(木)16時-17時】 ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナー
第2回
開催のお知らせ
慶応大学商学部 濱岡研究室、原子力市民委員会共催>

    

 

連続ウェビナー第2回「ICRP Publication 146における福島の記述の問題点」では、2020年にICRP(国際放射線防護委員会)がチェルノブイリや福島での経験を踏まえて改訂したとする勧告「大規模原子力事故における人と環境の放射線防護」(ICRP Publication 146)を取り上げます。

既存のICRP Publications109およびPublications111を再整理するかたちでおこなわれたICRP Publication 146の改訂の過程では、2019年にドラフトが公開され、日本から300件ものパブリックコメントがよせられ、事故の経験をふまえたものとして不十分だとする厳しい批判がなされました。

市民科学研究室の低線量被曝研究会は、パブリックコメントの全訳のほか、ICRPの日本人委員を招いた討論会、連続シンポジウム「福島原発事故の経験から放射線防護のあり方を改める」などさまざまな活動をされてきました。

今回は同研究会のお二人から、一連の活動を通じて把握したICRP Publication 146の問題点を紹介して頂き、検討します。

参考資料) 市民科学講座「福島原発事故の経験から放射線防護のあり方を改める」


point 日 時: 2023年8月24日(木)16:00~17:00

point 場 所: オンライン開催(zoom)

point プログラム:「福島原発事故の経験から見たICRP Publication 146の問題点」

<お話> 柿原 泰さん(東京海洋大学教授、市民科学研究室・低線量被曝研究会)資料 瀬川嘉之さん(高木学校、市民科学研究室・低線量被曝研究会) 資料 

point 申し込み: 下記よりお申込みください。 https://keio-univ.zoom.us/webinar/register/WN_A4z5E2bjRtuSUApG_N3i5g#/registration

※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。

point お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL/FAX 03-6709-8083


<ICRP勧告について学び検討する連続ウェビナーの開催について>

 

福島原発事故後に適用された年間20mSv基準などのもとになったICRP(国際放射線防護委員会)の基本勧告が、2030年頃に改訂される予定です。

そのICRPが今年11月6~9日の間、東京で総会(ICRP2023)を開きます。原発事故の被災地で開催されるICRP2023が、被災者や市民、事故後の状況を把握する日本の研究者が広く参加し、事故の経験を踏まえた放射線防護のあり方を検討できる場となるよう、私たちはICRPに対して具体的な提言を重ねましたが、受け入れられませんでした【経緯はこちらからご覧ください】。そのため現在、ICRP2023の開催と同時期に、市民主体となるシンポジウムを他団体と連携して企画しています。

福島原発事故後の放射線防護の最大の問題は、市民の人権や意向を無視した方策がとられてきたことにあります。2030年頃に改訂される基本勧告が原発事故の教訓を反映しないまま、改悪されることのないよう、市民も改訂プロセスに関わり、ICRPの勧告について学び、理解していくことが重要です。

そこで、11月に企画中のシンポジウムに向け、ICRPとは何か、その勧告とは何かなど、基本的な事柄からはじめて、ICRPの勧告を読みつつ批判的に検討し、市民の観点からの放射線防護のあり方を検討する連続ウェビナーを開催することにしました。第1回についてはこちらをご覧ください

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【8/30(水)】第三十三回 原子力市民委員会「風雲急を告げる高レベル放射性廃棄物の処分問題」開催のお知らせ

 

【8/30(水)】第三十三回 原子力市民委員会
「風雲急を告げる高レベル放射性廃棄物の処分問題」
開催のお知らせ

    

 北海道の寿都町と神恵内村で、高レベル放射性廃棄物処分場選定の第一段階である「文献調査」が開始されてから2年10カ月が経過しました。この間、両自治体ではNUMO(原子力発電環境整備機構)による「対話の場」がたびたび開催され、現在、その総括が放射性廃棄物ワーキンググループ(経産省の審議会)で行われていますが、この間、地域住民にもたらされた深刻な「分断」の様子が明らかとなっています。また今年に入り、長崎県の対馬市でも複数の団体から市議会に対して文献調査に関する賛成/反対の請願が提出され、その是非をめぐって市を二分する状況となっています。

 政府は今年4月に改定した高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針で、「国の責任」で自治体や経済団体、議会等に対する働きかけを抜本強化するとしました。こうした各地での調査受け入れをめぐる動きは、今後ますます激しくなる可能性があります。

 文献調査だけで最大20億円という交付金をもとに、受け入れを自治体に迫る強引なやり方の問題もさることながら、これらの処分場探しは「原発政策の継続・推進」(つまり、新たな廃棄物を発生させるスペースをつくること)を目的に行われていることを、われわれは直視することが重要ではないでしょうか。

 日本における高レベル放射性廃棄物は、現在の法制度の上では「再処理後」に発生するガラス固化体等の廃棄物に限定されています。しかし、すでに全量再処理政策を含む核燃料サイクルの枠組みは破綻しており、廃棄物政策全体の抜本的な見直しが必須な状況にあります。そのためにも国民的な議論が求められるさなかで、その場しのぎの誤った政策によって、一部の地域に負担を押しつけ、地域社会の混乱を生じさせることは、事態をさらに悪化させることにしかなりません。

 今回の原子力市民委員会では、政府の放射性廃棄物ワーキンググループの委員でもある高野聡さんから各地の状況や審議会での議論の様子をお聞きし、青森県など放射性廃棄物政策の焦点地域での現地調査を長年実施してきた茅野恒秀さんから放射性廃棄物政策の構造的な問題点の解説を受け、原子力市民委員会としての今後の取り組みについて検討します。

 委員会は公開で行われますのでどなたでも傍聴いただけます。会場(+オンライン)からの質疑応答の時間も設ける予定ですので、多くの方にご参加いただけると幸いです。


point 日  時:2023年8月30日(水)14:00~16:30

point 場  所:全水道会館 中会議室(5F)+オンライン(zoomミーティング)       (東京都文京区本郷1‐4‐1) 最寄駅:JR「水道橋」駅東口 徒歩5分  都営地下鉄 三田線「水道橋」駅A1出口 徒歩1分

※ 会場参加、zoomミーティングでの参加のいずれの場合も、下記からご登録ください。 https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZAtcemgrTIpHNS-_GwI-xtfC4Dv0PssHJTd

point プログラム:第33回委員会 統合資料  

(1)核ごみ基本方針改定後、これから何が起きうるのか                   /高野 聡さん(原子力資料情報室、CCNE政策調査部会コーディネータ) 資料 

(2)放射性廃棄物政策と地域社会の関係から現下の問題状況をどう見るか   /茅野恒秀さん(信州大学人文学部准教授、CCNE委員)資料

(3)ディスカッション(「高レベル放射性廃棄物の手引き」の検討など)

(4)その他  ・ALPS処理汚染水海洋放出に関して)後藤資料

 ・上関町における使用済み核燃料中間貯蔵施設誘致問題について 資料

pointお問い合せ: 原子力市民委員会 事務局       Tel 03-6709-8083       E-mail email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください。)

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連続オンライントーク「原発ゼロ社会への道」2023 第4回

【8/10(木)17時-18時】 CCNE連続オンライントーク「原発ゼロ社会への道」2023
第4回「 不可視化される原発事故の教訓と責任 ~文科省の原子力・放射線副読本と原発事故の教訓を伝える施設の展示の特徴 」(『原発ゼロ社会への道』第1章より)
開催のお知らせ

 

 昨年、原子力市民委員会が発表した『原発ゼロ社会への道』(2022)では、日本での原発推進を支えてきた社会的な仕組みとして「無責任と不可視化の構造」があることを明らかにしました(昨年9月7日のオンライントーク参照)。

 この仕組みは、東電福島原発事故の発災以降、事故の責任と教訓を「不可視化」する動きとしてあらわれています。『原発ゼロ社会への道』の第1章4節「教育と広報における人権侵害」では、学校教育と社会教育におけるさまざまな事例の分析を通じて、この不可視化の動きを「可視化」(見える化)しています。

 原発事故前には、国策としての原子力推進の側に偏った教育や広報によって「原子力の安全神話」が流布されていました。その反省と教訓は、事故後の教育・広報において十分には継承されず、事故後、何回か改訂された文部科学省の放射線副読本の最新版では、「汚染」や「被害」といった事故を思い出させる表現が避けられ、あたかも教材が〝除染〟されてしまったかのようです(テキスト・マイニングと呼ばれる手法などを用いて放射線副読本の記述内容を分析し、特徴を把握)。

 また、「原子力の安全神話」(事故はおきません)が福島原発事故の発災によって崩壊した後に「放射能の安全神話」(事故で放射能が出ても、それほど心配いりません)に置きかえられてきた流れは、現在のALPS処理汚染水の海洋放出計画をめぐる教育現場への介入(放射線副読本での記述の追加やチラシの配布)にもつながっています。

 原発事故からどのような教訓を汲み、どのように伝えるかは、「復興」においても、また未来をになう世代へのメッセージという意味でも、きわめて大切なことです。しかし、東京電力や福島県が開設した展示施設の実態を見る限り、事故がなぜ起きたのか、事故対応でどのような失敗があったのかなどの責任に関する説明は「不可視化」され、被害者の立場からの教訓が十分には反映されていません。今回のオンライントークでは、東京電力の「廃炉資料館」(富岡町)、福島県の「環境創造センター交流棟(コミュタン福島)」(三春町)、同じく福島県の「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)などの実例を検証します。

 一方、こうした企業や行政による展示施設とは別のあり方をめざす市民による展示施設の開設や教訓の継承活動も進められています。「安全神話」に与しない教材を作成する試みも見られます。今回のトークでは、事故の教訓の「見える化」と「継承」のために、市民がどのような役割を果たせるのか、どのような実践が始まっているか、といったこともあわせて見ていきたいと思います。


point 日 時: 2023年8月10日(木)17:00~18:00

point 場 所: オンライン開催(zoom)

point プログラム:

1.講演「不可視化される原発事故の教訓と責任~文部科学省の原子力・放射線副読本と原発事故の教訓を伝える施設の展示の特徴」 (『原発ゼロ社会への道』第1章より)   後藤 忍(福島大学共生システム理工学類教授、CCNE福島原発事故部会メンバー)配付資料

2.コメント・質疑応答

(この企画は、後日Youtubeで公開します。Zoomのウェビナー形式で開催し、ご質問やご意見は当日の質疑応答(Q&A)もしくは、後日メール・FAXなどで受けつけます)

point 申し込み: 下記よりお申込みください。 https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_suEy6luuTnWMREDxWzXG6Q

※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。

point 主 催: 原子力市民委員会

point お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL/FAX 03-6709-8083

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日本でのICRP2023開催をめぐる ICRP(国際放射線防護委員会)への公開レターの提出とその後の経緯

日本でのICRP2023開催をめぐる ICRP(国際放射線防護委員会)への公開レターの提出 とその後の経緯

 

国際放射線防護委員会(ICRP)は2023年11月6~9日、国際シンポジウム ‟ICRP2023” を日本で開催する予定です。

福島原発事故後に適用された年間20 mSv基準は、ICRPの2007年勧告を参考に採用されました。放射線防護について検討するICRP2023の場に、福島原発事故の被災者や市民、そして事故後の状況を詳細に把握している日本の経験者が広く参加することは、2030年頃に基本勧告の改訂を予定し、それに向けた作業をおこなっているICRPにとっても有意義と考え、原子力市民委員会(CCNE)ではICRP2023の運営方法ならびに具体的なセッションを3つ提案する公開レターを4月8日に送りました。その後、ICRPからの返信に対し、5月4日、6月3日にもレターをメールにて送りました。

結論として、CCNEの提案は受け入れられず、CCNEとしては他団体と連携して、11月の同時期に福島市内で市民を主体としたシンポジウムを企画中です。またシンポジウムに向けて、学習の場となる連続ウェビナーを開催していきます。

 

  point 【2023年4月7日】CCNEからICRPに宛てた公開レター(英語)(和訳)pdficon_s point 【2023年5月4日】4月12日に受信したICRPからの返信(1)に対するCCNEの2通目のレター(英語)(和訳)pdficon_sとライブセッションの要旨(英語)(和訳)pdficon_s point 【2023年6月3日】5月24日に受信したICRPからの返信(2)に対するCCNEの3通目のレター(英語)(和訳)pdficon_s point ICRPからメールで届いた返信(3通) ※返信(英文)の要点のみ和訳しています。また、その内容にCCNEとして解説を加えています。

 

最初の4月7日付のレター(英語)(和訳)で、CCNEはICRPに対し、被災者や市民が参加しやすくなるよう、福島原発事故に関するセッションの福島での開催や、言語(英語と日本語の通訳)、参加費での配慮、オンラインの活用といった運営面での要望の他、下記の3つのセッションを設ける提案をおこないました。                   ● セッション “被災した市民の経験を放射線防護に活かすために                                        : ICRP 146のふりかえり”                                                                                             ● セッション “福島における甲状腺がん”                                                                     ● セッション ‟新勧告に向けて:市民の観点から導入すべき点”

これに対し、ICRPの返信では、現段階でプログラムを変更することは困難とし、ビデオやポスターでのプレゼンテーションへの要旨(アブストラクト)の提出や既存のライブセッションへの要旨の提出の提案がありました。

CCNEは2通目の5月4日のレター(英訳)(和訳)で、ステークホルダーの参加はICRPの放射線防護原則に不可欠な要素でありながら、福島原発事故後の12年間、無視されてきたとして、市民や学者を招待するセッションの設置の再考を促すとともに、企画・運営への提案の回答を求めました。また、ライブセッションへの要旨(英文)(和訳)を提出しました。

これに対し、ICRPの返信は、CCNEからはビデオプレゼンテーションでの提出を期待するとして、CCNEが提案したライブセッションについての回答はありませんでした。また、多言語のポスターや字幕付きのビデオプレゼンテーションを導入するものの、会議の言語は英語のみという回答でした。

こうした返信に対し、CCNEからは6月3日のレター(英語)(和訳)で、2011年以来、ICRPのシンポジウムで福島関連の報告を行ったのは、ICRPのメンバーをはじめとする福島県立医科大学や東京大学の教授であり、市民として報告したのはICRPダイアロークの関係者のみであること、ICRPは放射線防護策の策定にステークホルダーの関与が重要であると強調しており、今後の基本勧告の改訂でも実行すべきであることを指摘したうえで、CCNEがライブセッションで報告できないのであれば、‟セッション4: 福島第一事故の経験がどのように放射線防護を改善するか”のスピーカーを教えてほしい(我々はより多様で批判的な立場のスピーカーを推薦することができる)ということを伝えました。

これに対し、ICRPの返信では、ビデオの方がライブプレゼンテーションよりもCCNEのニーズに合っていると考えたとし、ビデオやポスターでのプレゼンテーションに「より多様で批判的」な講演者の要旨の提出を促してほしいといった返事がありましたが、セッション4のスピーカーの言及はありませんでした。

以上

 

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[CCNE協力イベント]【7/31(月)】シンポジウム 原子力と核 私たちは管理できるのか

[CCNE協力イベント]【7/31(月)14~16時

シンポジウム 「 原子力と核 — 私たちは管理できるのか 」
[共催:超党派議員連盟 原発ゼロ・再エネ100の会、NPO法人原子力資料情報室  協力:ウェブサイト核情報、原子力市民委員会]

(詳細:https://cnic.jp/47299)

ウクライナへのロシア侵攻では、ロシアによる核兵器使用の威嚇、そして欧州最大のザポリージャ原子力発電所の攻撃・占拠が大きな問題となっています。 そのさなか、遠く離れた北東アジアで2つの大きな動きが起きています。韓国の原発回帰、核兵器への傾斜と日本の原発回帰です。

韓国の尹錫悦新政権はこれまでの政策を大きく転換し、原発の積極活用を打ち出しています。また、1月には独自の核武装の可能性に言及しました。4月の米韓首脳会談では核兵器開発の放棄が約束されましたが、核燃料サイクルなど原子力と核が重なる領域での研究開発は積極的に取り組まれています。 日本の岸田政権は、2022年夏以降、原発の寿命延長と原発建て替えを軸とする原発回帰政策を急ピッチで作り上げました。また建設開始から30年経つもののいまだ完成しない六ヶ所再処理工場の推進や、事故を繰り返して廃炉となった高速増殖炉もんじゅの後継となる原子炉の建設を視野にいれるなど、核燃料サイクルにも積極的に取り組む方針です。

しかし、私たちは、「原子力と核」と共存できるのでしょうか。 このシンポジウムでは、韓国の核・原子力政策と日本の原子力政策の現在地を確認し、私たちが、この20世紀が生み出した2つの巨大なシステムを管理できるのかを考えます。


 point 日 時:2023年7月31日(月)14:00~16:00(13:30 通行証配布開始)

 point 会 場:衆議院第一議員会館 国際会議室 住所:東京都千代田区永田町2丁目2-1 地図・アクセス https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkaimap.htm

 point プログラム 【講演】                                                                                                    「韓国・尹錫悦新政権の核・原子力政策の現状」               /カン・ジョンミン(元韓国原子力安全委員会委員長)                                                  「日本の原発回帰政策 議論から見えた安全の危うさ」                                    /松久保肇(原子力資料情報室事務局長)

【パネルディスカッション・質疑応答】                                                                     カン・ジョンミン                                                                                                              鈴木達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター教授/元原子力委員会委員長代理)                                                                                                                                       松久保肇

 point 参加登録:会場(100名)・オンライン参加併催 いずれも下記からお申し込みください(会場参加・オンライン参加の入力をお願いします)。 https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_AMWPB7vhQS-g4wLlPn5TCw

 point参加費:無料

   point共 催:超党派議員連盟 原発ゼロ・再エネ100の会         (http://blog.livedoor.jp/gempatsu0/)                                                                       NPO法人原子力資料情報室 (https://cnic.jp/)    

            point協 力:ウェブサイト核情報 (http://kakujoho.net/)                                                                原子力市民委員会 (http://www.ccnejapan.com/)

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